「トヨタ」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのはクルマだろう。クルマづくりを通じて社会に支えられ、成長してきたトヨタは、より良いクルマを届けるだけでなく、クルマとは直接結びつかない分野においても、人々の暮らしを豊かにする取り組みを続けている。その根底にあるのが、「幸せの量産」というミッションである。
今回、数あるトヨタの社会貢献活動の中でも、特に力を入れている音楽を通じた社会貢献活動に焦点をあて、現場を取材した。
1981年から40年以上にわたり、全国各地のアマチュアオーケストラを支援し、公演を続けてきたトヨタコミュニティコンサート(TCC)は、今年で2000公演に到達。40年で2000公演を実施した計算になるが、単純計算すると、これは1カ月あたり平均で約4.17公演。言い換えれば、毎週、全国のどこかで、40年休まず公演を続けている計算となる。これは、一時的な取り組みで達成できるものではなく、長年にわたって継続の積み重ねによって到達できた成果ということがわかる。
―なぜ、トヨタが「音楽」なのか。―
トヨタの担当者は、次のように語る。
「トヨタが長年にわたって音楽支援に取り組んできた背景には、人の心を動かし、豊かな文化の創造に貢献したい、という価値観があります。中でも音楽は、人と人の心をつなぎ、感動を生み出す力を持つと考えています」
トヨタが音楽を通して地域文化に貢献する、そこに共通するキーワードは「MOVE」だ。一人でも多くの人の心をMOVEする、つまり“感動を提供する”ことで、“幸せの量産”を実現したいという想いが込められている。
もう一つのキーワードは、「未来を担う子どもたちへ」。
地域社会の次なる“もっと良い未来”を持続・循環させていく担い手は、まさに子どもたちである。子どもたちが生演奏を間近で聴いたり、ひいては自分自身もコンサートの一翼を担うことで、心が動いたり、本物に触れたりという“原体験”を、トヨタは重視している。
このTCCだけでなく、トヨタの音楽を通じた社会貢献活動には、さらに2つのプログラムがある。本物の音楽の原体験を提供する「トヨタ・マスターズ・プレイヤーズ,ウィーン」、音楽を学びたい若者を支援する「トヨタ青少年オーケストラキャンプ」である。
TCCを含めたこれらのプログラムはすべて、音楽を通して次世代への夢や希望につながる“原体験”を提供したいとの想いに基づいていると、担当者は言う。
近年では“非認知能力”とも呼ばれる、意欲や集中力、協調性、やり抜く力、自己肯定感、自制心、仲間との達成感、共感力…などといった力は、その後の人生において挑戦する勇気や、物事を深く味わう姿勢へとつながり、子どもの成長や心の豊さを支える大切な基盤となる。その土台を育むうえで、 “原体験”が与える影響は大きいと考えられている。そして、筆者が訪れた12月14日の“TCC in 沼津”こそは、まさにトヨタの社会貢献活動が地元をつなぐ活力になり、さらに、未来を担う子どもたちの原体験が心をMOVEして成長を促すという象徴的な公演であったと、終演後の関係者への取材を通して痛感することとなった。
沼津交響楽団、県内トヨタ販売店グループとトヨタの共同で開催された『ヘンゼルとグレーテル〜子どもも大人もみんなで楽しむ沼響オペラ〜』は、アマチュアオーケストラによる演奏を楽しむだけでなく、まず本編オペラの前に、演目の『ヘンゼルとグレーテル』にちなんで、地元小学生による“お菓子の家”作画コンテストの表彰式が行われ、続く本編では、一流のオペラ歌手たちに交じって、地元のタンザワミュージックスクールに通う児童・大人、合計34名が舞台に立って合唱や演技も披露するという、まさにタイトル通り、子どもから大人まで、地域の総力を結集して、出演者も地域住民もみんなで楽しめるよう趣向が凝らされた一大イベントとなった。
沼津交響楽団のホルン奏者でもある運営委員長の福増秀彰さんによれば、オペラと子どもたちが描いた“お菓子の家”コンテストを組み合わせるというアイディアは沼津交響楽団からの提案で、そのきっかけも30年前に行なったTCCだと言う。
「1996年の音楽物語『ピーターと狼』のときに、いろんなシーンを絵にしてもらう企画を立ち上げ、実際スライドでその絵を投影しながら演奏したところ、お子さんや保護者のの方から非常に評判が良く、そこで地域との繋がりが生まれたことを肌で感じていました。
今回の『ヘンゼルとグレーテル』も、まさにお子さんも一緒に楽しめる企画でしたので、ぜひもう一度、絵画募集をやってみようということになり実施したところ、沼津市教育委員会の皆さんの多大なご協力もあり、198点もの絵が集まりました。
