映画監督の三池崇史、園子温、俳優の吹越満が20日、東京・六本木のビルボードライブ東京でトークショーを開いた。3人とも、昨年9月にイタリアで開催された『第67回ベネチア国際映画祭』に参加していたが、園監督と三池監督はこれが初対面。ほろ酔いの三池監督が「園監督は今の日本映画の幅を広げてくれていると思います」と先に切り出すと、緊張気味の園監督は「三池監督が道路を作った後に、僕がスポーツカーで走る感じの予定だったので心外です」と恐縮した。

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　昨年のベネチア映画祭で三池監督は『十三人の刺客』をコンペティション部門に、園監督は『冷たい熱帯魚』をオリゾンティ部門に出品。『冷たい〜』に主演する吹越も園監督に同行して現地を訪れた。「去年ベネチア国際映画祭に行った日本人監督3人のうち2人がここにいるというのは、すごいことですよね。でも2人も監督がいると、どっちの言うことを聞いていいか迷います（笑）」。

　『冷たい〜』は、実際に起きたいくつかの連続猟奇殺人事件からインスパイアされた人間の狂気と極限の愛を紡ぎ上げた『愛のむきだし』に続く作品。家庭不和の中、熱帯魚店を営む主人公が、ある日出会った同業者の手伝いをするうちに、想像を絶する猟奇殺人事件に巻き込まれていく。

　「やっぱり狂人が映画を作るべきなんですよ！」と三池監督が吠えると、「三池さんはメディアで『映画愛なんてない』と言っているけど、実際は“映画愛”に満ちてますよね」と園監督。お互いに「業界内じゃ生きづらい状況の中で活躍している園監督が今後どうなっていくのか楽しみです」（三池監督）、「三池さんには後、監督として6回くらい波を作って欲しいです。尊敬しているので」（園監督）とたたえ合った。

　トークショー後は、映画『冷たい熱帯魚』（1月29日公開）の特別試写上映が行われた。

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