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チ・ソンウォン、虐げられた女性の復讐劇 「胸がスカっとした」

 昨年のカンヌ国際映画祭で上映され、韓国で異例のヒットを記録したスリラー映画『ビー・デビル』(チャン・チョルス監督)が、26日より東京・シアターN渋谷で公開される。同作は、たった9人の住民が暮らす孤島で起きた未曾有の殺人事件を描く衝撃作。この島で一体何が起きたのか?

映画『ビー・デビル』のプロモーションで初来日した韓国女優チ・ソンウォン  (C)ORICON DD inc. 

映画『ビー・デビル』のプロモーションで初来日した韓国女優チ・ソンウォン  (C)ORICON DD inc. 

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 主人公は閉鎖的な村のスケープゴートとして生きる悲運の女性キム・ボンナム。村人から日常的に虐待と人権の蹂躙を受けていた彼女は、ある悲しい出来事をきっかけに、殺人鬼へと豹変する。何かが振り切れた時、どこまでも残酷になれる人間の醜さをえぐりだし、事件を食い止められたはずなのに何もしなかった人々の姿を通して、ただの“傍観者”であることへの罪をも容赦なく突きつける。

 “傍観者”側のヒロイン、ヘウォンを演じるのはチ・ソンウォン。ソウルの銀行に勤める独身女性ヘウォンは、トラブルとストレスにまみれた都市生活から逃れようと幼なじみのボンナムの住む島を訪れる。「ヘウォンは現代社会の中で仕事を持ち、成功を目指している典型的な都市生活者のロールモデル。まったく思いやりのない女性に見えるが、他人に関わることの煩わしさ、自分に災が振りかかる恐怖から、誰もが“傍観者”に成り得るのではないか」という。

“鑑賞者”としての意見をチ・ソンウォンに聞くと、「奴隷のようにこき使われ、暴行を受けてきたボンナムが復讐を果たす。痛快さを感じて胸がスッとしました」と答えた。ボンナムがバイオレンスを爆発させるシーンは、不謹慎なくらい残酷なのに不思議なカタルシスに襲われる。韓国では、これが口コミで広がって、当初30館での上映が100館にまで拡大した。

 チ・ソンウォンは同作の前に出演した『ハーモニー 心をつなぐ歌』(2010年)でも、「女性刑務所の受刑者たちの中に、夫の暴力に耐えかねて殺人を犯してしまった人が多いことを知りました」と話す。まったく違うタイプの映画だが、「悪魔は私たち自身の中にも、そして隣人たちの中にも潜んでいる」という思いが、彼女の中で積み重なり、「今作の撮影が進むにつれ、私も徐々にボンナムに共感してしまいました。殺人を犯してはならないが、復讐したい気持ちもわかるというような…、そういう気持ちの揺れを抑えるのが難しかった」と振り返った。

 安易に口にしがちな“思いやり”という言葉。“思いやり”とは何かを考えさせる同作を監督したチャン・チョルスは、これが長編監督デビュー作。韓国映画界では『チェイサー』(2008年)のナ・ホジン監督、『息もできない』(2008年)のヤン・イクチュン監督に続く才能として注目を集める。ボンナム役を演じるソ・ヨンヒは、『チェイサー』の猟奇殺人犯の毒牙にかかるヒロイン役に続いて、今作でも過激なシーンの数々に体当たりでチャレンジしている。

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  • 映画『ビー・デビル』の出演シーン (C)2010 Boston Investments Co., Ltd. and Filma Pictures. All Rights Reserved. 
  • 映画『ビー・デビル』3月26日公開 (C)2010 Boston Investments Co., Ltd. and Filma Pictures. All Rights Reserved. 

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