■『RIZIN.54』(11日/TOYOTA ARENA TOKYO)
チケットが完売した真夏の大会を終え、榊原信行CEOが総括会見で全10試合を振り返り、来月の『超RIZIN.5 浪速の超復活祭り』と大みそか大会について展望を語った。
――大会を終えての率直な感想をお聞かせください。
【榊原CEO】10試合、いつもはもう少し試合数が多かったので、主催者としては「足りるのかな」という思いもありましたが、PRIDE時代の国立競技場では8試合だったと振り返ると、今日の10試合は「お腹いっぱい」になる内容でした。このスピード感とテンポでドラマを届けられるのが、ファンにとっても主催者にとっても心地よさがあり、非常に手応えのある、満足のいく大会だったと思います。一方で、パッチー・ミックスとガジャマトフの体重超過については、決して容認できるものではありません。事前にコントロールの状況をチェックしていましたが、ミックスに関しては前日に「あと5キロ」と聞き、水抜きでクリアできると言っていたものの、実際にはセコンドにも正確な数字が伝わっていませんでした。こうした事態はファンの熱を冷めさせてしまいます。「絶対にオーバーできない」というプロ意識を選手や関係者に強く訴えかけ、改善していくことが次への課題です。ミックスはコンディションがベストではなかったのでしょう。バンタム級に戻して世界のトップへ返り咲く目標を掲げていましたが、準備が整わなかったのかもしれません。もう一度カムバックしてくることを期待しています。
――各試合の内容についてはいかがでしたか。
【榊原CEO】トヨタアリーナを埋め尽くしたファンのエネルギーが、選手の背中を押したと感じます。前半戦では、平本丈や後藤丈治、そして公開計量での宣言通りにKOしてみせた伊藤裕樹の活躍が素晴らしかったです。また、武田光司が摩嶋一整から一本を取って勝ったことは想像を超えており、彼の進化を強く感じました。ヘビー級に関しては、エドポロキングの怪物ぶりが際立っていました。この1年数ヶ月の精進が肩や胸の筋肉のつき方にも表れており、圧倒的な打撃で上田幹雄選手を破った姿には、今後の日本のヘビー級を引っ張っていく可能性を感じました。11月のスダリオ剛戦が非常に楽しみです。
――メインのクレベル・コイケvs.秋元強真戦について。
【榊原CEO】20歳の秋元強真の「横綱相撲」でした。クレベルの求める展開にさせず、勝利を手にしたことは心強いです。判定決着には本人も悔しさがあるでしょうが、今年2度目のメインという大役をしっかり果たしてくれました。大みそかへの参戦については、本人は意欲的ですが、怪我(拳)の状況次第では無理をさせず、大事に彼のキャリアを作っていきたいと考えています。
――今回のアリーナの雰囲気については。
【榊原CEO】素晴らしい会場でした。完売という形で迎えてくれたファンには感謝しかありません。臨場感を含め、関東圏のアリーナの中ではナンバーワンかもしれません。今後、千葉のLaLa ARENAなども見てみたいですが、またここに戻ってきたいと思わせる機能性がありました。
――クレベル選手の顔の腫れがあり、秋元選手が圧勝した印象ですが、これは予想していましたか?
【榊原CEO】秋元選手のコンディションの良さは、同じジムの朝倉海や朝倉未来から聞いていました。「とてつもない進化を遂げているからワンサイドになるだろう」と言われていて、私自身も彼と接する中で20歳とは思えない落ち着きと人間的な成長を感じていたので、なんとなく圧勝するイメージは持っていました。
――伊藤裕樹選手が勝利後、神龍誠選手へラブコールを送りました。フライ級の今後の展望は?
