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ビターな味わいの社会派ドラマが人気を集める理由

 来年1月からスタートするTBS系ドラマ『華麗なる一族』に木村拓哉が主演する。『ロングバケーション』『ビューティフル・ライフ』などのラブ・ストーリーから『GOOD LUCK!!』や『ヒーロー』といった新しい青年像を描く作品を次々とヒットさせ、現代ドラマの申し子的存在となっている木村が初めて挑む“社会派”ものということでも話題となっているが、この“社会派”ドラマの誕生がこのところめざましい。なぜ今、社会派ドラマなのだろうか(これまでの連続ドラマ満足度ランキング一覧はこちら)。

 本題に入る前に、社会派というジャンルの定義に触れておこう。簡単に言ってしまうと、社会の暗部や深層をえぐり出して描くドラマのことであり、これに複雑な人間模様を重ねて、人間・社会派という括り方をされる場合もある。

 この社会派というジャンルが大きなブームとなったのは1958年、松本清張の登場がきっかけといわれている。彼の著作『点と線』や『眼の壁』などがベストセラーとなり、世の中に“社会派”というカテゴリーが誕生、名作が次々と登場し、映画やドラマなど映像化も重ねられていった。これに拍車をかけたのが、山崎豊子が1963年から連載を開始した『白い巨塔』の衝撃だったと言えるだろう。この作品は田宮二郎の主演でドラマ化され、大ヒットを記録、社会派ドラマはピークを迎える。

 しかし、高度経済成長もひと段落し、世の中に安心感が充満し始めるとともに、ドラマの世界は様相を変え始める。温かい家庭を描いた“ホームドラマ”や“刑事もの”“大河ドラマ”などに人気が集中するようになり、“社会派”は忘れられた存在になってしまう。90年代に入ると、“トレンディ・ドラマ”の隆盛とともに、さらに表舞台とはかけ離れてしまっていたのだが、ここに来てそのポジションが大きくクローズ・アップされ始めたのだ。

 はじまりは2003年冬から2004年春にかけてフジテレビ系でリメイクされた『白い巨塔』の成功。これを追うように、2004年初めには中居正広主演で松本清張の『砂の器』がドラマ化(TBS系)され高視聴率を残した。さらに同年秋にはテレビ朝日系で同じく松本清張の『黒革の手帖』がドラマ化、同じ原作者、同じ主演(米倉涼子)で『けものみち』も製作されるほどの反響を集めた。山崎豊子の作品では『沈まぬ太陽』も劇場公開に向けて制作が進行中である。

 こうした社会派隆盛の背景に、テロや北朝鮮問題に伴う生活不安や、耐震強度偽装事件、公務員の度重なる不祥事などからくる社会への不満などが存在しているのは間違いない。実際に起こっている政界・財界などの事件に対する庶民の“怒り”がこうした社会派ドラマへのニーズに形を変えているといってもよさそうだ。

 もちろん、それだけではない。トレンディ・ドラマに始まった“スウィート”なストーリー展開にやや食傷気味だった人々が、“ビター”な味わいを好むようになったという点でも、社会派ドラマはピッタリとフィットしたのだろう。木村拓哉のように世代を飛び超えて支持を集めるタレントが社会派ドラマに登場することで、今後さらにこの傾向に拍車がかかっていく可能性は十分に予想される。

 これまでの連続ドラマ満足度ランキング一覧はこちらへ。

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