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【コミケ】ベローチェに早朝から大行列!1時間で270人来店、カレー100食超で前年の2倍…高速提供できる理由【現地取材&総指揮官インタビュー】

 世界最大規模の同人誌即売会『コミックマーケット』(コミケ)がきょう15日、東京ビッグサイトで開幕した。会場そばのカフェ・ベローチェ有明店には、コミケ開催時に多くの来場者が訪れ、昨年の夏コミでは通常時の約20倍の売上、約4倍の来客数を1日で記録した。今年は新たに「司令塔」体制を導入。オリコンニュースでは15日、早朝の同店を取材し、多くの客に対応しながら高速提供を実現する仕組みについて、総指揮官・島田佳恵氏に聞いた。

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

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【写真】これが10秒で提供!?ベローチェ有明店の実際の“10秒カレー”


 この日は午前7時の開店予定だったが、店頭にできた行列を受けて10分前倒しし、午前6時50分にオープン。約30分後の午前7時20分ごろには155席が満席となった。一方、店外の物販にも列が伸び、7時すぎには150人を超えた。

 同店によると、7時台の1時間だけで約270人が来店し、同時間帯の過去最高を更新。カレーも100食以上を販売し、販売食数は前年同時間帯の約2倍となった。昨年は朝の1時間で米2升ほどを使っていたが、この日は開店から約30分で2升がなくなり、取材中、島田氏もこの日の出足を「確実にレコード」と話していた。

 同店は1998年にオープンし、翌1999年からコミケ開催に合わせた特別対応を続けている。昨年の夏コミでは、ピーク時にカレーを最速10秒で提供したほか、1組あたり平均約15秒で会計から商品提供までを終えたという。

 では、なぜ多くの来店客に短時間で商品を提供することができるのか。

■通常約7人→当日は約60人 初の「司令塔」体制

 まず目を引くのがスタッフの人数だ。通常時は約7人で営業する同店だが、コミケ期間は全国の店舗などからスタッフが集まる。当初は約40人体制を予定していたが、この日は本部スタッフらも加わり、最終的には約60人となった。

 島田氏は「シフトが決まった後に本部の方にもご協力いただくことになって。いろいろポジションを明確にしていたら、『ここも必要だよな』『ここも必要だよな』となって、最終的に60人」と説明。「ちょっと、やりすぎました」と笑う。

 今年初めて導入したのが「司令塔」と呼ぶ役割だ。フロア、ドリンク、フード、外売りの4部門にそれぞれ司令塔を置き、その上で総指揮官が店舗全体を見る。

 このうち外売りでは、取材時に想定を超える列ができていた。島田氏も「オーダーシート100枚ぐらいあれば乗り切れるかなと思ったら、全然無理そうですね」と苦笑い。

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

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 昨年、コミケのスタッフが集合時間ぎりぎりまで列に並んだものの、「会計列が長すぎて間に合わない」ケースもあったという。そのため今年は店内と同じモデルのレジを採用し、会計のスピードを上げる対策も講じた。

 背景には、これまでのコミケ営業での課題があった。島田氏は「スタートは大丈夫なんですけど、9時過ぎとかになると、休憩を回したりして、『誰がどこにいるのか』みたいな感じでつかめなくなっちゃう」と説明。今年はポジションごとのシフトを作成して全員に渡し、各部門を司令塔に任せる体制とした。

 島田氏が今年の自身のテーマとして掲げているのは「コミケ営業の仕組み化」。自身を含め、スーパーバイザーや店長には異動もあるため、「できるだけ次の方とかにもスムーズにできるように」と、運営の仕組みを整えているという。

■全国から店長が集結 事前の全体練習はなし

 約60人のスタッフには、全国の店舗から集まった店長たちも多くいる。参加者は毎年のように参加している店長のほか、本人の希望やスーパーバイザーからの推薦などで決まるという。

 参加希望者も多く、島田氏は、年始や社内の総会などで店長と顔を合わせると「絶対呼んでくださいね」と声をかけられることもあると明かす。「選ばれた者、みたいな感じで、皆さん店長たちも堂々としてくださるので、多分そういうところもやりがいにつながるのかなと思います」とにっこり。

 一方、コミケ営業に向け、全員で集まって事前にオペレーションを練習する機会はないという。各ポジションの動きをまとめた資料を事前に送り、当日のミーティングでも動きを確認して営業に入る。