【榊原CEO】まずはトニー・ララミーと神龍がやるべきでしょう。その勝者と伊藤裕樹が大みそかに戦う流れが良いのではないかと今は考えています。
――バンタム級の戦線については、パッチー・ミックス選手の計量失敗で少し混沌とした印象です。
【榊原CEO】佐藤将光とミックスの試合はぼやけてしまいましたね。本来ならここで勝った選手が次に進むという形を漠然と考えていましたが、現状ではテミロフに勝った後藤丈治が一歩リードしている感があります。井上直樹選手とどう絡ませるか、その先にサバテロと誰が対峙するのか、これから考えていきます。
――全10試合で約5時間という興行時間は、次回の京セラドーム大阪の『超RIZIN.5』でも同様のイメージでしょうか。
【榊原CEO】そうですね、5時間ぐらいだと思います。ドームは花道が長いため入場に時間がかかりますし、演出にも趣向を凝らす予定ですので、現状の9試合というカード数でもトータルで5時間程度を想定しています。
――秋元選手の大みそかの相手として、AJ・マッキーやシェイドゥラエフは考えられますか?
【榊原CEO】秋元選手の回復次第ですが、安易に進まない方がいいとも思っています。AJとシェイドゥラエフの勝者が来年1月からPFL MVPのフェザー級王者になりますが、今週私が渡米して先方の関係者と話を詰めてくる予定です。そこで彼らの今後の戦略を共有し、シェイドゥラエフの試合が大みそかにあるかどうかも含めて検討します。
――次回の千葉大会が、当初のLANDMARKからナンバーシリーズの『RIZIN.55』に変更された理由は?
【榊原CEO】千葉大会に出たいという選手が列をなしている状況です。タイトルマッチを組める状況も整ってきたので、LANDMARKという枠よりはナンバーシリーズにふさわしい、今日に負けないラインナップが揃えられると判断しました。
――MMA初挑戦だった細川一颯選手についてはどう評価していますか?
【榊原CEO】もっと見たいと思いましたね。相手の直樹選手の「見えない打撃」を被弾してまぶたを腫らしたことで展開が変わってしまいましたが、気持ちの強さを見せましたし、RIZINでキャリアを積んでいけるポテンシャルを感じました。
――勝った直樹選手は、本来のフェザー級(66kg)での試合を希望しています。
【榊原CEO】次戦は、RIZINのフェザー級でしっかりキャリアのある選手と当てていく局面になると思います。
――体重超過により急な試合順の変更がありましたが、興行への影響は?
【榊原CEO】結果的にヘビー級をメイン近くへ上げたことで、見やすくなったのではないでしょうか。体重超過の試合を並べるよりも良かったと思います。
――改めてヘビー級戦線のレベルについてはどう感じていますか?
【榊原CEO】最高に面白いと言えるほどではありませんが、もう少しレベルの高い攻防が見たいという欲はあります。ただ、エドポロやスダリオが世界のヘビー級と渡り合える可能性は感じ取れたので、期待を持って見守っていきたいです。
――バンタム級で、日本人選手たちがサバテロ選手を目標にサバイバル戦を行う可能性は?
【榊原CEO】考えられると思います。井上直樹や後藤丈治がダイレクトにサバテロとやるわけではなく、年内にもう1試合「コンテンダー争い」のような試合を組み、その結果次第で大みそかのタイトルマッチへ熱をつなげられたらと期待しています。
――武田光司選手の今後の立ち位置については。
【榊原CEO】今回のダメージはほぼないはずなので、コンスタントに試合を組みたいです。摩嶋選手にああいう形で勝てたのは大きな自信になるはず。一気にトップへ上り詰めて「覚醒」する可能性があると期待しています。
――PFLやMVP(ジェイク・ポールの団体)との関係性に変化はありますか?
【榊原CEO】我々のスタンスは変わりませんが、PFLとMVPが統合されたことで、誰が最終決定権を持つのかを詳しく聞く必要があります。ダナ・ホワイトが言ったように、人気のない団体同士がくっついても結果は同じだという厳しい見方もありますが、新しい化学反応が起きるなら協力したい。今回の渡米で彼らのソフト戦略を確認し、我々にとってプラスになる形を模索します。AJ・マッキーとシェイドゥラエフの試合は間違いなく予定通り行われます。
――BreakingDown出身のジョリー選手と細川選手がともに敗れ、会見にも来られませんでした。彼らへの言葉は?