さらに、お菓子つながりで、地元の老舗和菓子店さんにもPRをはじめ副賞も提供していただいたり、また沼津交響楽団の団員の知り合いを通じて地元スイーツ店のパティシエの方も巻き込んで、コンテストの特選賞の絵をモチーフにしたスイーツアートを創作していただいたり、オペラで使用した、子どもたちを呼び寄せるお菓子ならぬクリスマスプレゼントの段ボールも地元企業さんに提供していただいたり、今回は、本当に沼津をちりばめた“沼津スペシャル”とも言える企画になりました。」
3ヶ月間で18回もの練習を経て、晴れてこの日ステージに母親と立ったという小学生の田積弘翔さんは、「最初はけっこう緊張したけど、後半で飛び跳ねるところからだんだん楽しくなってきた。最初の頃の練習では、ステージで移動する場所がわからなかったけど、家でも練習してちゃんと覚えて、今日は上手くできました。また何度でも同じオペラをやりたい」と、早くも次なる目標を見い出した様子。
母親の綾那さんも、「思ったより登場シーンが多く、覚えることも多くて、親子共にプレッシャーがありましたが、2人で家で練習したり、稽古を重ねるうちに、“僕はどこの位置に行ったらいいんだろう?”とか“この振りはどうしたらいいの?”と、自覚や責任感が育っていったように思います」と語る。そこには、これまでとは異なる子どもの成長があった。トヨタが重視している“原体験”に内在する価値とは、こうした子どもたちの中に起こる、こうした小さな変化の積み重ねにほかならない。
今回、TCCに足を運んでみて感じたことは、イベントの規模の大きさと、公演や演奏そのもののクオリティの高さだ。
昨年10月に千葉県市川市で行われた、市内ピアノ教室から選抜された“未来のピアニスト”たちと市川交響楽団がコラボしたTCC『市響と未来のピアニスト』では、子どもたちがオーケストラをバックにピアノ披露に挑戦した。
同楽団で幹事長を務める時田 雄さんは、「従来は、“初めて生のオーケストラ演奏を聴く”というコンセプトで、オーケストラ楽器の紹介や、親しみやすい楽曲で演奏を観る・聴くという演奏会を開催してきましたが、今回は、すでにピアノ教室などで演奏技術を持っている子どもたちにオーケストラとの合奏で音楽を創る作業をしてもらい、その結果をステージで披露することになりました」と語る。
TCCは2026年度も全国各地での開催を予定している。3月29日にサントリーホールで行なわれるトヨタ青少年オーケストラキャンプ特別演奏会、そして3月30日〜4月9日にかけて、世界最高レベルの演奏家が集結したトヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーンによる『ウィーンの魔法に身をゆだねて』の全国7都市8公演の開催も予定されている。
あなたも、これを機会に、足を運んでみてはいかがだろうか?
【各取り組みの紹介ページはこちら】
【写真】驚異の即完…まさかの“アクスタガチャ”化したトヨタ自動車・豊田章男会長
今回、数あるトヨタの社会貢献活動の中でも、特に力を入れている音楽を通じた社会貢献活動に焦点をあて、現場を取材した。
1981年から40年以上にわたり、全国各地のアマチュアオーケストラを支援し、公演を続けてきたトヨタコミュニティコンサート(TCC)は、今年で2000公演に到達。40年で2000公演を実施した計算になるが、単純計算すると、これは1カ月あたり平均で約4.17公演。言い換えれば、毎週、全国のどこかで、40年休まず公演を続けている計算となる。これは、一時的な取り組みで達成できるものではなく、長年にわたって継続の積み重ねによって到達できた成果ということがわかる。
―なぜ、トヨタが「音楽」なのか。―
トヨタの担当者は、次のように語る。
「トヨタが長年にわたって音楽支援に取り組んできた背景には、人の心を動かし、豊かな文化の創造に貢献したい、という価値観があります。中でも音楽は、人と人の心をつなぎ、感動を生み出す力を持つと考えています」
トヨタが音楽を通して地域文化に貢献する、そこに共通するキーワードは「MOVE」だ。一人でも多くの人の心をMOVEする、つまり“感動を提供する”ことで、“幸せの量産”を実現したいという想いが込められている。
もう一つのキーワードは、「未来を担う子どもたちへ」。
地域社会の次なる“もっと良い未来”を持続・循環させていく担い手は、まさに子どもたちである。子どもたちが生演奏を間近で聴いたり、ひいては自分自身もコンサートの一翼を担うことで、心が動いたり、本物に触れたりという“原体験”を、トヨタは重視している。
TCCを含めたこれらのプログラムはすべて、音楽を通して次世代への夢や希望につながる“原体験”を提供したいとの想いに基づいていると、担当者は言う。
