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2023年、躍進目覚ましい女性監督による【映画3選】『マーベルズ』『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』『バービー』

 「#Me Too」運動のきっかけとなったハリウッドの有名プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性暴力・ハラスメントの告発を追った映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(監督:マリア・シュラーダー)の公開(1月13日)から幕を開けた2023年(※同映画の全米公開は2022年10月13日)。夏には、全米オープニング興行成績で、女性監督作品として史上最高額を記録した映画『バービー』が公開(8月11日)され、グレタ・ガーウィグ監督が来日を果たした。

『マーベルズ』(公開中)、『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』(11月17日公開)、『バービー』(デジタル先行販売中)

『マーベルズ』(公開中)、『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』(11月17日公開)、『バービー』(デジタル先行販売中)

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 きのう(11月10日)からは女性監督のニア・ダコスタによるマーベル・スタジオ映画の新作『マーベルズ』が公開。17日からは、「次世代のタランティーノ」との呼び声が高い、アナ・リリ・アミリプール監督の最新作『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』の公開が控える。2023年を象徴するような、これまでのスタイルを打ち破るような新たなパワーを持ち、躍進が目覚ましい女性監督による作品を紹介する。

■『マーベルズ』(公開中)

映画『マーベルズ』(公開中)場面写真(C)Marvel Studios 2023

映画『マーベルズ』(公開中)場面写真(C)Marvel Studios 2023

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 『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)でケタ違いの強さを見せたキャプテン・マーベルが主人公。規格外のパワー”と“不屈の心”を持ち、地球を離れて宇宙の星々まで守るアベンジャーズ最強のヒーローである彼女の前に、“過去の因縁”から彼女への復讐を誓った謎の敵が現れる。その狙いは、地球をはじめ、彼女が守ってきたすべてを滅ぼすことだった。

 これまで一人で戦ってきたキャプテン・マーベルに危機が迫るなか、敏腕エージェントのモニカ・ランボーと、アベンジャーズオタクの高校生ヒーロー、ミズ・マーベルと、3人が入れ替わる謎の現象まで発生。この“運命的なつながり”からチームを結成し、共に戦うことに!地球、そして全宇宙の運命をかけた、予測不能の戦いが始まる。

 監督のニア・ダコスタは、1989年、米ニューヨーク出身。大学卒業後、テレビ制作アシスタントとしてキャリアをスタートさせ、2018年に自身で脚本も手掛け、リリー・ジェームズテッサ・トンプソンらをキャストに迎えた『ヘヴィ・ドライブ』で長編映画デビュー。各地の映画祭で高評価を集めた。21年には、クライヴ・バーカー原作の人気ホラー映画を新たによみがえらせた『キャンディマン』を発表。そして、映画『キャプテン・マーベル』(19年)の続編となる本作の監督に大抜てきされた。

 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画に参加する女性監督としては、アンナ・ボーデン(『キャプテン・マーベル』)、ケイト・ショートランド(『ブラック・ウィドウ』)、クロエ・ジャオ(『エターナルズ』)に続く4人目。

 この作品の特筆すべき点は、主人公はもちろん、共闘する仲間も、立ちはだかるヴィランも女性であるということ。演じているキャストのルーツも多様だ。ダコスタ監督は、スケールの大きなアクションシーンはもちろん、これまでのマーベル・スタジオ映画にはなかったカラフルでハイテンションな描写や、キャラクターをより深く描くユーモラスな場面を加え、「今まで誰も観たことがないマーベル・スタジオ作品が完成した」と語っている。

 また、「ドラマ『梨泰院クラス』を見た数ヶ月後、『マーベルズ』演出のオファーを受けた」と明かしており、ヤン王子役にパク・ソジュンを推して、出演を実現させたことも彼女の“功績”の一つかもしれない。

■『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』(11月17日公開)

映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』(11月17日公開) (C)Institution of Production, LLC

映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』(11月17日公開) (C)Institution of Production, LLC

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 少女の名前は、モナ・リザ。だけど、決して微笑まない。12年もの間、精神病院に隔離されていたが、赤い満月の夜、突如“他人を操る”特殊能力に目覚める。自由と冒険を求めて施設から逃げ出したモナ・リザが辿り着いたのは、サイケデリックな音楽が鳴り響く、刺激と快楽の街ニューオーリンズ。そこでワケありすぎる人生を送ってきたさまざまな人々と出会ったモナ・リザは、自らのパワーを発揮し始める。いったい彼女は何者なのか。まるで月に導かれるように、モナ・リザが切り開く新たな世界とは──?

