俳優・タレントの村山輝星（13）、映画パーソナリティの伊藤さとりが5日、都内で行われた『ミツバチと私』（公開中）のトークイベントに参加した。

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　映画のイベントに初めて登場する村山は「ド緊張です」と照れ笑い。それでも観客の温かい眼差しに「ここに立って少し安心しています」とはにかんだ。子役から仕事を続けているが、本作の感想について「主人公のココは、まだ8歳。そのぐらいの年ごろって性別で、だんだん差が見えてくる。でも、私が8歳のころは、まだ周りの友だちとわちゃわちゃしてました。そういうわちゃわちゃもあるからこそ、自分の体と気持ちの違いを感じるんだろうなと思った。すごく考えさせられる作品でした」と思いをしっかり言葉にした。

　続けて「8歳で自分と向き合えるのはすごい。自分探しって難しい言葉ですよね。私は、まだそんなに深く考えたことがない。自分の将来についても考えたことがない。ましてや性別なんて、生まれ持ったものに従しかないと思っていた。この作品を見て考えが変わりました」と自身のターニングポイントとなった本作について語った。

　村山は、配信ドラマ『イタズラなKiss THE MOVIE 番外編 第2話 History of NAOKI〜直樹の受難』（2017）では男の子の内田かずお役を、NHKドラマ『軍港の子〜よこすかクリーニング1946〜』（2023）では男の子に扮する女の子の坂井凪子役を演じている。ジェンダーレスな役どころについて問われると「本来の自分と反するところがあるので難しいです。その役について、背景などもっと知らないといけない。そういう役を演じるにあたっての役作りは大変だと思います」と話した。

　親子関係も本作の大きなキーワードで、親でもある伊藤が「どこまで干渉するか悩む」と打ち明けると、村山は「私は今、絶賛反抗期なので反発しまくりです」とぶっちゃけながら、「自分がまだ成長しきれていないなと思う。もうちょっと成長したら親が言うことも愛情として受け入れられるんだろうなと、つくづく感じます」と13歳とは思えない達観ぶり。そして「なんとなく気づいているんですけど、どうしても…」と思春期ならではの心情を明かしていた。

　本作は主演ソフィア・オテロの演技が絶賛され、『第73回ベルリン国際映画祭』で史上最年少（当時9歳）で最優秀主演俳優賞受賞の快挙を成し遂げた話題作。『ベルリン国際映画祭』は2020年に男優賞・女優賞の廃止を発表。翌年から性的区別のない主演俳優賞、助演俳優賞が新設され、それを体現する形での受賞となった。オテロ演じるココは、子どもが抱える孤独や不安を清らかに表現している。

　また、トランスジェンダーというテーマだけでなく、母、祖母ら3世代の視点を交えて、「家族との関係が、自分探しの旅にどう影響するのかを探りたかった」と語るエスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督の長編デビュー作。自分の性別に思い悩む子どもに、周囲はどう接したらよいのか葛藤する家族の視点も織り込まれ、それぞれの考え方で人生を生き抜く姿を描く。