近年では“非認知能力”とも呼ばれる、意欲や集中力、協調性、やり抜く力、自己肯定感、自制心、仲間との達成感、共感力…などといった力は、その後の人生において挑戦する勇気や、物事を深く味わう姿勢へとつながり、子どもの成長や心の豊さを支える大切な基盤となる。その土台を育むうえで、 “原体験”が与える影響は大きいと考えられている。そして、筆者が訪れた12月14日の“TCC in 沼津”こそは、まさにトヨタの社会貢献活動が地元をつなぐ活力になり、さらに、未来を担う子どもたちの原体験が心をMOVEして成長を促すという象徴的な公演であったと、終演後の関係者への取材を通して痛感することとなった。
沼津交響楽団、県内トヨタ販売店グループとトヨタの共同で開催された『ヘンゼルとグレーテル〜子どもも大人もみんなで楽しむ沼響オペラ〜』は、アマチュアオーケストラによる演奏を楽しむだけでなく、まず本編オペラの前に、演目の『ヘンゼルとグレーテル』にちなんで、地元小学生による“お菓子の家”作画コンテストの表彰式が行われ、続く本編では、一流のオペラ歌手たちに交じって、地元のタンザワミュージックスクールに通う児童・大人、合計34名が舞台に立って合唱や演技も披露するという、まさにタイトル通り、子どもから大人まで、地域の総力を結集して、出演者も地域住民もみんなで楽しめるよう趣向が凝らされた一大イベントとなった。
沼津交響楽団のホルン奏者でもある運営委員長の福増秀彰さんによれば、オペラと子どもたちが描いた“お菓子の家”コンテストを組み合わせるというアイディアは沼津交響楽団からの提案で、そのきっかけも30年前に行なったTCCだと言う。
「1996年の音楽物語『ピーターと狼』のときに、いろんなシーンを絵にしてもらう企画を立ち上げ、実際スライドでその絵を投影しながら演奏したところ、お子さんや保護者のの方から非常に評判が良く、そこで地域との繋がりが生まれたことを肌で感じていました。
今回の『ヘンゼルとグレーテル』も、まさにお子さんも一緒に楽しめる企画でしたので、ぜひもう一度、絵画募集をやってみようということになり実施したところ、沼津市教育委員会の皆さんの多大なご協力もあり、198点もの絵が集まりました。
さらに、お菓子つながりで、地元の老舗和菓子店さんにもPRをはじめ副賞も提供していただいたり、また沼津交響楽団の団員の知り合いを通じて地元スイーツ店のパティシエの方も巻き込んで、コンテストの特選賞の絵をモチーフにしたスイーツアートを創作していただいたり、オペラで使用した、子どもたちを呼び寄せるお菓子ならぬクリスマスプレゼントの段ボールも地元企業さんに提供していただいたり、今回は、本当に沼津をちりばめた“沼津スペシャル”とも言える企画になりました。」
お菓子の家絵画募集で特選を受賞した沼津市立第五小学校4年の秋山翔汰さん(右)とその絵を元にお菓子の家を製作する焼き菓子店「Patisserie Grand Delice」の菓子職人秀浦宣広さん(左) (C)後藤一夫
母親の綾那さんも、「思ったより登場シーンが多く、覚えることも多くて、親子共にプレッシャーがありましたが、2人で家で練習したり、稽古を重ねるうちに、“僕はどこの位置に行ったらいいんだろう?”とか“この振りはどうしたらいいの?”と、自覚や責任感が育っていったように思います」と語る。そこには、これまでとは異なる子どもの成長があった。トヨタが重視している“原体験”に内在する価値とは、こうした子どもたちの中に起こる、こうした小さな変化の積み重ねにほかならない。
今回、TCCに足を運んでみて感じたことは、イベントの規模の大きさと、公演や演奏そのもののクオリティの高さだ。
昨年10月に千葉県市川市で行われた、市内ピアノ教室から選抜された“未来のピアニスト”たちと市川交響楽団がコラボしたTCC『市響と未来のピアニスト』では、子どもたちがオーケストラをバックにピアノ披露に挑戦した。
同楽団で幹事長を務める時田 雄さんは、「従来は、“初めて生のオーケストラ演奏を聴く”というコンセプトで、オーケストラ楽器の紹介や、親しみやすい楽曲で演奏を観る・聴くという演奏会を開催してきましたが、今回は、すでにピアノ教室などで演奏技術を持っている子どもたちにオーケストラとの合奏で音楽を創る作業をしてもらい、その結果をステージで披露することになりました」と語る。
TCCは2026年度も全国各地での開催を予定している。3月29日にサントリーホールで行なわれるトヨタ青少年オーケストラキャンプ特別演奏会、そして3月30日〜4月9日にかけて、世界最高レベルの演奏家が集結したトヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーンによる『ウィーンの魔法に身をゆだねて』の全国7都市8公演の開催も予定されている。
あなたも、これを機会に、足を運んでみてはいかがだろうか?
【各取り組みの紹介ページはこちら】
2026/01/30