一般社団法人 Japanese Film Project(JFP)は12日、オンラインで日本映画業界の制作現場におけるジェンダー格差や労働環境の改善に向けて行った調査結果を報告した。
今回は「実写邦画」だけではなく、調査範囲を「演劇」「アニメ」まで拡大。これまでの調査では映画年鑑に掲載されている「意思決定層の役職」のみを数えていたが、新たに「アシスタント職」のジェンダー比率もエンドロールを元に調べた。
調査結果は興収10億円以上の実写邦画に関して、意思決定層(監督・撮影・録音・照明・編集・美術)では女性比率が低く、それに対し、それらのアシスタント(助監督・監督助手・撮影助手・録音助手・照明助手・編集助手・美術助手)においては女性比率が高い結果となり、両者の間にジェンダー格差が見られたという。
具体的には意思決定役職では監督(総監督含む)の女性比率は0%(総数13)、アシスタントでは助監督の女性比率は5%(総数21で女性1)、助監督の女性比率は25%(総数36で女性9)。
興収10億円以上のアニメ邦画に関して、意思決定層(監督・演出・作画監督・美術監督・脚本・音楽監督・キャラクターデザイン・撮影監督)と、それらのアシスタント(アニメーター・制作進行・美術・背景美術など)においてジェンダー格差が存在。
具体的には意思決定役職では作画監督・作画総監督の女性比率は41%(総数160で女性65)、プロデューサー関連スタッフの女性比率は18%(総数315で女性56)、美術監督の女性比率は20%(総数15で女性3)。アシスタントとなるアニメーターの女性比率は58%(総数1952人で女性1137)、制作進行の女性比率は32%(総数75で女性24)、美術関連スタッフの女性比率は53%(総数274で女性144)。
また、映画年鑑に掲載されている劇場公開作品において、「プロデューサー職」と「制作職」を比較すると、「プロデューサー職」の女性比率が低い結果に。「監督・撮影・照明・録音・編集・脚本・美術」のジェンダー比率は、調査を始めた2019年から4年間で大きな変化はなく、むしろ女性比率の減少が見られたと説明した。
アニメ映画業界について、横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院教授の須川亜紀子は、今回の調査報告に「アニメーションを専門に研究しているので、アニメ映画の制作現場について少し言及したい。実写映画の現場と比べて、アニメ制作の現場は女性が比較的多いと言われてきた。だが、「スタッフ」というカテゴリーで論じる際、例えば企業に雇用されている制作進行という職とフリーランスの多いアニメーターという職で、女性比率を単純に比較することはできない」と説明。
「さらに、完全出来高制のフリーランス・アニメーターは、作品を掛け持ちすることが多い。打ち切りのリスクも含め、収入を得るには複数の作品に関わる必要があるからだ。すると、複数の作品にクレジットされる可能性が高くなる。それが興収10億円超の映画かどうかはともかく、該当者が女性であれば、表面上は女性の数が多いという結果になる」と伝えた。
また、「一方、スキルの高いフリーランス・アニメーターは、「拘束契約」という形で、契約相手の作品に専念し掛け持ちをしない代わりに、高い報酬を保証される。すると必然、クレジットされる作品数は少なくなる。こうしたケースでは、数値上「拘束契約」をしていない女性が数字上は多くなるが、実際は低賃金で複数の作品にかかわっているという実態はみえにくくなってしまう」と指摘。
「アニメーション制作現場については、芸団協、JAniCA(日本アニメーター・演出協会)などが労働実態の調査をしており、女性が置かれた状況を把握するには、様々な調査結果をクロスレファレンスして考察する必要がある」と呼びかけた。
今回は「実写邦画」だけではなく、調査範囲を「演劇」「アニメ」まで拡大。これまでの調査では映画年鑑に掲載されている「意思決定層の役職」のみを数えていたが、新たに「アシスタント職」のジェンダー比率もエンドロールを元に調べた。
調査結果は興収10億円以上の実写邦画に関して、意思決定層(監督・撮影・録音・照明・編集・美術)では女性比率が低く、それに対し、それらのアシスタント(助監督・監督助手・撮影助手・録音助手・照明助手・編集助手・美術助手)においては女性比率が高い結果となり、両者の間にジェンダー格差が見られたという。
興収10億円以上のアニメ邦画に関して、意思決定層(監督・演出・作画監督・美術監督・脚本・音楽監督・キャラクターデザイン・撮影監督)と、それらのアシスタント(アニメーター・制作進行・美術・背景美術など)においてジェンダー格差が存在。
具体的には意思決定役職では作画監督・作画総監督の女性比率は41%(総数160で女性65)、プロデューサー関連スタッフの女性比率は18%(総数315で女性56)、美術監督の女性比率は20%(総数15で女性3)。アシスタントとなるアニメーターの女性比率は58%(総数1952人で女性1137)、制作進行の女性比率は32%(総数75で女性24)、美術関連スタッフの女性比率は53%(総数274で女性144)。
また、映画年鑑に掲載されている劇場公開作品において、「プロデューサー職」と「制作職」を比較すると、「プロデューサー職」の女性比率が低い結果に。「監督・撮影・照明・録音・編集・脚本・美術」のジェンダー比率は、調査を始めた2019年から4年間で大きな変化はなく、むしろ女性比率の減少が見られたと説明した。
アニメ映画業界について、横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院教授の須川亜紀子は、今回の調査報告に「アニメーションを専門に研究しているので、アニメ映画の制作現場について少し言及したい。実写映画の現場と比べて、アニメ制作の現場は女性が比較的多いと言われてきた。だが、「スタッフ」というカテゴリーで論じる際、例えば企業に雇用されている制作進行という職とフリーランスの多いアニメーターという職で、女性比率を単純に比較することはできない」と説明。
「さらに、完全出来高制のフリーランス・アニメーターは、作品を掛け持ちすることが多い。打ち切りのリスクも含め、収入を得るには複数の作品に関わる必要があるからだ。すると、複数の作品にクレジットされる可能性が高くなる。それが興収10億円超の映画かどうかはともかく、該当者が女性であれば、表面上は女性の数が多いという結果になる」と伝えた。
また、「一方、スキルの高いフリーランス・アニメーターは、「拘束契約」という形で、契約相手の作品に専念し掛け持ちをしない代わりに、高い報酬を保証される。すると必然、クレジットされる作品数は少なくなる。こうしたケースでは、数値上「拘束契約」をしていない女性が数字上は多くなるが、実際は低賃金で複数の作品にかかわっているという実態はみえにくくなってしまう」と指摘。
「アニメーション制作現場については、芸団協、JAniCA(日本アニメーター・演出協会)などが労働実態の調査をしており、女性が置かれた状況を把握するには、様々な調査結果をクロスレファレンスして考察する必要がある」と呼びかけた。
2023/12/12