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誕生50周年を前に盛り上がるボサノヴァ

話題のドキュメンタリー映画公開、CDも続々リリース
誕生50周年を前に盛り上がるボサノヴァ

07年リリースの主なボサノヴァ作品一覧

 記録的な猛暑となったこの夏、ボサノヴァが音楽シーンにさわやかな清涼感と熱いトピックを運んでくれた。もともと日本では、ブームを超えて幅広い層に愛されているジャンルだが、ドキュメンタリー映画の公開や関連CDの相次ぐリリース、ラジオ局のキャンペーンなど、誕生50周年を目前にしてさらなる定着&人気拡大が期待される。

一過性のブームでは終わらない盛り上がり

 1950年代後半、当時ブラジルの首都だったリオ・デ・ジャネイロに住む若者たちが生み出した「新しい傾向(Bossa Nova)」。その洗練されたメランコリックなメロディと、ささやくような歌唱は、歳月を経てなお色褪せることなく、世界中で愛され続けている。

 おだやかで楽天的、そして都会的なムードから、日本では特にボサノヴァの人気は高く、日本に紹介された60年代当時からのオールド・ファンはもちろん、90年代にはカフェ・ブームとともに若い世代にも浸透。リラックスできる空間を提供するカフェと、ボサノヴァ は相性が良かったのだろう。自宅でカフェの雰囲気を味わえる“カフェ・コンピ”も、この頃に人気を博したアイテムのひとつだ。

 また、最近では「LOHAS」や「スローライフ」といったキーワードから、ボサノヴァを好む層も増えている。

 そんなボサノヴァの初めてのレコードと言われている、アントニオ・カルロス・ジョビン作曲による「想いあふれて」が発表されたのが1958年。つまり来年、ボサノヴァは誕生50周年を迎えることとなる。

 この節目に、ボサノヴァの歴史をひもとくドキュメンタリー映画『ディス・イズ・ボサノヴァ』が8月より公開され、活況を呈している。公開にあたっては、同作のプロデュースを務めた「ボサノヴァ第一世代」のカルロス・リラとホベルト・メネスカルも来日。ともに幾度となく来日したことがあるふたりだが、揃って来日するのはこれが初めて。来日時にはブラジル大使館での会見やライヴ、映画の舞台挨拶を行い、フジテレビ『めざましテレビ』をはじめとする人気番組へも出演。ボサノヴァ創成期から活躍する巨匠の貴重な2ショットに、感涙したコアなボサノヴァ・ファンも多かっただろう。

 もともと定番人気のボサノヴァ関連のCDだが、こうした盛り上がりを受けて各メーカーから名盤の再発や新編集盤が続々とリリース。また、時を同じくしてJ-WAVEが展開中の「COOL BOSSAキャンペーン」(〜8月末)も、ボサノヴァの魅力に触れる層の拡大に一役買っている。

 なお、今年はボサノヴァの祖であるアントニオ・カルロス・ジョビンの生誕80周年。また、再来年は日本におけるボサノヴァのミューズとして知られる小野リサの活動20周年。さらに、日本とブラジルの関係で言えば、来年はブラジル移民100周年という記念の年でもある。

 こうしたホットなトピックが続くことから、今年以降の数年はボサノヴァの盛り上がりが予想される……いや、少なくとも日本においては、これまでもボサノヴァはブームに終わる音楽ではなかった。一過性の盛り上がりというよりは、むしろさらなる安定的な人気を獲得し、そして新しいリスナーも増え、悠久の音楽として愛され続けるきっかけになると言ったほうがいいかもしれない。(文・児玉澄子)





   
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