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阪神・淡路大震災から30年の節目に向けて映画制作決定、主演は富田望生『港に灯(ひ)がともる』

 阪神・淡路大震災から29年が経った17日、神戸を舞台にした映画『港に灯(ひ)がともる』の制作が発表された。30年の節目となる来年(2025年)1月の公開を目指している。主演は、放送中の連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)にも出演している富田望生が務める。

富田望生、初主演映画『港に灯(ひ)がともる』2025年1月公開予定(写真:平野愛)

富田望生、初主演映画『港に灯(ひ)がともる』2025年1月公開予定(写真:平野愛)

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 製作は、関西に縁のある有志が集い、神戸を本拠地として昨年発足した映像制作会社、ミナトスタジオ。監督は、NHKのドラマ『心の傷を癒すということ』や連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の演出を担当した安達もじりが務める。

 21年に公開された映画『心の傷を癒すということ 劇場版』の制作チームが中心となり、「神戸を舞台に」「心のケアをテーマに」した神戸発の映画を世界に発信するべく、22年末より準備を開始してきた。震災の年に神戸で生まれた一人の女性とその家族の、“心の復興”を描いた物語も完成し、今年3〜4月に撮影を予定している。

 主人公は、阪神淡路大震災の1ヶ月後、最も大きな被害を受けた地域のひとつである神戸市長田区で生まれた在日韓国人三世の金子灯(あかり)。家族は、震災後、長田を離れて仮設住宅に移り、その後、復興住宅で暮らした。しかし、震災で家も仕事も失った家族の生活は荒廃し、灯は幼い頃から家族との確執を抱え、家を飛び出すことばかり考えてきた。

 なぜこの家族に生まれてきたのか。家族と私、国籍と私――双極性障害を発症し、回復を目指していく中で希望を探し続ける日々。時を経て障害との付き合い方がわかってきた灯は、新しい職場で長田区にある丸五市場の再開発計画と関わることに。コロナ禍を経て、さまざまな人々と出会い、支えられ、心を通わせ、家族とも向き合い、長い時間をかけて、人生にかすかな光を見出していく。2013年に高校を卒業してから2025年までの12年間を、神戸の喧騒を舞台に繊細に紡いでいく。

 灯を演じる富田は、映画初出演。「初めて立った神戸で、再び会うことが叶った方々に『灯ちゃんを託します』と伝えられた際、願ってもない巡り合わせが突然訪れることがあるのだと、大変驚きました。灯という女の子はさまざまな揺らぎを抱えています。彼女と向き合うには、頑張りますの言葉だけではきっと難しい。いつぞやと変わりなく、ゆっくり優しく見つめてくれるチームと、この身を以て、丁寧に紡いでければと思います。映画『港に灯がともる』。どうぞよろしくお願い致します」とコメントを寄せている。

 安達監督は取材を通して「長い年月に及ぶいろんな苦悩もお聞きしました。町は復興しても、心の傷はすぐに癒えるものではないということも、改めて痛感しました」と語り、「『人が人として生きること』とは何なのか、その根源的な問いを前に、日々悩みながら製作準備を行っています。いろんなルーツをもつ人がともに生きる文化を育んできた神戸だからこそ伝えられるメッセージを、作品の中でしっかり表現し、届けていきたいと考えています」と意気込んでいる。

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