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平愛梨『やれる時にやらないでどうする!? 二度目の人生プラン変更…(笑)』
“一緒に作った”気持ちが深い作品
平この役は、頭では考えずに入れたんです。衣装を着た瞬間に自然と「あ、こういう感じなんだ」って。草野翔吾監督のなかには明確なイメージができあがっていたので、私はそれに近づくことに集中していました。「歩き出す足は右か左か」っていう細かいところにもこだわりを持っていらしたので、その思いに応えるのに一生懸命でした。
──求められたことに対して全力で向かっていったんですね。難しくはなかったですか?
平正直、壁にぶつかったこともありました。10テイク目でもOKが出なかったことがあって、そのときはさすがに「何がダメなんだろう、なんでOK出してくれないんだろう」って悩みました。でも、やるしかないんですよね。どの作品の場合でもそうですけど、監督が「いい」と思うことがすべてなので。
──自分からアイディアを出すこともあったんですか?
平部分的にですけど、ありました。カギとなるシーンの場合は監督がそばに来て、「僕はこう思うんですけど、愛梨ちゃんは何かあります?」って聞いてくれたんです。監督とは歳が同じということもあって、考えを伝えやすくてありがたかったです。
──主演の清水さんはだいぶ年下の17歳。どんな俳優さんだと感じましたか?
平こっちが役に入りやすい空気を自然と作ってくれて、すごいなあって素直に驚きましたね。とても一緒にお芝居をしやすい俳優さんです。私も清水くんも、ロケ地の群馬と東京を毎日往復していたんですけど、現役高校生だから「明日学校行かなきゃいけない」って言いながらバスに乗ってた姿が印象的でした(笑)。
──現場の雰囲気はいかがでしたか?
平この作品は草野監督のデビュー作だったんですけど、スタッフも出演者も、みんな監督を信頼して進めていった感じでした。「将来大物になるぞ」って、みんな頼もしそうに眺めてましたね。もちろん私もそう感じました。あとやっぱり私自身は、悩んだりしながら撮影をしたこともあって、完成した今は達成感が強いです。「一緒に作った」っていう気持ちが深い作品になりました。
最近になって前向きな気持ちに変わった
平うーん……あまり考えていないです(笑)。私はイノシシタイプなので、目の前のことにひたすら集中するのみで。あ、だけどまわりの声に対しては、耳をダンボにしています!アドバイスや意見を聞き逃さないように。意識しているといったら、それくらいかな。
──なるほど。だけどそれだけ忙しいとお休みって取れますか?
平1ヶ月ごとにスケジュールが書かれた紙をいただくんですけど、予定が埋まってた方がうれしいんです。先日、何者かによって(笑)「休みを取るように」って走り書きがあって。「何だこの文字は!?」ってビックリしました。「休みはいらない」って書き直しておきましたけど(笑)。「やれる時にやらないでどうする!?」っていつも思っています。
──本当に仕事が楽しいんですね。この先の方向性やプランを思い描いたりしてるんですか?
平以前は23歳でこのお仕事を辞めるつもりだったんです。でも22歳で映画『20世紀少年』と出会って、「あれ!?」って。そこで一度プラン変更をして、27歳までに延長。だけど、またその歳でマネージャーが変わったりして、二度目のプラン変更(笑)。今は……真っ白です。でもそれは、実はとってもありがたいことだと思っています。今は人との出会いがこんなにモチベーションを左右するんだなって実感しています。
──モチベーションはどう変化しましたか?
平何に対しても「やってみないとわからない」って考えるようになりました。弱気になっている時期もあったんです。舞台なんてまさにそうで、2年くらい前はできないと思っていました。でも最近になって「やってないからどんな感じかわからない。わからないなら、とりあえずやってみよう」っていう、前向きな気持ちに変わったんです。そしたらタイミングよくオファーをいただけたりして。
──前向きな気持ちが、自然と引き寄せたのかもしれないですね。女優として、この先演じてみたい役や出たい作品はありますか?
平狼少女!『ガラスの仮面』で主人公が狼少女の役を演じるシーンを観たことがあるんですけど、それが好きなんです(笑)。あとは、誰かと心が入れ替わっちゃうみたいな、少し変わった設定の役に挑戦してみたいですね。実現できるかはわからないですけど、そういう夢は忘れずに、自分らしく進んで行きたいと思っています。
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(文:奥浜有冴/写真:鈴木一なり)
映画情報
ストーリー:
家族も友達もお金も、存在感すらもない、高校生・加藤小判。彼が持っているものは、ただひとつ。誰からも存在を意識されていない時、本当にその場から存在を消せる「テレポート」の能力だ。しかし、テレポート先で素っ裸になってしまうその能力が役に立つことはなく、小判の孤独を証明するだけだった。
ある日、家を追い出された小判は、誰もいないはずのテレポート先でシーナという女性に出会う。小判の能力に興味をもったシーナにも、また家がなく、その能力を利用することを思いつく。
そして、帰る場所を失った2人の、奇妙な共同生活が始まった。同じ頃、町はにわかに活気づいていた。スーパーの防犯カメラに、「白い河童」が映し出されていたのだ。その話を聞いたまちづくり委員の面々は、「白い河童」に賞金を懸けて町に活気を取り戻そうとするが……。
監督:草野翔吾
出演:清水尚弥 平愛梨 三浦誠己 大杉漣 宮下順子 品川徹ほか
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開中
(C)GAF LLC
関連リンク
・撮り下ろしフォトギャラリー
・映画公式サイト