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――納棺師の妻という役を演じていますが、脚本を読んだ時の気持ちは?
すごくずっしりと重い「命」「死」「葬儀」というテーマが核にあるので、今までに感じたことがなかったような責任感を感じさせられました。
――役作りで意識したこと、撮影に臨むにあたって準備したことは?
本木さんの妻役でしたが、夫婦2人のシーンがほとんどでしたので、役作りというよりも、本木さんとご一緒するにあたって、夫婦の生活ぶりや生活のなかの価値観、日常的なくせや習慣、食事など、そういうところを話し合いながら作りあげていくところに、夫婦作りというか、役作りのメインがありました。自分の役作りというよりもご一緒することで作っていくという感覚がありました。
――本木さん演じる納棺師という仕事に触れてみて。
実際に納棺の儀に触れる機会がこれまでになかったのですが、納棺協会の方々とお話する機会もあり、改めてすごく神聖なありがたい職業だなとこの撮影を通じて実感しました。本木さんの所作には、ちょっとかじっただけじゃ絶対にできない美しさがあります。そういう部分でも改めて大事な仕事だなと思いました。
――夫婦でも仕事に対しての意識が違います。
映画を観た方、男性と女性ですごく視点が違うと思います。仕事というものに対して、男性は一生夢を持ち続けていたいんじゃないかと思うんですけど、それを背負って支えて包み込んでいきたいというのが妻です。でも(生活を)現実的に捉えないといけないのも妻であり、仕事の捉え方って男性と女性でこんなに違うんだなって感じました。夫婦であるがゆえにそこを理解しあっていかないといけないということを、この映画を通じてわかっていただけると思います。そういう意味では夫婦の再生の物語になっています。
――今回の映画を通じて女優としてプラスになったことは?
私自身でいえば、女優という職業を一生の仕事としてまだまだこれから成長していく過程だと思います。この映画を通じて、本木さんのチェロや納棺師の所作の練習の徹底の仕方、作品に対して惜しみない努力を捧げる姿を、すごく尊敬していました。また、余貴美子さん、吉行和子さん、山崎努さん、笹野高史さんの存在感や、説得力のあるすばらしいお芝居を目の当たりにして、やはり役者はその生き様が映像に表れるんだなと実感しました。私はまだまだこれからと感じさせられた部分でも、この映画に出会えたことは幸せだったと思います。
――最後にこの映画の魅力を教えてください。
人は皆、死に向かっていき、いつかは送られます。でも、そこからが出発地点だったりするようなことを感じさせられ、生きるということについて考えさせられる映画です。幅広い世代の方、あらゆる方に共通するテーマを描きます。
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2008/09/12