「食」「遊」「釣」「学」の4つのテーマで、家族揃って「海の魅力」を満喫できる体験型イベント『エンジョイ魚まつり2024 in 東京夢の島マリーナ』が9月28、29日の2日間にわたって開催される。今年で3年目となるこのイベントは、会場が東京湾の埋立地で、東京都のゴミ埋め立て処理場としての歴史も持つ東京夢の島マリーナであることから、環境問題にも目を向け、SDGs目標14の「海の豊かさを守ろう」の推進にも注力。ぬり絵やクイズラリーなど遊んで楽しむ企画から、トークショーやワークショップ、シンポジウムの開催、釣具の販売など、幅広いコンテンツを揃え、参加者と出展企業双方から高い評価を得ている。実行委員長を務める、株式会社シーフォース 専務取締役の奥山潤氏に、立ち上げたきっかけや今後の展望について聞いた。
■公共マリーナを活用して、海を楽しみ、環境問題を学べるイベントを
『エンジョイ魚まつり』が初めて開催されたのは、2022年。きっかけは、釣り具メーカーの「お客様と触れ合える機会を作りたい」という希望だったと奥山氏は振り返る。
「釣りにまつわるイベントでは、毎年、国内最大規模の『釣りフェスティバル』がパシフィコ横浜で開催されていました。ただ、ホールという屋内の環境で、釣りファンに向けての専門的な情報を発信する場としての意味合いが強かったため、もう少し、一般の方向けに体験型のイベントができないか、と出展企業の数社が東京夢の島マリーナに相談したのが始まりでした」(奥山氏)
クルーザーやヨットが約660隻係留できる日本最大級の大型マリーナである東京夢の島マリーナは、都民の海洋性スポーツの振興とレクリエーション活動の普及を図るために東京都が設置した公共マリーナ。そのため、ヨットのオーナーだけでなく、広く都民や地域に開かれた賑わいある施設となることも責務としており、イベントの開催は東京夢の島マリーナサイドとしても目指すことのひとつだった。しかし、当時の管理運営事業者はイベントに関してのノウハウを持ち合わせていなかったため、メジャーなヨットレースのイベントに携わり、東京夢の島マリーナと関わりがあったシーフォースに相談。この出会いが、当初、発案されていた「釣りの体験型イベント」から、「食」「遊」も含めた海を楽しめるイベントへと変わるきっかけとなった。
「弊社の社員全員、釣りについては知識のない人間ばかりだったこともあるのですが(笑)、釣りにだけ焦点を当てると、ヘビーユーザーの人しか来なくなってしまいます。それよりは、せっかく公共マリーナという開かれた場所で開催するのですから、多くの人に訪れてもらえるよう、もっとテーマを広げたほうがいいだろうと考えました」(奥山氏)
当初は2020年の開催を目指してスタートしたが、コロナ禍により延期を余儀なくされ、初開催は22年に。釣具の展示販売はもちろん、魚類学者でありタレントでもある、さかなクンによるトークショーや、江戸前天ぷらのキッチンカー、ぬり絵コンテストなどのほか、地元のダンスチームによるダンスの披露、アイドルグループ・仮面女子によるステージ等も用意。さらに、SDGs目標14の「海の豊かさを守ろう」の推進にも注力し、夢の島が1957年から10年間ゴミの埋め立て処分場として使われてきた歴史を持つことから、気候変動やプラスチックごみの増加など「海の環境変化」について学べる企画も実施した。
23年の第2回では、東日本大震災の復旧工事で活躍し、絵本にもなった水陸両用ブルドーザー「スイブルくん」のラジコン型模型の操作体験や、「日本の魚食文化を守る」をテーマにしたトークショー、未利用魚のワークショップ、海と魚のクイズラリー、おさかなシンポジウムなども開催。子どもから大人まで、遊びながら海や環境について学ぶことができる企画を実現した。
そして3回目となる今年も趣向を凝らした幅広い企画を用意。キッチンカーも増やし、10台出店する予定だという。
■イベントをきっかけに横への拡がりも果たしていきたい
さらに注目に値するのは、このイベントから派生した活動が拡がりを見せていること。そのひとつが、昨年『エンジョイ魚まつり』の中で第0回として開催されたシンポジウムだ。
「昨年は、東京海洋大学の東海正教授を中心に、企業と研究者、学生、NPO法人など海に関わる活動をしている参加者たちが『日本の魚食文化を守る』をテーマにディスカッションを行ないました。この成功を受け、今年は、海の生き物の産卵場となる藻場礁(もばしょう)の開発・製造を行っている建材大手の岡部株式会社の協力を得て、6月22日に、イベントとは独立した形で、『日本の魚食文化を守る取り組み〜ブルーカーボンで日本の海を守りたい〜』をテーマに、『第1回おさかなシンポジウム』を開催できました。元水産省長官で、現在、一般財団法人 東京水産振興会の長谷成人先生による『ブルーカーボンへの期待』と題した特別講演をはじめ、学生も交えて白熱した議論が展開されました。『エンジョイ魚まつり』をきっかけに、海の抱える問題へ目を向け、官民学連携で取り組んでいくきっかけとなるような、よりアカデミックなことを追求する企画が生まれたことはとても嬉しく、今後も力を入れていきたいと考えています」(奥山氏)
