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松本人志、『さや侍』から見える“お笑い論”の変化〜「今の僕にハードな笑いはしんどい」

 お笑いコンビ・ダウンタウン松本人志による劇場作品第3弾『さや侍』(11日より公開)がいよいよ公開間近だ。このほどORICON STYLEでは松本監督に単独インタビューを敢行。時代劇というアプローチ、主演に抜擢した“究極の素人”野見隆明の起用理由。さらに結婚や第1子の誕生という環境の変化による、自身の“お笑い論”の変化についても言及した。

撮影指揮をとる松本人志監督 (C)「さや侍」製作委員会 

撮影指揮をとる松本人志監督 (C)「さや侍」製作委員会 

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 今作は、刀を捨て“さや”のみを持つ浪人・勘十郎(野見)が切腹を逃れるため娘と共に、笑顔を忘れてしまった若君を笑わせようと奮起する様を描く。「元々、主演の野見さんとは、過去に番組でご一緒させてもらって、非常に面白いおじさんだったんですよ。で、この人で映画を撮ったらどうなるんだろう? という所から今回の『さや侍』は始まったんです」と振り返る。「こんな役者さんを主役にしたら、多分こんな映画になるんだろうというのを裏切りたいと思ったんですね。『え!? この素材でこんな味付けになるんや』っていうのが今回の挑戦だったんだと思います」と、いかに観る側を“裏切る”かを念頭に進めていたようだ。

 “裏切り”という意味では、今作でも松本らしい笑いの要素が随所に取り入れられている反面、クライマックスでは予想だにしなかった“泣きの演出”が盛り込まれている。「僕は『笑いは裏切りだ』と思うんです。じゃあ今、松本が何を裏切れるんだろう?と思ったとき、真逆の泣かせることなのかなって。それを野見さんでやるということが、裏切り行為なんだと思うんです。松本の映画で泣いてしまったっていうのは、僕にすれば“笑い”と同じ価値を持つことなんです」と自身の胸中を明かす。

 先ごろ行われた特別試写会に登壇した際に、「理想の娘像を投影した」というコメントを残した松本。結婚や第1子の誕生など、自身に起きた環境の変化を、ここまで作品に投影したのは初めて。「そうですね。この映画も5年前、10年前なら撮れないと思うんですけど、それは技術的な問題では無いんです。別に1本目でも撮れたと思うんですけど、照れというか恥ずかしさで出来なかった。それが出せるようになったというのは、ある意味“羞恥心”が無くなって来た。それは、僕の中での変化でしょうね」と自身の変化を真摯に告白する。

 「50歳手前ですけど、メチャクチャなエロイものとか、ブラックが効きすぎるのは、正直しんどい(笑)。また、時期が来たらそっちの方にいくかも知れないですけど、今の僕は、ちょっと“そっち側”には興味がないんですよ。だから、今の自分の心境というのが今回の作品には投影されているんでしょうね」。

 変化していく様を楽しんでいるという松本だけに、その“変化”が如実に投影された今作。観る側の評価はそれぞれだが、これまでの劇場作品の流れを見事に“裏切って”いることだけは間違いない。

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