 監督を務めたアナ・リリ・アミリプールは、長編監督デビュー作『ザ・ヴァンパイア 〜残酷な牙を持つ少女〜』が2014年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、その後、各地の映画祭で絶賛された。続く2作目の『マッドタウン』(出演:スキ・ウォーターハウス、ジェイソン・モモアキアヌ・リーヴスジム・キャリー)は、16年のベネチア国際映画祭でプレミア上映され、審査員特別賞を受賞するなど、世界中から高い評価を得ている女性映画作家だ。

 イラン系アメリカ人のアミリプール監督は、本作のアイデアが生まれた経緯について、「アメリカで育った私は、よそ者であることを常に自覚していました。自分の本当の居場所はどこなのだろうと、いつも考えていて、そんな子ども時代の私に力を与えてくれたのは、ファンタジー映画に登場するヒーローでした。彼らを見ると、自分の存在を理解してくれていると感じ、自由を求める気持ちがさらに強くなります。そんなヒーローを自分でも描きたいという欲求から、モナ・リザというパワフルで超自然的な能力を持つキャラクターが生まれました。彼女を描くことは、スーパーヒーローを創造するような感覚でした」と、自らの子ども時代の経験が大きく影響していると語っている。

 モナ・リザにどんな能力を持たせようかと考えたとき、「どんな状況でも、他人の行動をコントロールすることができる」という力を思いついたそう。その力があれば、恐怖を感じることなく世界を自由に動き回ることができる。この独特な発想から生まれた新しい“スーパーヒーロー”〈モナ・リザ〉が、現代的で新たな価値観を映画にもたらしている。

■『バービー』(11月22日より、4K ULTRA HD、Blu-ray&DVD発売、DVDレンタル、デジタルレンタル配信開始、デジタル先行販売中)

映画『バービー』場面写真(C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

映画『バービー』場面写真(C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

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 思春期の葛藤を描いた『レディ・バード』や名作小説「若草物語」を現代版にアップデートした『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』などで注目を集めるグレタ・ガーウィグ監督が、世界で愛されるアメリカのファッションドール「バービー」を、マーゴット・ロビー×ライアン・ゴズリングの共演で実写映画化。

 物語は女性主体の「バービーランド」から人間界にやってきた主人公バービーが、現実に直面しながら男女の在り方を探る冒険譚。フェミニズム、ジェンダーギャップ、ルッキズムといった現代的なテーマを盛り込みつつも、「バービー」らしいポップな色彩で彩られた本作は、全世界興収14.4億ドル(※Box Office Mojo 調べ、2023年10月20日時点)を突破し、ワーナー史上最高記録を達成した。

 ガーウィグ監督は、次回作として2024年公開予定の実写版『白雪姫』の脚本をエリン・クレシダ・ウィルソンと共同で手掛けているほか、Netflixにて「ナルニア国物語」の映像化(監督・脚本)を手掛けることが決定しており、今後の活躍にも期待が高まる。

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  • 『マーベルズ』(公開中)、『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』(11月17日公開)、『バービー』(デジタル先行販売中)
  • 映画『マーベルズ』(公開中)日本版ポスタービジュアル(C)Marvel Studios 2023
  • 映画『マーベルズ』(公開中)場面写真(C)Marvel Studios 2023
  • 映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』(11月17日公開) (C)Institution of Production, LLC
  • 映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』(11月17日公開) (C)Institution of Production, LLC
  • 【初回仕様】バービー <4K ULTRA HD& ブルーレイセット> (C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
  • 映画『バービー』場面写真(C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

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