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NEWS加藤シゲアキ、「直木賞」受賞ならず 選考委員ら次作に期待「これからもお書きいただきたい」

 「第170回芥川龍之介賞・直木三十五賞」の選考会が17日、都内で行われ、「直木賞」に万城目学氏の『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)と河崎秋子氏(崎=たつさき)の『ともぐい』(新潮社)が選ばれた。候補5作品にノミネートされていたNEWSのメンバー・加藤シゲアキ(36)の『なれのはて』は受賞を逃した。

第170回『直木賞』を受賞した(左から)河崎秋子、万城目学

第170回『直木賞』を受賞した(左から)河崎秋子、万城目学

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 選考委員の林真理子氏は『なれのはて』について「『非常に成長がある』という意見が多数寄せられました」とコメントした上で「登場人物が多く、詰めこみ過ぎだったのではないかという意見もございました」と評価した。そして「加藤さんは一作ごとに成長が見えているので、次作が楽しみ。これからもお書きいただきたいという声もありました」と期待を寄せた。

 加藤は受賞作の発表後、自身のX(旧ツイッター)を更新。「ざーんねーん!」と率直な思いを吐露し「また初心にかえって頑張ります!」と前向きな言葉をつづった。

 今作は、1万字のプロットから始まり、構成をじっくり練り上げた。原稿に向き合った期間は約3年で、書籍447ページ、38万字を超える超大作となっている。発売前から注文が殺到し、異例の発売前重版となった。発売1週間で3刷目、発売2週間で4刷目が決定し、10万部を突破した。

 物語のきっかけになるのは、終戦前夜に起きた日本最後の空襲と言われる秋田・土崎空襲。やるせない人間の業と向き合いつつ、力強く生き抜こうとする人々の姿を、1枚の絵に関わるミステリを通じて描く。

 加藤は2012年に『ピンクとグレー』で作家デビュー。NEWSのメンバーとして活動しながら作家として執筆を続け、2020年に『オルタネート』が第164回直木賞の候補となった。『オルタネート』は第42回吉川英治文学新人賞受賞、第8回高校生直木賞を受賞した。『なれのはて』で2作連続の直木賞候補に選ばれた。

 両賞は1935(昭和10)年に制定。芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる。前者は主に無名・新進作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。贈呈式は2月22日に都内で行われ、受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が贈られる。

 なお、「芥川賞」には、九段理江氏の『東京都同情塔』(『新潮』十二月号)が選ばれた。

■第170回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略
安堂ホセ『迷彩色の男』(『文藝』秋季号)
川野芽生『Blue』(『すぱる』八月号)
九段理江『東京都同情塔』(『新潮』十二月号)
小砂川チト『猿の戴冠式』(『群像』十二月号)
三木三奈『アイスネルワイゼン』(『文學界』十月号)

■第170回直木三十五賞 候補作(出版社)
加藤シゲアキ『なれのはて』(講談社)
河崎(崎=たつさき)秋子『ともぐい』(新潮社)
嶋津輝『襷がけの二人』(文藝春秋)
万城目学『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)
宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』(朝日新聞出版)
村木嵐『まいまいつぶろ』(幻冬舎)

■選考委員
【芥川賞】
小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一

【直木賞】
浅田次郎、角田光代、京極夏彦、桐野夏生、高村薫(高=はしごだか)、林真理子、三浦しをん、宮部みゆき
※2023年11月24日に亡くなった伊集院静さんも選考委員を務めており、今回は8人での選考となった。
※五十音順・敬称略

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