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

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 スタッフの約半数はコミケ営業を2回、3回と経験しており、経験者が初参加者をフォローする。「初参加の方はちゃんと今回で動けるようにしようね、みたいな感じでやって、次世代トレーニングみたいなところもちょっと意識しながらシフトは組んでる」といい、シフトには「練習センター」「練習ドリンク」といったポジションも設け、何かあればベテランの店長が代われる体制にしているという。

■カップを取る「手」まで決まっている

 高速提供を支えるのは、コミケ期間だけのオペレーションではない。島田氏によると、通常営業でもドリンクを作る際にマグカップを持つ手や、客に提供する向きが決まっている。カップを取り出す際も「左手で引き出しを引いて、右手でマグカップを取って作ってね」と教えているという。

 「早く提供するっていうところは、コミケじゃなくても長けてる方が多いので、初回でも順応できる方が多い」と話し、さらにコミケ営業では、リーダーを中心にオーダー数や提供待ちの数を管理。島田氏は「先読みして行動っていうところは皆さんやっていただいてます」と説明する。

ベローチェ有明店のカレー(C)ORICON NewS inc.

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 フロアでは、入口と店内の担当者がハンドサインで来店客の人数を伝える。島田氏は「ただこうやってやってるだけじゃ気づかなくて」とし、事前にスタッフへ「ジャンプしてもいいし、手振ってもいいし、何してもいいよ」と伝えているという。

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

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 「1人1人の存在感がすごく大事」といい、カウンター内でも声が出ているかなどを見ながら、各スタッフがどのポジションにいるのかを確認している。

■「普通のお店が大きくなっただけ」

 一方、速さを追求するために通常の工程を変えているわけではないという。「基本的には、普通のお店が大きくなっただけっていう認識なので、基本のオペレーションのシステムは全然変えていなくて」と通常営業と同じ仕組みや各ポジションの役割を維持しながら営業していると話した。

 現在の体制に至るまでには、過去の経験から改善してきた部分もある。島田氏自身も10年以上前、店長としてコミケ営業を経験。当時は店内だけでなく店外販売でも電力を使用していたため、「しょっちゅうブレーカーが落ちちゃう」というアクシデントがあったという。

ベローチェ有明店(コミケ営業)総指揮官・島田佳恵氏 (C)ORICON NewS inc.

ベローチェ有明店(コミケ営業)総指揮官・島田佳恵氏 (C)ORICON NewS inc.

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 その後、店舗を改装し、電力面を調整。もともと1台だったレジも2台に増設した。島田氏は「それでスピードがだいぶ早まっていったところは、一番の強み」といい、現在の店舗について「本当にコミケのためのレイアウトみたいな感じ」と話した。

■「会計する前に」ドリンク、歩いた先にはカレー

 実際に利用客は、その提供スピードに驚いた様子だった。午前6時30分から開店を待ち、カレーセットを注文した21歳の男性は、「アイスティーがもう、頼んで、会計する前に来て」と振り返る。さらにカレーの受け取り場所へ向かうと、「歩いて行ったらもうできてて、すぐ食べられました。すごい早かった」と話した。

 男性はこの後コミケに参加する予定で、同店を訪れるのは初めて。昨年、SNSで話題となった最速10秒で提供された“10秒カレー”についても知らずに来店していた。

■約60人をまとめる総指揮官「一番はみんなのモチベーション」

 約60人のスタッフをまとめる島田氏が「一番」と話すのは、スタッフのモチベーションだ。島田氏自身が10年以上前に店長としてコミケ営業に参加していたころは、「当時はもうちょっと殺伐とした雰囲気で、ミスしたら怒られる、みたいな」「結構プレッシャーがあった」という。現在は「みんな楽しまないと絶対に目標達成できないよね」と考え、朝礼でも店長やスーパーバイザーから「楽しんで」と伝えていると明かした。

 取材中、ドリンク担当のスタッフの様子を見ながら、島田氏は「ちゃんとドリンクでもみんな笑ってるので、きっとまだ余裕ですね」と笑顔を見せた。

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

コミケ当日のベローチェ有明店の様子(C)ORICON NewS inc.

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 昨年、通常時の約20倍の売上を記録した同店が今年掲げる売上目標は、前年比105%。島田氏は朝礼でも目標を伝え、「みんな頑張るぞってなったので、そこは目指したい」と話していた。

 早朝からの行列を受けて予定より10分早く開店し、約30分で155席が満席となった有明店。全国から集まったスタッフと新たな「司令塔」体制で、今年のコミケ営業が始まった。
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