さらに、清掃活動もそのひとつだ。今年、『エンジョイ魚まつり』の公式アンバサダーに就任した、釣り用語をその名に関した次世代ハイブリッドアイドル「りあくしょんバイト」とコラボして、8月25日には、『りあくしょんバイト×エンジョイ魚まつり ビーチクリーン大作戦in片瀬東浜海水浴場』を実施。この活動はシーフォースが20年以上にわたり育ててきた企業風土が下敷きになっている。
「もともと、古い自社ビルだった頃から掃除は自分たちの手で行っていました。その名残で、新しいビルに建て替え、他の会社も入り、業者に清掃を依頼するようになってからも、弊社では掃除が習慣化していて、管理会社から『この階はやることがない』と褒められるくらいでした(笑)。そんな企業風土もあって、社としてSDGsへの取り組みを考えた時、自然と『清掃活動をしたい』という声が上がりまして。海とは直接関係ありませんが、清掃道具の貸し出しやごみ袋の提供、回収したゴミを引き取ってくれるなど、街の美化に積極的な渋谷区で、今年6月にゴミ掃除活動を行いました。通りがかりの人が『手伝いましょうか?』と言ってくださったり、自然とゴミを一緒に拾ってくださったりしたことが印象的でした」
また、同社はイベント運営としてトライアスロン競技に携わっている縁で、リオデジャネイロオリンピックのトライアスロン日本代表・加藤友里恵氏のマネジメントも担当しており、「トライアスロンは自然を活用するスポーツなので、アスリートとして環境への問題意識を発信していきたい」と、ビーチのクリーン活動などを積極的に行っている加藤氏をサポート。ほかにも、今年は、「企業からの相談を受けて、埼玉で、野菜の収穫体験も開催した」という。
「『エンジョイ魚まつり』を継続して成功させていくことはもちろんですが、今後も、弊社としては海や環境に関わるイベントの開催など、さまざまな場面で相談される企業という立ち位置をめざし、弊社を入口に、横の拡がりも展開できたらと考えています」(奥山氏)
さらにその目は日本全国のマリーナにも向いている。
「日本には今、公共マリーナが全国に数多くあります。地域の色がすごく出る場所だと思いますので、夢の島以外のマリーナでも、ローカルの良さを活かしたイベント展開ができたらいいですね。その意味でも今年の『エンジョイ魚まつり』を盛況なものにしたいと思っています」(奥山氏)
文・河上いつ子
■『エンジョイ魚まつり 2024』開催概要
名称:エンジョイ魚まつり 2024 in 東京夢の島マリーナ
開催日:2024年9月28日(土)、9月29日(日)
会場:東京夢の島マリーナ
(東京都江東区夢の島3-2-1)
開催時間:10:00〜17:30
主催:エンジョイ魚まつり実行委員会
入場料:無料
公式サイト:https://enjoy-sakana.com/
■株式会社シーフォース公式サイト:https://www.cforce.co.jp/
■公共マリーナを活用して、海を楽しみ、環境問題を学べるイベントを
『エンジョイ魚まつり』が初めて開催されたのは、2022年。きっかけは、釣り具メーカーの「お客様と触れ合える機会を作りたい」という希望だったと奥山氏は振り返る。
「釣りにまつわるイベントでは、毎年、国内最大規模の『釣りフェスティバル』がパシフィコ横浜で開催されていました。ただ、ホールという屋内の環境で、釣りファンに向けての専門的な情報を発信する場としての意味合いが強かったため、もう少し、一般の方向けに体験型のイベントができないか、と出展企業の数社が東京夢の島マリーナに相談したのが始まりでした」(奥山氏)
クルーザーやヨットが約660隻係留できる日本最大級の大型マリーナである東京夢の島マリーナは、都民の海洋性スポーツの振興とレクリエーション活動の普及を図るために東京都が設置した公共マリーナ。そのため、ヨットのオーナーだけでなく、広く都民や地域に開かれた賑わいある施設となることも責務としており、イベントの開催は東京夢の島マリーナサイドとしても目指すことのひとつだった。しかし、当時の管理運営事業者はイベントに関してのノウハウを持ち合わせていなかったため、メジャーなヨットレースのイベントに携わり、東京夢の島マリーナと関わりがあったシーフォースに相談。この出会いが、当初、発案されていた「釣りの体験型イベント」から、「食」「遊」も含めた海を楽しめるイベントへと変わるきっかけとなった。
「弊社の社員全員、釣りについては知識のない人間ばかりだったこともあるのですが(笑)、釣りにだけ焦点を当てると、ヘビーユーザーの人しか来なくなってしまいます。それよりは、せっかく公共マリーナという開かれた場所で開催するのですから、多くの人に訪れてもらえるよう、もっとテーマを広げたほうがいいだろうと考えました」(奥山氏)