【榊原CEO】まだまだ腐るような段階ではありません。二人とも魅力的な選手ですし、何より格闘技に対して非常に真摯です。強くなるための努力を惜しまない人たちなので、必ず再起して戻ってきてほしいと願っています
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
チケットが完売した真夏の大会を終え、榊原信行CEOが総括会見で全10試合を振り返り、来月の『超RIZIN.5 浪速の超復活祭り』と大みそか大会について展望を語った。
【動画】秋元強真、クレベルに完封勝利も予想以上の“打たれ強さ”に驚き 朝倉未来と試合後に交わした言葉明かす
――大会を終えての率直な感想をお聞かせください。
【榊原CEO】10試合、いつもはもう少し試合数が多かったので、主催者としては「足りるのかな」という思いもありましたが、PRIDE時代の国立競技場では8試合だったと振り返ると、今日の10試合は「お腹いっぱい」になる内容でした。このスピード感とテンポでドラマを届けられるのが、ファンにとっても主催者にとっても心地よさがあり、非常に手応えのある、満足のいく大会だったと思います。一方で、パッチー・ミックスとガジャマトフの体重超過については、決して容認できるものではありません。事前にコントロールの状況をチェックしていましたが、ミックスに関しては前日に「あと5キロ」と聞き、水抜きでクリアできると言っていたものの、実際にはセコンドにも正確な数字が伝わっていませんでした。こうした事態はファンの熱を冷めさせてしまいます。「絶対にオーバーできない」というプロ意識を選手や関係者に強く訴えかけ、改善していくことが次への課題です。ミックスはコンディションがベストではなかったのでしょう。バンタム級に戻して世界のトップへ返り咲く目標を掲げていましたが、準備が整わなかったのかもしれません。もう一度カムバックしてくることを期待しています。
【榊原CEO】トヨタアリーナを埋め尽くしたファンのエネルギーが、選手の背中を押したと感じます。前半戦では、平本丈や後藤丈治、そして公開計量での宣言通りにKOしてみせた伊藤裕樹の活躍が素晴らしかったです。また、武田光司が摩嶋一整から一本を取って勝ったことは想像を超えており、彼の進化を強く感じました。ヘビー級に関しては、エドポロキングの怪物ぶりが際立っていました。この1年数ヶ月の精進が肩や胸の筋肉のつき方にも表れており、圧倒的な打撃で上田幹雄選手を破った姿には、今後の日本のヘビー級を引っ張っていく可能性を感じました。11月のスダリオ剛戦が非常に楽しみです。
――メインのクレベル・コイケvs.秋元強真戦について。
【榊原CEO】20歳の秋元強真の「横綱相撲」でした。クレベルの求める展開にさせず、勝利を手にしたことは心強いです。判定決着には本人も悔しさがあるでしょうが、今年2度目のメインという大役をしっかり果たしてくれました。大みそかへの参戦については、本人は意欲的ですが、怪我(拳)の状況次第では無理をさせず、大事に彼のキャリアを作っていきたいと考えています。
――今回のアリーナの雰囲気については。
【榊原CEO】素晴らしい会場でした。完売という形で迎えてくれたファンには感謝しかありません。臨場感を含め、関東圏のアリーナの中ではナンバーワンかもしれません。今後、千葉のLaLa ARENAなども見てみたいですが、またここに戻ってきたいと思わせる機能性がありました。
――クレベル選手の顔の腫れがあり、秋元選手が圧勝した印象ですが、これは予想していましたか?
【榊原CEO】秋元選手のコンディションの良さは、同じジムの朝倉海や朝倉未来から聞いていました。「とてつもない進化を遂げているからワンサイドになるだろう」と言われていて、私自身も彼と接する中で20歳とは思えない落ち着きと人間的な成長を感じていたので、なんとなく圧勝するイメージは持っていました。
――伊藤裕樹選手が勝利後、神龍誠選手へラブコールを送りました。フライ級の今後の展望は?
