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“脳科学おばあちゃん”こと久保田カヨ子さん、子育て論の観点から映画『ATOM』を斬る

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 漫画家・手塚治虫さんの不朽の名作『鉄腕アトム』をフルCGで映画化した『ATOM』が10日より公開される。ひと足先に同作の試写を鑑賞した脳科学者・久保田競氏の妻で、天才を育てる育児法で注目される“脳科学おばあちゃん”こと久保田カヨ子さんが取材に応じ、親子で映画を観るポイントとアトムへの想いを語った。

久保田カヨ子さん 

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 脳科学に基づく独自の育児理論を実践し、テレビ番組や書籍等で若い女性に子育ての楽しさを伝えることに情熱を注ぐカヨ子さん。親子で映画を観るなら「子どもの身の丈に合ったストーリーの映画を選ぶべき。動物が出てくるアドベンチャーものや、童話的なものなど子どもが素直に受け入れやすい内容の映画を一緒に楽しむ姿勢が大切。大人の趣味に無理に付き合わせることのないように」とアドバイスする。さらに、「親子で共有できる話題性のあるものなら良いと思います。見た後で親子の会話につながる映画が望ましい」と話す。 

 1932年大阪府生まれのカヨ子さんは、子供にアトムの名をもじって「求」(モトム)と命名したほど大のアトムファン。「昔の単行本時代から長い間アトムと親しんできましたので、かつてを懐かしむ気持ちで観ました。美しいCGで表現された今作には新しい時代の息吹を感じます」と新生『ATOM』を歓迎した。

 『鉄腕アトム』が一大ブームを巻き起こした1960年代を知るカヨ子さんは「アトム【atom】の起源はアトミックボーイ【atomic boy】。原子力の少年という意味です。価値観が多様化し、エコや世界平和を謳う現代とは全く違う時代背景の日本で『鉄腕アトム』の物語は生まれました。戦後日本の経済復興のために原子力を肯定していかなくてはいけない一方、原子力すなわち原子爆弾と捉え、拒絶反応を起こす日本人。そんな時代の中で『鉄腕アトム』は、次世代エネルギーが良い方向に使われていくように・・という願いのもと、人類の明るい未来を見守る使命を与えられて生まれたわけです」と解説を加えた。

 「こうした歴史的背景が物語やキャラクターに大きなスケールと深みを与え、アトムを通して(手塚さんのメッセージが)世界に広がるのは大きな意義があると思います」というカヨ子さんだが、「大人は懐古的に、子どもは全く新しい物語として見ればいいのです」とキッパリ。親子のコミュニケーションを深める心構えとして、「子どもは子どもの感覚でアトムを感じ、自分の中で新しいアトムの世界観を創っていくでしょう。大人は黙って子どもと一緒に『ATOM』との出逢いを楽しめば良いのです。そしてどこかに、感動の接点を見つけられたら素敵ですね」と話していた。

関連写真

  • 久保田カヨ子さん 
  • 映画『ATOM』場面写真(C)2009 Imagi Crystal Limited Original Manga (C) Tezuka Productions Co.,  Ltd. 
  • 映画『ATOM』場面写真(C)2009 Imagi Crystal Limited Original Manga (C) Tezuka Productions Co.,  Ltd. 
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