23年の第2回では、東日本大震災の復旧工事で活躍し、絵本にもなった水陸両用ブルドーザー「スイブルくん」のラジコン型模型の操作体験や、「日本の魚食文化を守る」をテーマにしたトークショー、未利用魚のワークショップ、海と魚のクイズラリー、おさかなシンポジウムなども開催。子どもから大人まで、遊びながら海や環境について学ぶことができる企画を実現した。
そして3回目となる今年も趣向を凝らした幅広い企画を用意。キッチンカーも増やし、10台出店する予定だという。
■イベントをきっかけに横への拡がりも果たしていきたい
さらに注目に値するのは、このイベントから派生した活動が拡がりを見せていること。そのひとつが、昨年『エンジョイ魚まつり』の中で第0回として開催されたシンポジウムだ。
「昨年は、東京海洋大学の東海正教授を中心に、企業と研究者、学生、NPO法人など海に関わる活動をしている参加者たちが『日本の魚食文化を守る』をテーマにディスカッションを行ないました。この成功を受け、今年は、海の生き物の産卵場となる藻場礁(もばしょう)の開発・製造を行っている建材大手の岡部株式会社の協力を得て、6月22日に、イベントとは独立した形で、『日本の魚食文化を守る取り組み〜ブルーカーボンで日本の海を守りたい〜』をテーマに、『第1回おさかなシンポジウム』を開催できました。元水産省長官で、現在、一般財団法人 東京水産振興会の長谷成人先生による『ブルーカーボンへの期待』と題した特別講演をはじめ、学生も交えて白熱した議論が展開されました。『エンジョイ魚まつり』をきっかけに、海の抱える問題へ目を向け、官民学連携で取り組んでいくきっかけとなるような、よりアカデミックなことを追求する企画が生まれたことはとても嬉しく、今後も力を入れていきたいと考えています」(奥山氏)
さらに、清掃活動もそのひとつだ。今年、『エンジョイ魚まつり』の公式アンバサダーに就任した、釣り用語をその名に関した次世代ハイブリッドアイドル「りあくしょんバイト」とコラボして、8月25日には、『りあくしょんバイト×エンジョイ魚まつり ビーチクリーン大作戦in片瀬東浜海水浴場』を実施。この活動はシーフォースが20年以上にわたり育ててきた企業風土が下敷きになっている。
「もともと、古い自社ビルだった頃から掃除は自分たちの手で行っていました。その名残で、新しいビルに建て替え、他の会社も入り、業者に清掃を依頼するようになってからも、弊社では掃除が習慣化していて、管理会社から『この階はやることがない』と褒められるくらいでした(笑)。そんな企業風土もあって、社としてSDGsへの取り組みを考えた時、自然と『清掃活動をしたい』という声が上がりまして。海とは直接関係ありませんが、清掃道具の貸し出しやごみ袋の提供、回収したゴミを引き取ってくれるなど、街の美化に積極的な渋谷区で、今年6月にゴミ掃除活動を行いました。通りがかりの人が『手伝いましょうか?』と言ってくださったり、自然とゴミを一緒に拾ってくださったりしたことが印象的でした」
また、同社はイベント運営としてトライアスロン競技に携わっている縁で、リオデジャネイロオリンピックのトライアスロン日本代表・加藤友里恵氏のマネジメントも担当しており、「トライアスロンは自然を活用するスポーツなので、アスリートとして環境への問題意識を発信していきたい」と、ビーチのクリーン活動などを積極的に行っている加藤氏をサポート。ほかにも、今年は、「企業からの相談を受けて、埼玉で、野菜の収穫体験も開催した」という。
「『エンジョイ魚まつり』を継続して成功させていくことはもちろんですが、今後も、弊社としては海や環境に関わるイベントの開催など、さまざまな場面で相談される企業という立ち位置をめざし、弊社を入口に、横の拡がりも展開できたらと考えています」(奥山氏)
さらにその目は日本全国のマリーナにも向いている。
「日本には今、公共マリーナが全国に数多くあります。地域の色がすごく出る場所だと思いますので、夢の島以外のマリーナでも、ローカルの良さを活かしたイベント展開ができたらいいですね。その意味でも今年の『エンジョイ魚まつり』を盛況なものにしたいと思っています」(奥山氏)
文・河上いつ子
■『エンジョイ魚まつり 2024』開催概要
名称:エンジョイ魚まつり 2024 in 東京夢の島マリーナ
開催日:2024年9月28日(土)、9月29日(日)
会場:東京夢の島マリーナ
(東京都江東区夢の島3-2-1)
開催時間:10:00〜17:30
主催:エンジョイ魚まつり実行委員会
入場料:無料
公式サイト:https://enjoy-sakana.com/
■株式会社シーフォース公式サイト:https://www.cforce.co.jp/
2024/09/11