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ゲゲゲの脚本家・山本むつみ氏が会見「ヒロイン像に共感できたのでは」

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 今月18日にクランクアップしたNHK朝の連続ドラマ小説『ゲゲゲの女房』を手掛けた脚本家の山本むつみ氏が20日、東京・渋谷の同局内で会見し、執筆を終えた今の心境を語った。『ゲゲゲ』が世間に浸透した秘訣について山本氏は「朝ドラの中で、受けの芝居が多いヒロインって、私の中では知らない。内気で引っ込み思案で、でも彼女が(作品の)中心」と女優・松下奈緒が演じたヒロイン像を挙げ、さらに「人と人が寄り添って暮らすことの面白さや、そういうヒロイン像に共感できたのではと思います」と分析した。

 ヒロイン・村井布美枝や向井理演じる茂(水木しげる)を含む家族の人生を、構想期間を含めて約2年以上かけて「掘り下げて書けるっていうのは私としては魅力的だった」と初の朝ドラ脚本を振り返る。執筆にあたり「自分の人生を投下しないと、到底太刀打ちできないと思い、できる精一杯のことをやり尽くした」と全力投球で挑んだといい、その結果「後悔はない」と胸を張った。

 半年間、26週の放送分を書き終え「人の半世紀を描けば、いろんな人との出会いや別れがあるのは当然で、その中で自分が書きたかったものって、ある種の死生観みたいなものだなと思った。第1週目から使っていた『見えんけど、おる』っていうのが、(物語の)基調をなしているフレーズ。見えないものに支えられて生きてるなと、書きながら強く思った」と山本氏にとっても特別な作品になった。

 時代背景や水木夫妻周辺の環境などを勉強するために「200冊じゃきかない本を買って、調べました。そうじゃないと、自信を持って書けませんでしたから」と生みの苦しみも明かす。そのぶん、撮影のクランクアップに立会った際には、松下や向井らと「ひたすら泣きながら健闘を称えあいましたね」と涙が止まらなかったという。

 現時点で平均視聴率は18%を超える人気を誇る。山本氏は「紙芝居のように脚本を作っていきました。『この続きはまた明日』のように、引きを学びまして。あと、絶対に笑いの要素も入れました」と工夫を意識。同作を通して「水木さんの漫画って、『ゲゲゲの鬼太郎』しか知らない人って多かったと思う。だけど、いわゆる三大漫画『河童の三平』『悪魔くん』『ゲゲゲの鬼太郎』を取り上げつつ、戦記ものとかもあって、どれだけ幅が広い素晴らしい漫画家と伝えられたのがよかった」と達成感に満ちた表情で揚々と語っていた。

 人気漫画『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる漫画家・水木しげる氏の妻・武良布枝さんの視点から、夫婦の半生を描く『ゲゲゲの女房』は9月25日(土)まで放送。

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