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大泉洋主演、16万人の心臓病患者を救った家族の実話を映画化 菅野美穂、福本莉子、川栄李奈、新井美羽が共演

 「ただ娘の命を救いたい」という一心で、知識も経験もない状態からの医療器具開発という不可能に挑み、のちに16万人の命を救うこととなる家族の愛と絆が織りなす奇跡の実話が、俳優の大泉洋主演で映画化されることが発表された。『ディア・ファミリー』のタイトルで、来年(2024年)6月14日の公開が決定している。

大泉洋主演、映画『ディア・ファミリー』2024年6月14日公開決定(上段右)菅野美穂(下段左から)川栄李奈、福本莉子、新井美羽 (C)2024「ディア・ファミリー」製作委員会

大泉洋主演、映画『ディア・ファミリー』2024年6月14日公開決定(上段右)菅野美穂(下段左から)川栄李奈、福本莉子、新井美羽 (C)2024「ディア・ファミリー」製作委員会

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 2019年に「文藝春秋」の連載「後列のひと」で取り上げられた、ビニール樹脂製品の町工場の経営者・筒井宣政(東海メディカルプロダクツ前社長)が生み出した、世界で16万人もの命を救ったIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルの誕生秘話を映画化。

 生まれつき心臓病疾患を持っていた幼い娘・佳美(よしみ)に突き付けられた「余命10年」という宣告。どこの医療機関でも治すことが出来ないという現実。そんな絶望の中、小さな町工場を経営する父・宣政(のぶまさ)は「じゃあ俺が作ってやる」と、人工心臓を作ろうと立ち上がる。知識のない中で始まった医療器具の開発は、限りなく不可能に近く、前途多難だった。しかし、宣政と妻の陽子は、人工心臓・カテーテルの勉強に励み、有識者に頭を下げ、資金を用意して何年もその開発に時間を費やす。あらゆる医療関係者にそっぽを向かれる中、佳美の命のリミットは刻一刻と迫っていた…。

 大泉は、娘を救うために、すべてを投げうって「IABPバルーンカテーテル」の開発に挑んだ筒井宣政氏をモデルとする坪井宣政を演じる。自身も一人娘を持つ大泉は、今作に臨むにあたり、「脚本を読んだ時『私の命はもう大丈夫だから、その知識を苦しんでいる人のために使って』というせりふに心を突き動かされました。自分も子どもの親として、引き受ければとても苦しい撮影期間になるということは予想できましたが、娘の命を救いたいという一心で立ち上がり、絶対にあきらめないこの家族の強さが観た人を必ずや勇気づけてくれると信じて、出演を決めさせていただきました」とコメントしている。

 監督は、『君の膵臓をたべたい』(2017年)、『君は月夜に光り輝く』、『劇場版 そして、生きる』(ともに19年)など、死生観にまつわる感涙作を生み出してきた月川翔。筒井家の実話に感銘を受けた月川監督も2児の父親であり、ぜひやりたいと快諾。今作への想いを、「心臓に難病を抱えた娘のために、町工場のお父さんが医療機器を開発した実話、と聞いて、何としてもこの実話の映画化は自分でやり遂げたいと思いました。僕が最も感動したのは、この医療機器が今も世界中で多くの命を救い続けているという点です。このご家族への取材を重ねていくうちに、誰かが亡くなって悲しいという話ではなく、誰かの命が救われていくことでの感動を届けたいという思いが高まっていきました」と語っている。

 大泉と月川監督は今作が初タッグとなり、撮影中も細かくディスカッションを重ね信頼関係を構築。モデルとなった筒井家の面々と対話をしながら役作りを重ね、1970年代、80年代、90年代、2000年代と4つの時代を完全再現し、“絶対にあきらめない家族の絆”を描き出す。

 娘のためにがむしゃらに奔走する宣政を献身的に支える妻・陽子を演じるのは、菅野美穂。宣政が迷った時には「次はどうする?」と頼もしくお尻を叩き、夢の実現のため、ともに歩む強さを持つ陽子について、「何度上手く行かなくても、あきらめずに、その度に工夫して再び挑戦する姿勢に、父の娘への強い思いが、あきらめきれない愛情が浮かび上がって、胸をつかまれたような気持ちになりました。また、奥さまの陽子さんにオンラインでお話しを聞かせていただき、陽子さんのお気持ちを預かって、役を全うできればという思いで現場に通っていました。ご家族の奇跡の実話を受け取っていただけたらと思います」と意気込みを表した。初めて夫婦役で共演する大泉との掛け合いにも期待が高まる。

 「余命10年」を宣告される心臓病疾患を抱えた娘・佳美を演じるは福本莉子。韓国では邦画実写映画の観客動員数歴代2位を記録した『今夜、世界からこの恋が消えても』(22年公開)でヒロインを演じ、「第46回日本アカデミー賞」新人賞を受賞するなど成長著しい福本は「私が演じた佳美さんは生まれつき心臓に疾患があり、20歳まで生きられないと医師に宣告されていました。それでもいつも前向きで一家の太陽みたいな存在だった佳美さん。撮影に入る前にご家族にお会いさせていただき当時のお話を伺い、佳美さんが何故こんなにも強く優しいのかがわかりました。ご家族や佳美さんの想いを胸に精一杯演じさせていただきました」と話している。

 佳美の姉で坪井家の長女・奈美役を川栄李奈が演じる。坪井家の3姉妹を支える役どころを演じた川栄は、「作品が始まる前に、ご家族のみなさんとお会いし、奈美さんとはリモートでお話しをする機会をいただきました。 奈美さんが『妹の前では明るく振る舞っていましたが、陰ではずっと泣いていましたよ』 と仰っていて、いつも明るくみんなを励ましてくれるお姉ちゃんとつらくて苦しくて気持ちがあふれ出す奈美さん、その両面を精一杯演じようと、自分なりに一生懸命役に向き合いました」とコメント。時に厳しくも優しさで姉妹を包み込む長女を熱演する。

 奈美と佳美の妹で末っ子・寿美(すみ)を演じるのは、大河ドラマ『おんな城主 直虎』、連続テレビ小説『わろてんか』の両方で主人公の子役時代を演じたほか、洋画の吹き替えやCM出演などでも話題となっている新井美羽。今作への挑戦に、「作品に入る前に、実際に寿美さんにお会いする機会をつくってくださり、ご家族のことや姉妹の関係性について聞かせていただきました。役作りをする上で、家族としての立ち位置や、どんな風に演じたらいいのだろうと悩むところはあったのですが、寿美さんが『好きなようにやっていただいて大丈夫です』と言ってくださり、心強かったです」とコメントを寄せている。

 本作の映画化にあたっては、モデルとなった筒井宣政氏と親交があるノンフィクション作家・清武英利が、20年以上にわたり連綿と続けてきた膨大かつ緻密な取材と連載などをもとに製作陣が脚本開発。脚本は、『糸』(20年公開)、『ラーゲリより愛をこめて』(22年)など、数々の名作を手掛けてきた林民夫が担当した。なお、清武による取材リソースは、来年4月に文春文庫より『アトムの心臓『ディア・ファミリー』22年間の記録』のタイトルで、本作の原作として刊行予定。
絶対にあきらめない家族が起こした大きな奇跡の物語をぜひご期待ください。

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