昨年10月期にMBS／TBSドラマイズム枠で放送されたドラマの完結編となる『映画 マイホームヒーロー』（3月8日公開）で、声優・俳優の津田健次郎演じる本作のヴィラン、半グレ犯罪組織”間野会”のトップである志野寛治の場面写真が新たに解禁となった。ポップコーンを頬張る姿や炎の中で見せる狂気の表情、そして、主人公・鳥栖哲雄（佐々木蔵之介）の首元にナイフを突き付ける様子、と一目見ただけで“ヤバさ全開”だ。

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　本作は、2017年より「ヤングマガジン」（講談社）にて連載中の同名漫画（原作：山川直輝、作画：朝基まさし）が原作。どこにでもいる普通の父親・鳥栖哲雄（佐々木）が、一人娘の零花（齋藤飛鳥）に暴力、そしてさらなる危害を加えようとする、半グレ犯罪組織の彼氏・麻取延人（内藤秀一郎）を殺害してしまったことから始まる”ノンストップ・ファミリー・サスペンス”。

　映画では、7年前に失踪した間野会の幹部である麻取義辰（吉田栄作）の死体が発見され、彼が持っていた10億円の行方を追い、哲雄に狙いを定め、鳥栖家を極限まで追い詰める。

　本作で実写作品では初の悪役を演じた津田。予告映像での恫喝シーンなどでも発揮されている、リミッターが外れたような“ワル津田”が話題騒然だが、津田は今回のオファーについて「シンプルにうれしかったですね。ラスボスという立場で一番最狂の敵という事で、どんな風に演じようかなと思って楽しみにしていましたし、非常に演じがいががありました」と振り返り、初の悪役を心から楽しんで演じた様子。

　笑い方や言動などすべてに狂気を宿らせる“クセ強”な演技が志野の悪役ぶりを引き立たせているが、要所要所で津田のアドリブが発揮されていたという。先日の完成披露イベントでも、「ナイフで切り付けられたと思ったら、その血を頬に付けられ津田さんがその血を舐めて…こんなの台本には全然書いてないんですよ（笑）」と佐々木が暴露されていた。

　津田は「どうすれば志野という登場人物の個性のエッジがより効いてくるかを常に考えていて、とにかく現場で思い付いた事を実践したり、現場に入って『こういうモノが使えるな』という空気感を元にイメージを膨らませていきました。それを監督が楽しみながら受け入れてくださったり、時にはそれはちょっと違うから外しましょうか、というジャッジもしていただきながら、現場の皆さんと共に作りあげていけたので楽しかったです」と話している。

　さらに本作は、スリリングなサスペンスであると同時に、“誰にでも守りたい人がいて、それぞれの正義がある”という群像劇としての一面も持ち合わせている。半グレ犯罪組織・間野会のトップである志野にとっては側近の窪（音尾琢真）と組織のメンバーが家族のように大切な存在であり、志野から見れば哲雄は“悪”。「志野には志野の考えや正義があって、鳥栖哲雄の方が悪である、というところは非常に大事にしてやっていました」と、津田。志野の気持ちを理解しようと努めた。

　「志野や間野会がやっている事はひどい事なのですが、彼らが根底に抱えている、”絆を持って、何かを成し遂げていく”というのは、若者がベンチャー企業や劇団を立ち上げていくっていう、それに近い感覚があるような気がしたんですよね。やっている事のベクトルが最悪なので、決して許される事では無いんですけども（笑）。根底に孤独感を抱えているアウトローたちが、同じような思いを抱えた仲間たちを家族と捉えて、組織を作り上げていったというような純粋な部分もある気がしました。ただ、決してほめられたモノではない人たちであるのは間違いないので、同情の余地は一切無いんですけど（笑）」と、“志野としての正義”を意識して演じたことを明かしている。