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ハリウッドからやって来た異端児 『Lily』中島央監督

 場所はロサンゼルス、登場するのはすべてアメリカ人、もちろんセリフは全て英語。正真正銘のハリウッド映画だが、監督・脚本を手がけたのは生粋の日本人。中島央監督の初長編にして、日本デビュー作となる映画『Lily(リリィ)』が4月2日(土)より東京・シアターN渋谷で公開される。

中島央監督 (C)ORICON DD inc.  

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 中島監督は35歳。米・サンフランシスコ州立大学映画学科卒業後、脚本家としてキャリアをスタートさせる。しかし、映画監督になりたい夢を諦めきれず、自力でプロデューサーを探し、2007年に短編映画『リリィ』を発表。世界各地の映画祭に参加した手応えから長編化に取り組む。「長編を作らないことには映画監督としてスタートラインにさえ立つことができない。予算もないし、僕自身が瀬戸際でした。悩み抜いた挙句に出てきたのが、このシナリオ。限られた予算内で映像化でき、かつ、心から伝えたいと思える物語です」

 新進気鋭の若手脚本家ヴィンセント・ナイトは、5年前に華々しくデビューを飾ったものの、その後が続かず、スランプに苦しんでいた。同棲中の長年の恋人との関係は良好だが、創作意欲を刺激するような事件はなく、彼女との実生活をベースに書き始めたラブストーリーは、すぐにアイデアに詰まってしまう。窮地に立たされたヴィンセントは、街で出会った魅力的な女性との恋愛からヒントを得て物語を作ろうとするのだが…。

 脚本家を1人の普通の人間として描くというテーマには、以前から興味があった。「どんな脚本家でも、実生活から受けた影響が少なからずどこかに反映される。とくに、『Lily』は僕に影響を与えてくれた女性たちの“愛”を忘れないように、映画に閉じ込めておきたいという願いも込めた。最終的に、思いがけず自分が人生を生きてきた過程そのものを記録したような作品になりました」

 熱狂的な映画ファンの父親の影響で、子供の頃からハリウッド作品を中心に映画を浴びるように観て育った中島監督。学校の勉強は苦手で「最下位を争う落ちこぼれ。映画を見ている時だけが、本当に幸せだった」と振り返る。何とか進学した都立高校も1年でドロップアウト。ニュージーランドの高校に留学することになり、それが転機になった。「自分の性分に合っていたんですね。日本では自己主張を強くすると教師や大人に叱られたが、海外は主張しろと言う。積極的になれたら英語の覚えも早かった」

 高校卒業後、映画を学ぶために渡米。生活苦に耐えながら、ハリウッドで監督デビューを果たす。そんな中島監督の生い立ちから現在までの歩みを綴った『絶対、映画を撮ってやる!〜映画『Lily』中島 央監督 自伝〜』も電子書籍として配信中。一方で、次回作の日米合作SFラブストーリー『ARCADE DECADE(邦題:アーケード・ディケード)』の製作準備も始まっている。

 「初めての長編作品は僕の映画監督としての基礎になり、一生僕についてくるものだが、勝負はこれから。10代の頃よりも、今のほうが希望でいっぱいです。僕は映画で救われた。だから、映画を通して恩返しをしていきたい」と話していた。

 iPad及びiPhone向け電子書籍『絶対、映画を撮ってやる!〜映画『Lily』中島 央監督 自伝〜』(http://itunes.apple.com/jp/app/id4260078)は料金450円(税込み)、4月5日(火)まで230円(税込み)で提供中。

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  • 中島央監督 (C)ORICON DD inc.  
  • 米国人のキャスtおとスタッフによって、ロサンゼルスで撮影された (C)2011 SUPERFILMMAKER INC.All Rights Reserved. 
  • 映画『リリィ』のワンシーン (C)2011 SUPERFILMMAKER INC.All Rights Reserved. 
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  • 映画『リリィ』のワンシーン (C)2011 SUPERFILMMAKER INC.All Rights Reserved. 
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