俳優の本木雅弘、阿部サダヲ、柴田岳志監督が登場する映画『八月の声を運ぶ男』(公開中)のスペシャルトーク映像が公開された。本木が、声を出さずにせりふを覚えるという阿部独自のスタイルに興味津々となるなど、撮影の舞台裏を語っている。
本作は、1000人を超える被爆者の声を集めた実在のジャーナリスト・伊藤明彦さんの実話を基にしたヒューマンドラマ。伊藤さんの著書『未来からの遺言―ある被爆者体験の伝記』を原案に、失われていく被爆体験の記憶と、未来へ残すべき言葉のはざまで、「伝える」とは何かを問いかける。
本木が演じるのは、被爆者の声を集め続けるジャーナリストの辻原。阿部は、辻原の活動に共感してインタビューに協力する一方、どこか謎を抱えた男性・九野を演じた。
トークの冒頭で本木は、柴田監督とはNHKドラマ『坂の上の雲』(2009年〜11年)以来15年ぶり、阿部とは映画『トキワ荘の青春』(1996年)以来30年ぶりの再会だったことに触れ、今回の顔合わせを「奇跡」と表現した。
柴田監督によると、脚本が完成する前から、辻原と九野を演じるのは「本木さんと阿部さんしかいない」と考えていたという。本木については、『坂の上の雲』で「一つ一つのことにものすごく真摯(しんし)に、丁寧に向き合って、その中から自然なお芝居が出てくることに感動しました。ぜひまた本木さんとご一緒したいと思った」と振り返った。
一方、阿部とはNHK大河ドラマ『平清盛』(2012年)で仕事をしており、「信西という役をやってもらいました。ある時、信西が中国語を話すんですけど、脚本をめくれどめくれど中国語をしゃべってる。これはいくらなんでも難しいんじゃないかと思っていたら、さらっと自然にやってくれた。この人、とんでもないなと(笑)」と、その対応力を称賛した。
すると本木は、普段は声を出さずに台本を読んでせりふを覚えるという阿部に、「中国語も黙読で覚えたんですか!?」と驚き。「黙読で覚えるのが信じられない! 絶対にどこかの時点で、コントロールしていくために声を発して確認したいと思うんですけど、それをほとんどなさらない」と語った。
さらに、撮影の合間には他愛のない話をしていても、本番に呼ばれるとすぐに役へ入る阿部の切り替えの速さにも言及。「そのシステムの謎を教えてほしい!」と迫り、笑いを誘った。
作品では、伊藤さんが実際に集めた被爆者の肉声テープも使用されている。阿部は脚本を初めて読んだ際について、「あまり読んだことのない台本でしたし、こういったテープを集めている人がいることもまったく知らなかったのでショックを受けました。資料でいただいたテープの声がリアルすぎて……」と告白した。
本木も「肉声の持つ声の迫り方って、本当にすごいですよね。映像とか文字では伝わらないものが迫ってくる」と、その力を語った。
実在の人物と出来事を原案としながら、フィクションとして描いた本作。柴田監督は、伊藤さんの著書について、「被爆者の声を集めるなかで彼が考えたことや、被爆体験を記録する意味、真実を伝えることの大切さと難しさを巡る思考と葛藤の記録」と説明。
その内容を映像作品にすることについては、「ドラマにするのは想像を絶する難しさがあったと思うが、さすがは池端さん」とコメント。映画『復讐するは我にあり』『楢山節考』や、NHK大河ドラマ『太平記』『麒麟がくる』などを手がけてきた脚本家・池端俊策の手腕をたたえた。
映像について、本木が「この作品って、カメラの覗き方の不思議なアングル、照明がにじんでいるような光でしたよね」と指摘すると、柴田監督は「どこまでが真実で、どこまでが真実ではないのかを探っていくストーリー。映像もストレートに撮るのではなく、全貌が見えたり見えなかったり、真実と真実じゃないものの間(あわい)のようなものが感じられるといいんじゃないかと思った」と話した。
リアルさの追求という点では九野の住むアパートの廊下は歩くと板が軋み、まっすぐなようで歪んでいるというこだわりが美術監督にあったという。柴田監督は「室内にももうちょっとこだわってほしいんだけど(笑)」と冗談を交えながら、撮影現場を振り返った。
共演には石橋静河、伊東蒼、尾野真千子、田中哲司らが名を連ねる。本木は、辻原がアルバイトをするキャバレーで働く立花ミヤ子役の石橋について「共演するのは初めてでしたが、ファンになっちゃいました。人間離れしている美しさがあって、ちょっと引いちゃいました」と明かし、その可憐さと美しさを独特の言葉で絶賛した。
最後に本木は、もともとテレビドラマとして制作された作品であることに触れ、「劇場版では大画面ですべての声、息遣い、あらゆるニュアンスを体感できる」とコメント。
