俳優の山崎育三郎が13日、都内で行われたミュージカル『トッツィー』の製作発表記者会見に出席し、劇中歌の歌唱パフォーマンスと軽妙なトークを展開した。

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　今回が日本初上陸となる本作は、1982年に公開された同名映画を原作としたミュージカル・コメディー。2018年にアメリカ・シカゴのキャデラック・パレス劇場で初演を迎え、2019年のトニー賞ミュージカル部門で11部門にノミネート。最優秀脚本賞、主演男優賞受賞を獲得した。

　売れない中年俳優が知恵を巡らせて女装したところ、一躍大人気スターになってしまうというアメリカン・ジョークたっぷりのストーリーが展開。女性になりきって“ドロシー・マイケルズ”と名乗る主人公マイケル・ドーシーを山崎、ヒロインのジュリー・ニコルズを愛希れいかが演じる。

　会見冒頭では、劇中歌「Unstoppable」を披露。伸びやかな歌声やアグレッシブなダンスはもちろん、マイケルからドロシーへの早着替えも行い、会場を沸かせた。

　歌唱後には「リハーサルを2回やったんですが、2回とも早着替えが間に合わなかったの。でも本番で成功させることができてすっごくうれしい」とドロシーらしい口調で喜ぶ。さらに「私、せっかく綺麗だからちょっと近くに行くわね」と言い、ファンが見守る客席へ。突然の出来事に困惑の表情を隠せないファンに「…大人しいわね」とこぼしながらも、「予定にないことをしてごめんなさいね」と独壇場を演じ切った。

　その後、妖艶なドロシー姿のまま質疑応答に臨んだ山崎は「いよいよ来年開幕ということで、すごくワクワクしております」と笑顔で語り、「出演者は、私も含めてみんな厳しいオーディションを取って集まったメンバーでございます」とキャスト陣を紹介。

　作品について「華やかで楽曲が美しくて、台本もすばらしい。これぞミュージカルと言いますか。ミュージカルのすばらしさがすべて詰まったような作品でございます」とし、「2024年の1月からみなさまと一緒に最高のスタートを切ることができればと思っております」と意気込んだ。

　本作は来年1月10日から30日の東京・日生劇場を皮切りに、大阪・梅田芸術劇場メインホール（2月5日〜19日）、愛知・名古屋御園座（2月24日〜3月3日）、福岡・博多座（3月8日〜24日）、岡山・岡山芸術創造劇場ハレノワ（3月29日〜30日）で上演される。

　9月26日からチケットの先行エントリーが始まっていたが、日生劇場公演は早くも完売。山崎は「日生劇場はもうチケットがないということで、 これは地方向けの制作記者会見です。大阪、名古屋、福岡、岡山のみなさん、どうぞよろしくお願いします」と伝えた。

　ドロシーに扮する際の役作りについて聞かれると「今年95歳になる祖母を参考にしました」と言い、「祖母は昔、自分の誕生日にディナーショーのようなことをやっていたんです。ドレスアップして、アクセサリーもたくさんつけて、『愛の讃歌』を歌ったりして」と振り返る。

　最終公演はそんな祖母が住む岡山。山崎は「祖母も見に来てくれますし、楽しみにしているんですね。ツアー最後の公演なので、そこまで元気でいてほしい」と“祖母孝行”を誓った。

　このほか、羽場裕一（エージェント：スタン・フィールズ役）、金井勇太（親友：ジェフ・スレーター役）、昆夏美（元カノ：サンディ・レスター役）、キムラ緑子（プロデューサー：リタ・マーシャル役）、エハラマサヒロ（演出家：ロン・カーライル役）、岡田亮輔＆おばたのお兄さん（俳優：マックス・ヴァン・ホーン役／Ｗキャスト）といった豪華な出演者たちがストーリーを盛り上げる。