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上川隆也、真面目な人柄の奥に潜む“笑い”への憧れ 「お客さんが楽しんでくれたら、それでいい」

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 演劇の映像を映画館で楽しむ<ゲキ×シネ>。最新作となる『蛮幽鬼(ばんゆうき)』が全国43の映画館で順次公開中だ。エンタメ界のトップを走る“劇団☆新感線”が上川隆也堺雅人稲森いずみ早乙女太一らの客演陣を迎え、昨年秋に東京と大阪で上演した『蛮幽鬼』(中島かずき作、いのうえひでのり演出)を映像化。『モンテクリスト伯(巌窟王)』をモチーフに、陰謀渦巻く架空の古代世界で繰り返される過ちと復讐をめぐる人間ドラマを描く。信じていた者たちに裏切られ、復讐の鬼となる主人公・伊達土門を演じた上川に話を聞いた。

上川隆也(C)ORICON DD inc.  

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 劇場公開初日の2日、東京・新宿バルト9で行われた上川が登壇する舞台あいさつは、2回とも満員御礼(各回約400人収容)となる人気ぶり。そんなファンに対し上川は、背筋をピンと伸ばして「本当にありがたいことだと思います。お芝居観たよ、面白かったよ、というお客様の声が何よりも嬉しいんです」と気恥ずかしそうに話した。

 土門について「真面目過ぎる男」と語る。「裏切りも愛情も真っ向から受け取ってしまう、彼があまりにも純粋であるがゆえの悲劇。何もかもかなぐり捨てて復讐に命をかける男を、僕もあれこれ考えず、感情のなすがままにストレートに演じました」。

 舞台作品と<ゲキ×シネ>の違いについて聞くと、「舞台の公演では、客席から役者の表情や汗といったディテールまで観ることはできませんが、17台ものカメラを使って収録し、編集された<ゲキ×シネ>では見えなかった部分も堪能していただける。僕らが初日から千秋楽まで演じた一つ一つの公演があって、それにプラスして別の形の息吹が吹き込まれた<ゲキ×シネ>という一公演がある感じがします」。

 考えながら、言葉を選びながら、丁寧に話す。真面目な人柄は見るからに明らかだが、どこか笑いが挿し込む隙もある。そんな印象を伝えると、ちょっと嬉しそうに「人を笑わせることができる方はすごいと思っているんですよ。身の回りのことを笑いにしていける人って純粋にリスペクトしてしまいます」と返してきた。

 45歳。「映像作品で20代の役はもう演じられませんが(笑)、40代には40代なりの、ネガティブな面も含めて面白さがあると思えるようになってきた」という。それも、同年代の役者たちがいい刺激になっている。古田新太や香川照之らの名前を挙げ、「彼らの活躍ぶりを見ると無性に嬉しくなってくる。若い頃から負けてたまるかと一緒に走ってきた彼らが今、とても頼もしく思えるし、僕の中にもたぎるものがある。そう思っているのは僕だけかもしれないですけどね(笑)」と話した。

 出演中のNHK『龍馬伝』、10月17日から放送の主演ドラマ『マークスの山』(WOWOW)、 10月30日からは古巣でもある演劇集団キャラメルボックスの25周年記念公演『サンタクロースは歌ってくれた』に出演する。

 「いただけるのなら、いろんな役をやってみたい。好きで始めた芝居、お客さんが楽しんでくれたら、それでいい。それが唯一にして僕のすべてです。いつまでできるかわかりませんが、芝居が出来なくなるその時が来るまでお芝居を続けていられたらいいと単純に思っています」。

⇒ ゲキ×シネ『蛮幽鬼』あらすじ&予告編

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