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　落語家・林家いっ平改め二代目林家三平が21日（土）、東京・上野鈴本演芸場で『襲名披露興行』を行い、二代目三平として初高座を務めた。以前、故・初代三平さんと共に高座にあがった思い出の地に父の名を継いで立った三平は「父の時と変わらない、父の汗が染みた板（の高座）。父への想いがこみ上げてきた」と思わず涙。春風亭小朝から「泣き虫」と茶化されながらも「父という大きな目標へ向かうための決意の涙です」と躍進を誓った。

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　読売巨人軍に贈呈されたうしろ幕を飾り、兄・林家正蔵、小朝に見守られながらトリを務めた三平は、古典落語『荒茶』を披露。高座後、インタビューに応じ、晴れて父の名を継いだことには「実感が沸かない。どうしても父のイメージがある」と苦笑い。観客の反応を振り返り、「お客さんにはどうもすいません。ややウケだった？ 厳しいですね。大ウケに化けるようにしたい」と今後も精進していく姿勢をみせた。

　報道陣からなぞかけを要求されると「林家三平とかけて貯金通帳と解く。その心は、共に高座（口座）が気になります」とおどけながら締めてみせた三平。「看板を背負って、これからが勝負だと思う。引きずるか、ちゃんと背負えるか、信念を持って臨みます」と意気込む表情には、先ほど高座で流した決意の涙も“昇華”され、偉大な父の名に立ち向かう決意が現れていた。

　また三平の高座前には襲名披露口上も行われ、小朝が二代目三平誕生までの兄・正蔵の心の葛藤を告白。「誰もが長男（現・正蔵）が三平を継ぐと思ってた。けれど（正蔵は）、初代三平さんが弟に溺愛してたのをみて、誰が（二代目三平を）継ぐべきかを考えたと思う。並々ならぬ決意があった」と小朝が明かすと、正蔵の目にも涙。正蔵は“路”を譲った弟と共に「林家の名前を磨いていきます」と語った。

　同所での『襲名披露興行』は30日（月）まで開催。その後、新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場と移して4月30日（木）まで。


　林家三平