阿部は「戦争を扱った映画の中でも切り口が珍しい、なかなかないタイプのもの。ぜひ観ていただいて、これからの人たちにどう伝えていくのかを考えていただきたい」と呼びかけた。柴田監督も「戦後80年以上が経って、戦争の記憶がどんどん無くなる今、新しく、面白い切り口じゃないかと思っています」と、締めくくった。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
本作は、1000人を超える被爆者の声を集めた実在のジャーナリスト・伊藤明彦さんの実話を基にしたヒューマンドラマ。伊藤さんの著書『未来からの遺言―ある被爆者体験の伝記』を原案に、失われていく被爆体験の記憶と、未来へ残すべき言葉のはざまで、「伝える」とは何かを問いかける。
本木が演じるのは、被爆者の声を集め続けるジャーナリストの辻原。阿部は、辻原の活動に共感してインタビューに協力する一方、どこか謎を抱えた男性・九野を演じた。
トークの冒頭で本木は、柴田監督とはNHKドラマ『坂の上の雲』(2009年〜11年)以来15年ぶり、阿部とは映画『トキワ荘の青春』(1996年)以来30年ぶりの再会だったことに触れ、今回の顔合わせを「奇跡」と表現した。
一方、阿部とはNHK大河ドラマ『平清盛』(2012年)で仕事をしており、「信西という役をやってもらいました。ある時、信西が中国語を話すんですけど、脚本をめくれどめくれど中国語をしゃべってる。これはいくらなんでも難しいんじゃないかと思っていたら、さらっと自然にやってくれた。この人、とんでもないなと(笑)」と、その対応力を称賛した。
すると本木は、普段は声を出さずに台本を読んでせりふを覚えるという阿部に、「中国語も黙読で覚えたんですか!?」と驚き。「黙読で覚えるのが信じられない! 絶対にどこかの時点で、コントロールしていくために声を発して確認したいと思うんですけど、それをほとんどなさらない」と語った。
さらに、撮影の合間には他愛のない話をしていても、本番に呼ばれるとすぐに役へ入る阿部の切り替えの速さにも言及。「そのシステムの謎を教えてほしい!」と迫り、笑いを誘った。
作品では、伊藤さんが実際に集めた被爆者の肉声テープも使用されている。阿部は脚本を初めて読んだ際について、「あまり読んだことのない台本でしたし、こういったテープを集めている人がいることもまったく知らなかったのでショックを受けました。資料でいただいたテープの声がリアルすぎて……」と告白した。
本木も「肉声の持つ声の迫り方って、本当にすごいですよね。映像とか文字では伝わらないものが迫ってくる」と、その力を語った。
実在の人物と出来事を原案としながら、フィクションとして描いた本作。柴田監督は、伊藤さんの著書について、「被爆者の声を集めるなかで彼が考えたことや、被爆体験を記録する意味、真実を伝えることの大切さと難しさを巡る思考と葛藤の記録」と説明。
その内容を映像作品にすることについては、「ドラマにするのは想像を絶する難しさがあったと思うが、さすがは池端さん」とコメント。映画『復讐するは我にあり』『楢山節考』や、NHK大河ドラマ『太平記』『麒麟がくる』などを手がけてきた脚本家・池端俊策の手腕をたたえた。
映像について、本木が「この作品って、カメラの覗き方の不思議なアングル、照明がにじんでいるような光でしたよね」と指摘すると、柴田監督は「どこまでが真実で、どこまでが真実ではないのかを探っていくストーリー。映像もストレートに撮るのではなく、全貌が見えたり見えなかったり、真実と真実じゃないものの間(あわい)のようなものが感じられるといいんじゃないかと思った」と話した。
リアルさの追求という点では九野の住むアパートの廊下は歩くと板が軋み、まっすぐなようで歪んでいるというこだわりが美術監督にあったという。柴田監督は「室内にももうちょっとこだわってほしいんだけど(笑)」と冗談を交えながら、撮影現場を振り返った。
共演には石橋静河、伊東蒼、尾野真千子、田中哲司らが名を連ねる。本木は、辻原がアルバイトをするキャバレーで働く立花ミヤ子役の石橋について「共演するのは初めてでしたが、ファンになっちゃいました。人間離れしている美しさがあって、ちょっと引いちゃいました」と明かし、その可憐さと美しさを独特の言葉で絶賛した。
最後に本木は、もともとテレビドラマとして制作された作品であることに触れ、「劇場版では大画面ですべての声、息遣い、あらゆるニュアンスを体感できる」とコメント。
阿部は「戦争を扱った映画の中でも切り口が珍しい、なかなかないタイプのもの。ぜひ観ていただいて、これからの人たちにどう伝えていくのかを考えていただきたい」と呼びかけた。柴田監督も「戦後80年以上が経って、戦争の記憶がどんどん無くなる今、新しく、面白い切り口じゃないかと思っています」と、締めくくった。
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2026/09/01