日本では独自の給食文化が発展し、質の高さ・価格の安さ・食育の面で世界から高く評価されている。ベトナムでは、近年国全体の急速な経済成長を続ける反面、都市部と農村部で格差が広がっており、特に貧しい山岳地域の子どもの2人に1人が栄養不良の状態にある。幼稚園給食の設備が整わず、給食を食べなければその日の食事をとることすら難しく、子どもの健康や様々な問題に直面している。山岳地域のトアンザオ郡トアンザオ地域で、直接的な健康・栄養に関わる支援活動に取り組む、森永乳業 海外事業本部の齋藤千文さんは「水は十分でなく供給が不足していますし、トイレの状況も悪い。インフラの状況が想像よりも深刻であることに衝撃を受けました」と現地の状況を振り返る。同社が海外において支援先まで帯同し、直接的な健康・栄養に関わる支援を行うのは“社内初”のことだという。■社内でも例のないプロジェクト、現地の知見から「新しい事業を生み出す可能性」 森永乳業の育児用ミルクの本格的な海外進出の歴史は40年以上前に遡り、パキスタンやインドネシアへの輸出事業から始まった。その他にも乳原料事業、菌体やプラントベースの輸出、現地に合わせた商品の開発など、今や世界各地で事業を展開しているが、齋藤さんが海外事業本部に着任したのは2015年。育児用ミルク事業、欧州での乳原料BtoB事業がメインとなっていまいしたが、海外事業をさらに飛躍させるため、“BtoC事業の強化”を進めていこうとしている時期だった。
2024/09/02