【榊原CEO】まずはトニー・ララミーと神龍がやるべきでしょう。その勝者と伊藤裕樹が大みそかに戦う流れが良いのではないかと今は考えています。
――バンタム級の戦線については、パッチー・ミックス選手の計量失敗で少し混沌とした印象です。
【榊原CEO】佐藤将光とミックスの試合はぼやけてしまいましたね。本来ならここで勝った選手が次に進むという形を漠然と考えていましたが、現状ではテミロフに勝った後藤丈治が一歩リードしている感があります。井上直樹選手とどう絡ませるか、その先にサバテロと誰が対峙するのか、これから考えていきます。
――全10試合で約5時間という興行時間は、次回の京セラドーム大阪の『超RIZIN.5』でも同様のイメージでしょうか。
【榊原CEO】そうですね、5時間ぐらいだと思います。ドームは花道が長いため入場に時間がかかりますし、演出にも趣向を凝らす予定ですので、現状の9試合というカード数でもトータルで5時間程度を想定しています。
――秋元選手の大みそかの相手として、AJ・マッキーやシェイドゥラエフは考えられますか?
【榊原CEO】秋元選手の回復次第ですが、安易に進まない方がいいとも思っています。AJとシェイドゥラエフの勝者が来年1月からPFL MVPのフェザー級王者になりますが、今週私が渡米して先方の関係者と話を詰めてくる予定です。そこで彼らの今後の戦略を共有し、シェイドゥラエフの試合が大みそかにあるかどうかも含めて検討します。
――次回の千葉大会が、当初のLANDMARKからナンバーシリーズの『RIZIN.55』に変更された理由は?
【榊原CEO】千葉大会に出たいという選手が列をなしている状況です。タイトルマッチを組める状況も整ってきたので、LANDMARKという枠よりはナンバーシリーズにふさわしい、今日に負けないラインナップが揃えられると判断しました。
――MMA初挑戦だった細川一颯選手についてはどう評価していますか?
【榊原CEO】もっと見たいと思いましたね。相手の直樹選手の「見えない打撃」を被弾してまぶたを腫らしたことで展開が変わってしまいましたが、気持ちの強さを見せましたし、RIZINでキャリアを積んでいけるポテンシャルを感じました。
――勝った直樹選手は、本来のフェザー級(66kg)での試合を希望しています。
【榊原CEO】次戦は、RIZINのフェザー級でしっかりキャリアのある選手と当てていく局面になると思います。
――体重超過により急な試合順の変更がありましたが、興行への影響は?
【榊原CEO】結果的にヘビー級をメイン近くへ上げたことで、見やすくなったのではないでしょうか。体重超過の試合を並べるよりも良かったと思います。
――改めてヘビー級戦線のレベルについてはどう感じていますか?
【榊原CEO】最高に面白いと言えるほどではありませんが、もう少しレベルの高い攻防が見たいという欲はあります。ただ、エドポロやスダリオが世界のヘビー級と渡り合える可能性は感じ取れたので、期待を持って見守っていきたいです。
――バンタム級で、日本人選手たちがサバテロ選手を目標にサバイバル戦を行う可能性は?
【榊原CEO】考えられると思います。井上直樹や後藤丈治がダイレクトにサバテロとやるわけではなく、年内にもう1試合「コンテンダー争い」のような試合を組み、その結果次第で大みそかのタイトルマッチへ熱をつなげられたらと期待しています。
――武田光司選手の今後の立ち位置については。
【榊原CEO】今回のダメージはほぼないはずなので、コンスタントに試合を組みたいです。摩嶋選手にああいう形で勝てたのは大きな自信になるはず。一気にトップへ上り詰めて「覚醒」する可能性があると期待しています。
――PFLやMVP(ジェイク・ポールの団体)との関係性に変化はありますか?
【榊原CEO】我々のスタンスは変わりませんが、PFLとMVPが統合されたことで、誰が最終決定権を持つのかを詳しく聞く必要があります。ダナ・ホワイトが言ったように、人気のない団体同士がくっついても結果は同じだという厳しい見方もありますが、新しい化学反応が起きるなら協力したい。今回の渡米で彼らのソフト戦略を確認し、我々にとってプラスになる形を模索します。AJ・マッキーとシェイドゥラエフの試合は間違いなく予定通り行われます。
――BreakingDown出身のジョリー選手と細川選手がともに敗れ、会見にも来られませんでした。彼らへの言葉は?
【榊原CEO】まだまだ腐るような段階ではありません。二人とも魅力的な選手ですし、何より格闘技に対して非常に真摯です。強くなるための努力を惜しまない人たちなので、必ず再起して戻ってきてほしいと願っています
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2026/08/11