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人の話が聞けない人の特徴 「そんなこと一言も言ってない…」不思議な解釈にあ然

 2023年のヒット書籍をランキング化した『第16回オリコン年間“本”ランキング2023』で、TOP10入り(10位)し、ビジネス関連の書籍で“今いちばん売れている”と話題の『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)。「IQ・学歴に関係なく、誰でも“頭のいい人”になれる」をテーマに、口下手だったというコンサル歴22年の著者・安達裕哉氏が、伝え方や話し方にポイントを当てて解説する。同書から人の話を聞けない人の特徴について解説した内容を、一部抜粋して紹介する。

人の話が聞けない人の特徴

人の話が聞けない人の特徴

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■自分の理解できたことだけを切り取る人

 「お客さんの話を全く聞けないメンバーがいる」と経営者や管理職の方から愚痴を聞かされることが多々あります。

 その話の聞けないメンバーは、一見"聞き上手"に見えるそうです。メモを取ったり、頷いたり、相槌を打ったりします。人の話を遮ったりもしません。それでも同僚やクライアントに「あの人、全然話を聞いてないんだよね」と言われてしまうのです。

 コンサルティング会社にも話の聞けない人"はいました。かつて部下たちにコンサルティングに関する今後の会社の方針について説明したときのことです。

 「中小企業は、財務体質が強くないので、いきなり高額なコンサルティングを契約することができない。よって中小の新規客に“コンサル”を最初に売り込むのは難しい。でもそういうときは“入口商材”として研修が有効だとわかってきた。だから今後、研修事業に力を入れる」

 と説明すると、こんな質問が飛んできたのです。

「研修に力を入れるということはコンサルティングはもうやらないのでしょうか?」

 私は戸惑いました。なにせ、“コンサルはやらない”とはひと言も言っていないのです。いや、むしろ“"研修は入口商材”と明言しているのです。私はあまりにも不思議だったので、彼に尋ねました。

「どう解釈をすると、今の話が“コンサルティングはやらない”となるのですか?」
「今後、研修事菜に力を入れる、と言ったので」

 私は、「言ってもいないことを勝手に想像しないでください」とツッコみたくなるのを我慢して「研修はあくまで入口で、最終的な目的はコンサルティングを契約していただくことです。コンサルティングをやめるはずがありません」と説明しました。

 小学校の教室で先生が生徒に「話を聞きなさい!」と怒るシーンを思い浮かべてください。この場合、問題なのは“話を聞こうとしないこと”でした。しかし、社会に出て、経営者や管理厳が愚痴をこぼす、“話を聞けない人”は、話を聞こうとしない人ではありません。話を聞いているのに、聞けない人です。彼らは「自分の認識できたこと」だけ切り取って、話を聞いているのです。

 「コンサルティングはやらないのですか?」と答えた彼は、もしかしたら最初から否定してやろうという気持ちで私の話を聞いていたのかもしれません。相手の話すことを正確に聞こうとするのではなく、もともと何かを言う目的があって話を聞いていたのなら、話の一部しか聞いていないことも不思議ではありません。

 この部下の例は、話を聞けない人の極端な例ですが、人間は多かれ少なかれ、自分に都合のいいように置き換える癖があるのです。

■安達裕哉氏/ティネクト株式会社代表取締役
1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、理系研究職の道を諦め、給料が少し高いという理由でデロイト トーマッコンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」の経営者として、コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行う。また、個人ブログとして始めた「Books&Apps」が“本質的でためになる”と話題になり、今では累計1億2000万PVを誇る知る人ぞ知るビジネスメディアに。
Twitter/@Books_Apps

(本文拡張)■すべては話す前に決まっている
『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)?

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