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【編集長の目っ!】聴け、KREVAの“心臓”の鼓動を

KREVAの最高傑作、完成。

 食わず嫌いという言葉がある。ある不確かな、それも少ない情報が理由で、その食べ物を実際口にもせず、嫌いと言い張ること。それは音楽にもある。聴きもしないのに嫌いと言い張って聴こうとしない。もしかしたらその作品が、今まで自分が感じたことがない感動を与えてくれるかもしれないのに。チャンスなのに。先入観って恐ろしい。

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 「うるさい爆音系はダメ」「J-POPなんて絶対聴かない」「HIP-HOPは自分のカラーじゃない…」。例えばHIP-HOP。HIP-HOPという言葉からどんなイメージを連想するかは知らないが、ちょっと前までHIP-HOPを聴く人聴かない人って、かなりハッキリしていたと思う。でもその垣根を取り払う大きな力になったのがKREVAだと個人的には思っている。HIP-HOPが多くの人にとって、より“近い”ものになったのは、彼の力、作品の力が大きいと思う。

 06年2月に発売したソロ2ndアルバム『愛・自分博』は、HIP-HOPソロアーティストとして、史上初めてオリコン・ウィークリー・ランキング1位を獲得した。素晴らしい実績だと思う。こんなこと書くと、また「KREVAはHIP-HOPじゃない」とか言う人が出てきそうだけど、そう思う人がいてもいい。色々な意見があるのは当然だから。でもサンプリングや打ち込みで、きっちりいいトラックを作って、それに心を掴むリリックを乗せ、ラップで伝える――――HIP-HOP以外の何ものでもないと思う。

 KREVA本人も言っていたが、「ラッパー」はたくさんいるけど、“ちゃんと音楽を作って”、音楽ごとリリックをぶつける「ヒップホッパー」は少ないと。なるほどなと思う。だったらKREVAこそヒップホッパーということだ。9月8日(クレバの日)に発売となる、4thアルバム『心臓』を聴いていても、とにかくそのサウンドに惹かれてしまう。サンプリングのチョイスのセンスが素晴らしいと思う。このアルバム、それこそジャンル云々よりもひとつの作品として、イイ。

 アルバムのコンセプトは、全体を心臓に見立て、真ん中の8曲目にインタールードを置き、前半7曲と後半7曲を、それぞれ“左心室”、“右心室”という位置づけにしている。特に左心室のメロウなラブソングは、どの作品もメロディーとコトバが心に残る。ちょっとしたフレーズ、サウンド、フィーチャリングボーカルが、変な言い方だが“いちいちイイ”。

 そしてインタールードを挟んで、“血”は右心室へ流れていく。右心室はアッパーで踊れる曲、じっくり聴かせる曲、コミカルな雰囲気のもの、とバラエティーに富んだ並びで、とにかく1枚を通して“温かみ”がある。

 それはKREVAの“ピュア”な部分が、“血”となってこのアルバムの隅々にまで行き渡っているからだろう。インタビューでの発言やライブパフォーマンス、そしてリリックから、一貫して彼のピュアさを感じることができる。特にリリックにはそれが色濃く出ていると思う。もちろんトラックにもそれを感じる。ピュアな“心臓”を持っている人間が紡いだコトバ、メロディー、選んだ音楽(サンプリング)、そして声、これが三位一体となって、このアルバムをエバーグリーンな温度感にしている。つまり聴き継がれていくということだ。

 最近は、様々なフィールドのアーティストとのコラボレーションが目立つが、自分がもっと高いところへ向かうひとつの手段だろうし、もっとイイ音楽を追求していくための姿勢だと思う。それが彼の人としての、クリエイターとしての、アーティストとしての幅を広げていっているのは確かだろう。

 そんなところも彼のピュアな部分ではないだろうか。たぶん素直に“一緒にやりたい”というピュアな衝動を大切にして、アーティストとコラボレーションしているのだろう。損得や雑音には目と耳を閉じて。

 KREVAのこれまでのキャリアの集大成というのは大げさかもしれないが、自分がこれまで“感じてきた”音楽を身に纏い、HIP-HOPとは?という大きな部分を我々に提示してくれている。

 彼の『心臓』をさらけ出してくれている。



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応募期間:09年9月9日〜16日14時まで

【動画】PV「瞬間speechless」


 KREVA

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