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マイケル・ムーア監督最新作、ベネチア国際映画祭でワールドプレミア

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 『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』『シッコ』と作品を発表するたびに、大きな注目を集めるアメリカのドキュメンタリー作家、マイケル・ムーア監督。経済問題に切り込んだ最新作『キャピタリズム:ア・ラブ・ストーリー』(原題)が、イタリアで開催中の第66回ベネチア国際映画祭で現地時間6日、ワールドプレミアとして世界で初めて上映された。同映画祭のコンペティション部門にドキュメンタリー作品が出品されるのは初めてという快挙も成し遂げた。

ベネチア国際映画祭のレッドカーペットに立つマイケル・ムーア監督(C)Kazuko Wakayama 

ベネチア国際映画祭のレッドカーペットに立つマイケル・ムーア監督(C)Kazuko Wakayama 

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 最新作は昨年9月の“リーマン・ショック”に端を発した米・ニューヨーク、ウォール街の金融危機と世界同時不況の原因を、おなじみの突撃取材スタイルで暴き出す。まず、アメリカ型の市場主義経済の崩壊と、金融危機がアメリカ各地にいかに壊滅的な影響を与えたかを克明に描き出し、庶民の生活が苦しいままなのに、彼らの税金である公的資金による企業救済策がいかに馬鹿げた使われ方をしているかを探り、シティバンクやモルガンスタンレーなどウォール街の銀行に「金を返してくれ!」と突入してゆく。

 上映中から要所で拍手や爆笑が起き、上映後には10分以上のスタンディングオベーションが続いた。ムーア監督が最新作に相当な自信を持っていることは公式上映に先立つ記者会見でも明らかだった。

 「僕が何よりも心がけているのは、いい娯楽作品にすること。金曜日の夜、みんなが観に来るような、説得力のある、ぐっと観客をつかんで飽きさせない映画で、できれば笑ってもらって、涙なんかもちょっと流してもらえたら、といつも思ってる。僕のスタンスは、常に観客の側に立つこと。ウォール街に犯罪現場用の立ち入り禁止テープを貼りめぐらし、どこかのCEOを逮捕してやりたいと感じた人がアメリカだけで何百万人といたはずだろう。だから僕の映画を観て、その人たちが普遍的な体験をして、今まで知らなかったことを知ってくれたら最高にうれしい」と語っていた。

 同作の北米公開日である今年10月2日は、米国上院がウォール街に7000億ドルの緊急支援策を可決した日から数えてちょうど1年と1日後。日本での公開は12月予定。

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