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山田洋次監督が小説家デビュー 寅さんの少年時代を描く

 映画監督生活50周年を迎える山田洋次監督が5日、都内でパートワーク(分冊式の出版物)『男はつらいよ 寅さんDVDマガジン』の発表記者会見で寅さんの少年時代を綴る小説を執筆すると明かした。1969年から26年間に48作、国民的映画シリーズとして親しまれた山田監督の代表作『男はつらいよ』をDVDマガジンとして改めてシリーズ全作がリリースされるにあたり、山田監督自ら筆を取ることを決めた。意外にも山田監督にとって小説の執筆は初めてで、「脚本とは別もの」と試行錯誤をしながら、寅さんの子供時代に想いを馳せる。

『男はつらいよ 寅さんDVDマガジン』の発表記者会見で“小説家デビュー”することを明かした山田洋次監督 (C)ORICON DD inc.  

『男はつらいよ 寅さんDVDマガジン』の発表記者会見で“小説家デビュー”することを明かした山田洋次監督 (C)ORICON DD inc.  

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 小説のタイトルは『けっこう毛だらけ』、副題は「小説・寅さんの少年時代」。山田監督は「寅さんは小学2年生で終戦を迎え、大混乱していた時期に少年が成長していくお話。寅さんを演じた渥美清さんの少年時代の話を聞いていたんだけど、やっぱり勉強は全くしない悪ガキだったらしくて、そんな渥美さんのイメージもダブらせたい」などと構想を語った。

 同小説を原作に寅次郎少年を主人公にした新作映画の制作については「企画は何度も上がっているんですが、昭和20年代から30代の戦後の柴又をビジュアル化するのが大きなハードル。CGを使って成功した作品もあるが、とても大変で、今ひとつ踏み出せないままでいる。なんてったって難しいのは寅次郎少年を誰が演じるのか。ゆかいでこっけいな不良少年を探すのは大変」と具体的な問題点を挙げ、意欲の高さを見せていた。

 会見には同シリーズにさくら役で出演し、女優デビュー50周年を迎える倍賞千恵子、毎号のDVDの“見どころガイド”に出演する落語家の立川志らく、講談社の野間省伸副社長が同席。倍賞は第1作の出演シーンを観て、「かわいかったですね。すごいかわいかったですね。40年前になるんですよね」と自画自賛して笑い、「私は『男はつらいよ』シリーズで社会のこと、演じること、人間を見る目を学ばせていただいた。(DVDマガジンの創刊は)おにいちゃんが『初心に戻れよ』と言っているような気もしています」と話した。

 同DVDマガジンは今月16日より隔週火曜に1巻ずつ、全50巻(シリーズ48作、特別編、フジテレビ系で放送されたテレビドラマ版)を約2年間にわたって刊行する。山田監督は「シリーズ48作を通して描いてきたのは、家族の心のつながり。もう一回、映画を観直していただいて、家族について、この不安な時代をどう生きればいいのかについて、幸せの着地点としてどの辺に目標をおけばいいのかということを、散々笑った後にふと考えるきっかけになれば」と話していた。

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  • 『男はつらいよ 寅さんDVDマガジン』の発表記者会見で“小説家デビュー”することを明かした山田洋次監督 (C)ORICON DD inc.  
  • 『男はつらいよ 寅さんDVDマガジン』の発表記者会見に出席した倍賞千恵子 (C)ORICON DD inc.  
  • 『男はつらいよ 寅さんDVDマガジン』の発表記者会見に出席した(左から)立川志らく、倍賞千恵子、山田洋次監督、講談社副社長の野間省伸氏 (C)ORICON DD inc. 
  • 『男はつらいよ 寅さんDVDマガジン』の発表記者会見に出席した立川志らく (C)ORICON DD inc. 

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