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松たか子主演映画『告白』が3週連続1位 衝撃的な映画がヒットする“異例”を読み解く

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 映画『告白』(松たか子主演、中島哲也監督)の勢いが止まらない。興行通信社による最新(6月19日〜20日)の全国映画動員ランキングで、同作が公開初日から3週連続で1位を獲得。2日間で21万102人を動員、2億8696万5400円を売り上げ、前週比101.5%の成績を残した。2週連続で前週比超えを達成する“右肩上がり”は、日本の映画会社最大手の東宝でも予想外で「異例」との声も上がっている。

前週比105%と2週連続で前週比100%超えを記録した映画『告白』 (C)2010「告白」製作委員会 

前週比105%と2週連続で前週比100%超えを記録した映画『告白』 (C)2010「告白」製作委員会 

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 同作は、娘を殺された女教師が教え子の中学生の犯人に“復讐”する衝撃的なストーリーを、事件にかかわった登場人物たちの“告白”で綴る湊かなえさんの同名小説が原作。『嫌われ松子の一生』『パコと魔法の絵本』などを手がけた中島監督が映画化した。今月5日に封切られてから20日までの16日間で動員100万人を突破(119万4344人)、興行収入は15億5018万3900円に達した。

 企画プロデューサーの川村元気さんは2週連続前週比超えという結果に、「今のご時世に右肩上がりの動員というのは、まず異例。観た人はその衝撃を誰かに話さずにはいられなくなり、話を聞いた人は確かめに映画を観に行かずにはいられなくなる、そういう連鎖が起きているようだ」と“口コミ”の広がりの手応えを語る。

 同作のヒットなぜ“異例”なのか。川村さんは同作を「近年みられるヒットの法則からは外れた作品」と言う。泣ける純愛や、笑えるコメディなどが大ヒット作となる傾向の中で「人間の素晴らしさや、人生の喜びを謳い上げ、笑って泣ける映画ばかりがエンターテインメントではないはずだ。そういうものに対するカウンターパンチを求めるニーズもあるのではないかという仮説からスタートした企画でした」と話す。

 映像的にも暗いトーンで陰鬱な印象を与える同作は、少年の倫理観、少年法、いじめ問題、親子関係の歪みなど、現代社会の抱える様々な問題を内包し、救いのないショッキングなエンディングで、観客を突き放す。この手のダークな衝撃作は、米映画『ダークナイト』や韓国映画『殺人の追憶』『チェイサー』など本国では大ヒットするも日本であまりヒットせず、メジャー製作では敬遠されてきたジャンル。それだけに川村さんも「ここまでニーズがあったとは・・・それも予想以上にあった」と驚く。

 さらに、中島監督がこだわったのは「映画の結論を観客に委ねる」ことだった。“救いのない”エンディングは原作小説の特長でもあるが、映画においても分かりやすい結末や救いを作ることを敢えてしなかったのは、「観終わった後に、観客が自分で答えを見つけようと話し合ってくれるのではないかと、つまり観客の方々を信じることにしたんです」と川村さんは言う。それがズバリ、口コミ効果につながった。川村さんは「映画は観客に観てもらって完成するもの。新しい面白さを提供するための挑戦は常に大事だということを、観客の方々に改めて教えてもらった作品。どこまで伸びるか、見届けたい」と話した。

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