グラビアアイドルの枠を超え、テレビCMやドラマ、映画と活躍の場を広げている森下悠里。9月26日公開の映画『今日からヒットマン』では、初のヒロイン役を体当たりで演じている。
ごく普通のサラリーマンがある日突然、裏社会のヒットマン稼業に身を染め、命がけの二重生活を始める物語。森下が演じる<ちなつ>は、武田真治演じる主人公のサラリーマン<十吉>の裏社会での“相棒”となる謎多き女性だ。同作では犯罪組織に囚われ、拷問を受けるシーンもあるが、森下本人はあっけらんと「ちゃんと芝居をして、出番がいっぱいある役はやったことがなかったので、楽しくてやりがいがありました」と話す。
◆出演が決まった瞬間からダイエット
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【森下】 兄が2人いるんですが、兄が原作漫画の単行本を持っていて、私もそれを読んでいたんですね。映画出演の話を聞いた時は、<大人気だから、ついに映画化されるんだ>と人ごとのように思っていたんですよ。<オーディションはいつなんだろう?>と思っていたら、3月から撮影が始まるからと言われて。<えー、私でいいんですか?>と、正直驚きました。いままで、ドラマや映画に出演したことはあったんですが、ヒロインという大きな役は初めてだったので、すごく緊張しました。
――役作りで苦労したことは?
【森下】 ちなつは、原作ではスレンダーで、スタイルのいい女の子なんです。でも、私はグラビア体型でしょう。胸もお尻も大きいので、<あ、痩せなきゃ>と思って、出演が決まった瞬間からダイエットを始めました。いままでずっと、髪の毛が黒くてショートカットというイメージでグラビアをやってきたのですが、ちなつはロングヘアで茶髪だったので、髪も伸ばして、4年ぶりにブリーチもしました。こんな風に、いつも役に合わせて、髪伸ばしたり、切ったりする役者さんって、改めてすごいと思いました。
――ダイエットはどうやって?
【森下】 カロリーの高い飲み物は飲まないようにして、水とウーロン茶をたっぷり飲んで、食事は腹6分目くらいに減らして、寝る前には食べないようにして……。毎日、夜と朝起きた後に湯船につかって。それから、よく歩くようにしました。普段から地下鉄2駅分くらいは歩いたりするんですけど、この時はマンションの9階に住んでいたので、エレベーターを使わないようにしたり。地味ですけど、いい感じに、2週間で3キロ痩せました。
◆“エア拷問”って楽しいと思ってしまった
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【森下】 体当たりという言葉が、まさにその通りだと思いました。拷問する役者さんはプロなので、殴っているようにみえても、実際は当たってないんですけど、殴られているように見せるのにもコツがあって。よけた時にあざを作っちゃったりして、メイクで作ったあざとリアルなあざがいい感じにミックスされています(笑)。実際には当たっていないので痛くないし、でも、いかにも痛そうな表情を作って、当たった瞬間にお腹をへこませたり、声を出したりするのが難しくて。足手まといにならないように一生懸命やりました。プライベートで拷問されたことはないし(笑)、普段悲鳴を上げることもないから、“エア拷問”って楽しいと思ってしまった。何か、違う自分になれる。
――エア拷問で、違う自分ですか(笑)。素の森下さんて・・・
【森下】 グラビアをやっている時って、普段の私と全然変わらないんですよ。まったくもって、今も素です。アハハハハハ。グラビアを始める前に事務所と相談してキャラを作っておけばよかったかな、アハハ。この3年間、マイペースにお仕事をさせていただきました。もともと写真を撮られるのも好きでしたし、何か無理している感じもなければ、偽りの自分を作ることも全くなくて。お芝居する時だけですよ、いつもの自分じゃなくなるのは。
――今回の映画の登場人物でタイプの男性はいますか?
【森下】 亡くなってしまう<二丁>さんかな。俺について来いタイプが好きなんです。で、私自身は、ちなつよりも星野真里さんが演じる十吉の妻・美沙子に近い。裏の仕事をしていて朝になってしまった十吉の携帯に、美沙子、美沙子、美沙子・・・・って着信履歴が残っているシーンがあるんですけど、何かストーカーみたいで恐いじゃないですか。でも、私、そういうタイプなんです、恐いタイプ(笑)。好きな人ができると、<今、何やっているんだろう?>と気になって、返信がすぐこないとムカッとして、何度も電話したりメ―ルしたりしちゃう。男の人はドン引きするみたいですけど、私、やっちゃうタイプですね。携帯依存の世代なんです。それをセーブしないと、モテないなと思ってはいるんですけどね。それで、結婚したら、けっこう仕切るタイプの奥さんになっちゃうと思います。
◆30代は女優として活躍していたい
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【森下】 意欲は湧いてきましたね。この作品でヒロインをやらせていただいて、武田さんをはじめ、役者さんたちの演技を間近で見て圧倒されました。私、今、24歳なんですけど、30代は女優として活躍していたいという目標があるので、いろいろな役ができるようになりたいですね。憧れているのは米倉涼子さんや真木よう子さん。いろんな顔を演じられる女優になりたいです。
――『今日からヒットマン』は森下悠里にとって最初の代表作になるのは間違いないですね。
【森下】 主人公の十吉は普通のサラリーマンなんですが、そのほかの登場人物はほとんどが闇社会の人たちばかりで、現実にはあり得ないと思いつつ、共感できる部分も多いと思うんです。もしかしたらそういう世界がすぐ隣にあるのかもしれないし。映画は、すごくテンポ良くストーリーが展開して、いい意味でエグくない。私の最大の露出もブラジャーにショートパンツ姿なので、女の子にも安心してみてもらいたいすね。今作は、原作でいうとまだまだ最初の方なので、ぜひシリーズ化してほしいですね。武田さん演じる十吉がヒットマンとしてどんどん強くなっていく姿も映像化できたら面白いと思うんですよね。
森下悠里 1985年東京都生まれ。雑誌・バラエティーなどで活躍するグラビアアイドル。映画・舞台など女優としても活躍中。主な出演作に『秘密潜入捜査官ハニー&バニー』(07年)、『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発』(08年)など。今年9月には主演舞台『MEN&MAN〜男たちの想い〜』も成功させた。 |
『今日からヒットマン』
ごく普通のサラリーマン、稲葉十吉34歳に突然降りかかった人生最悪の災難・・・、それは伝説のヒットマン“二丁”の名を継ぐことだった!“二丁”に代わって標的を撃ち取り、彼の女を助け出さなければ、十吉だけでなく愛する妻まで殺されてしまう。絶体絶命の大ピンチを、営業で培った気転と得意の話術、即席で得た銃の知識だけで乗り切れるのか!? 突然ヒットマンとしての二重生活を強いられ、戸惑い悩む営業マン、稲葉十吉を演じるのは武田真治。十吉の愛する新妻・美沙子役には、星野真里。十吉の裏社会のパートナー・ちなつには、森下悠里が扮する。 原作:むとうひろし(日本文芸社刊『週刊漫画ゴラク』連載中) 監督:横井健司 原案:『藪の中』芥川龍之介 出演:武田真治、星野真里、森下悠里 9月26日(土)より銀座シネパトスほかにて公開 配給:東映ビデオ 『今日からヒットマン』公式サイト |
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2009/09/30