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　歌舞伎俳優の中村勘三郎と演出家で俳優の野田秀樹が夫婦役で出演する舞台『表へ出ろいっ！』の娘役発表記者会見が26日、都内であり、オーディションで選ばれた太田緑ロランス（29）と黒木華（20）が2人の娘役として発表された。実生活でもかねてより娘を欲しがっていたという中村は、「野田さんには（娘が）いますけど、僕は男だけ。自分にこんな素敵なお嬢さんができて幸せですよ。嬉しい」と“娘”の前で終始デレデレしっぱなしだった。

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　5月に行われた同作の記者発表時に、娘役を一般オーディションによりキャスティングすることを発表。オーディションには1155人の応募があり、書類選考、2次選考を通して6人に絞った最終選考には、中村も足を運び最終決定を下した。娘をダブルキャストにした理由を野田は「甲乙つけがたく、全くタイプの違う女優。どちらの可能性にも賭けたいなと勘三郎さんとも相談して」と説明した。

　日本人の母とフランス人の父を持つ太田は「台本を呼んでいても、これが野田さんと中村さんだと思うと感激しまして。稽古が待ち遠しい」と心境を告白。現在、NODA・MAP『ザ・キャラクター』に出演しており、今作で2度目の舞台となる黒木は「お母さん（野田）とお父さん（中村）、お姉ちゃん（太田）の姿を見て、いろんなことを吸収して、いいお芝居になればと思います」と初々しい表情で意気込んだ。

　「自身の目で確かめたい」という思いから、初めてオーディション会場に足を運び選考に立ち会った中村は「才能のある方が残ってくれました。稽古も入れて3ヶ月、“家族”として共有できることを嬉しく思います」と思いを明かし、娘役2人の能力を「仮にここで選ばれなかったとしても、どこかで必ず出てくる」と高く評価した。

　同作は、中村演じる“父親”と野田演じる“母親”、そしてファストフードを偏愛する娘らによって繰り広げられるバラバラな家族の物語。“信じるとは何なのか？”をテーマに、一夜にして崩壊してしまう家族を描く。野田はこの作品を「これまで書いた芝居の中で、これほど分かりやすい芝居はない」と分析。娘役の太田を「非常に柔らかい反応で、ご覧の通り背も高く、我々夫婦の子供に見えないということが良い味になっています」と話し、学業との両立をしている黒木には「“舞台から新しい女優さんが出てきた”っていうメッセージを伝えたい」と期待を込めた。

　NODA・MAP番外編『表に出ろいっ！』は、9月5日（日）より、東京芸術劇場にて上演。