アメコミヒーローのコスプレで悪に立ち向かう等身大のヒーロー映画『キック・アス』（マシュー・ヴォーン監督）に出演する米女優クロエ・グレース・モレッツ（13）がプロモーションのため初来日し28日、都内で会見を開いた。13歳でリュック・ベッソン監督の『レオン』で鮮烈なデビューを飾ったナタリー・ポートマンを彷彿とさせる存在感に、本人も「頭が良くて才能あふれる彼女は私のアイドル。小さい頃からキャリアを積んでいるところに自分との共通点を感じます」。大器の片鱗を見せる一方で、ファッションや音楽にも興味津々。「レディー・ガガが好き。クリスティーナ・アギレラも。クラシックからテクノまで、音楽は薦められれば何でも聴きます。日本の音楽も聴いてみたい」と笑顔で話した。

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　同作は、アメリカン・コミックの人気作家で、映画『ウォンテッド』（2008年）の原作者でもあるマーク・ミラー発案の新しいタイプのヒーロー物語。特殊能力ゼロ、モテ度ゼロ、体力微妙な冴えないティーンエージャーの男子が、アメコミヒーローのコスプレを着て、本気で世間の悪党を退治しようと勝手にパトロールを始める。一方では、本格的な訓練を積んだ父娘“ビッグ・ダディ＆ヒットガール”が犯罪組織への復讐計画を着々と進めていた。

　1997年生まれのクロエは、5歳のときにニューヨークでエンターテインメント業界でのキャリアをスタート。11歳の時に、この“ヒットガール”役に抜擢された。7か月にわたってサーカスやスタントチームに“弟子入り”するなどして、超絶アクションに挑戦。バタフライナイフを振り回すなど、「9割は自分で演じた」。さらに、父親ビッグ・ダディ役を演じたニコラス・ケイジとの共演も話題になり、一躍脚光を浴びることになった。

　「私の父もアメコミが大好きで、地下室に蔵書がたくさんあるの。ケイジさんは私より父と仲良くなってしまって、私との共演シーンの撮影が終わるとすぐに父のところへ行って、コミックの話ばかりしていたわ。もういい加減にしてくれと思ったわ」と毒舌で大人たちを笑わせる余裕も見せた。

　ちなみに、同作の製作を米俳優ブラッド・ピットが代表を務めるプラン B エンターテイメントが手がけているが、「この映画の撮影前には『キル・ビル』を観て参考にしましたし、好きなアクション映画は『Mr.＆Mrs.スミス』。“ヒットガール”を演じる上でアンジェリーナ・ジョリーさんの影響を受けました」と話していた。

　現在、マーティン・スコセッシ監督の新作の撮影中で、さらなる飛躍が期待されるクロエ。「ロミオとジュリエットのジュリエット役を14歳の実年齢で演じてみたい。それと『風と共に去りぬ』が好きなので、スカーレット・オハラも演じられたらいいな」とご機嫌に話していた。

　映画『キック・アス』は12月18日（土）より全国で公開される。

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