俳優の上杉柊平と西村拓哉がW主演するドラマシャワー枠『ワンルームエンジェル』が19日よりMBSほかで放送スタートする。人生に投げやりなヤカラ男と彼の前に現れた記憶喪失の“天使”によるワンルームでの同居生活を描く。このほど初共演となる2人が合同インタビューに参加し、すっかり兄弟のように打ち解けたさまを見せながら、クランクアップしたばかりの今作を振り返った。

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　はらだ氏による同名コミックを実写化。過去のあるトラウマがきっかけで、惰性で毎日を送っていた幸紀と、記憶喪失中の生意気な天使。小汚い和室ワンルームで突然はじまった奇妙な同居生活だったが、天使との日々は、死んだように生きていた幸紀の心にある感情を芽吹かせることになる。

■2人芝居はチャレンジングで“最高の環境”　圧倒的なセリフ量で自信に「この先、なんでも乗り切れる」

――まず、作品に対してどのような印象を持ちましたか。

上杉：ほぼ2人のだけの会話劇であり、俳優にとって難しいながらも、最高の環境でもある。どんなすばらしい作品を作れるのか、不安も感じましたしワクワクしました。

西村：実際に演じてみると2人の関係性をメインにした話で、人の愛あふれる作品だな、という印象ですね。だから観やすく、温かい気持ちになれるかな、と思います。

――“主演”という点はいかがでしょうか。

上杉：あまり、僕は主演かどうか意識をしていません。どんな役でどんな番手でもやることは一緒という感覚。そこまで気にしていないですね。事務所から『主演だから、頼むよ』っていうのはありましたけど（笑）。

西村：僕も同じです。ライブの会場の広さと同じで、いただいたお仕事の大きさで僕たちがやることが変わるわけじゃない。でも、周りの人やメンバーは『主演やん、すごいね』と言ってくれるのでグループを代表して頑張れたらいいな、と思いました。

――西村さんは天使というなかなかやる機会がない役柄に挑戦されました。羽をつけての撮影はいかがでしたか。

西村：（羽が）大きいですよね。ワンルームが広い場所じゃなかったので移動が大変でした。ドアからも出れない。

上杉：カニ歩きだったよね（笑）

西村：スタッフさんが狭い部屋に10人ぐらいいるので、何人の頭を羽で殴ったことか（笑）

上杉：いろいろ制約はあったよね。当たり前のように（羽があたっちゃうので）毎日、ここでちょっと近寄らないようにしようねとか話しながらやっていました。

――そのほかに、撮影で苦労したことはありますか。

上杉：セリフ量と環境って感じですね。セリフが多かったね、『きょう、15ページですよ』みたいな。

西村：もう、この先、なんでも乗り切れるなって思えるぐらいの量でした（笑）

――お二人とも漫画から飛び出たようなビジュアルです。キャスティングもすばらしいのだと思いますが、実際に見た目を原作に寄せましたか。

上杉：僕は自分から何かやれることは本当にあんまりないっていうか、変えようがない部分。髪とかをメイクさんと相談はしました。

西村：僕はビジュアルにはこだわって毎日、天使であろうと自分でメイクしていました。顔合わせのときから髪も3回ぐらい切って。回想で高校生、中学生の話もあったので、その撮影前に切って、髪の質感、どのワックスやヘアオイルをつけようか、分けようか、話しながら臨みました。

■上杉、西村の大食いぶりに驚き　パスタ→お弁当×２「びっくりするぐらいご飯を食べる」

――初共演ということで初めてお会いしたときの印象はいかがでした。

西村：渋い！（笑）柊平くんのYouTubeを拝見させていたので、そのままの印象でした。おしゃれでかっこいい。背が高いなと思います。（YouTubeは）前から観たものもあり出演するドラマも拝見していたので、最初に共演すると聞いて『知ってる！』って（笑）。YouTubeはほぼ観ていて、100万円分の服を買うやつとか香水を買うやつとか…。

上杉：俺のYouTubeを普通にイジってくるんですよ（笑）

西村：家もめっちゃおしゃれで、それも観てました！

上杉：イジられていましたね（笑）。西村くんは、まず声聞いて、僕が思っていた天使そのもの、むしろそれ以上だった。声だけの本読みの段階で、『すごく上手な方だな』と、本読みの後すぐ、マネージャーと『やばいね』と話したのを覚えています。なんとなく天使という存在がどういうふうになるのか若干の不安だったものが、一瞬で取っ払われた。実際に、お話すると、すごく気さくで明るいし、かわいい子だなと思いました。

――本読みの段階で、『やばいね』と言っていた話を聞いていかがですか。

西村：それこそ『やばい』ですね。そう言っていただけるのがやばいな。自分はお芝居が本当わからない、経験がなさすぎるので、まるで自信がなく、全力で探りながら演っただけ。正解もわかんないし、ただ求められていることに近づけようというのに必死でした。

――共演してみて発見した新しい一面や意外だなと思うことはありましたか。

西村：僕は、僕や監督さんがボロっと言ったしょうもないことでも、反応してくれるところ。『おい！』『それ、やめろ！』みたいにツッコんでくれるのがうれしいです。もっとクールな方だと思っていたのでうれしかったです。

上杉：意外なところといえば、びっくりするぐらいご飯を食べる。空き時間に『パスタ食べてきました！』と言っていたかと思えば、その後のお昼休憩で弁当2個とか食べているのでビビります。少食かなと思っていたんですけど、めちゃくちゃ食べる。あと、とにかく元気。20歳ってそうだったっけ…と思いながら、朝から遅くまで撮影した翌日も『結局、家で携帯見てたら3時でしたよ〜』って、よくそのテンションで次の日の朝、元気に現場に来れるなって（笑）。それくらい元気印だった。

西村：想像以上で（笑）

上杉：想像以上に元気。みんなに愛されるだろうなと、この現場でもそうでした。

――今作では食べるシーンも多いですよね。

西村：そうなんですよ。その撮影が結構1日に固まっていたんです。

上杉：そうめん食べてトウモロコシ食べてカレー食べる、みたいな（笑）。それで（西村が）弁当2個食べる。そうめんだって1人で2束、ボウル1個食べてた（笑）

――飾らない2人の会話が、この作品の楽しい部分の一つなんですけど、それを2人で事前に打ち合わせを結構されたのでしょうか。

上杉：でも台本通りです。段取りをやって本番。

西村：あんまり難しいなと思うこともなく、テンポ感はつかめた方かなと思います。

上杉：本読みをやってたってのもありますけど最低限の段取りで、あとはもし何かあったら監督が言ってくるので、特に意識したことはなかった。お互いそこは多分信頼していたし、セリフの確認はありましたけど特に決まってなかったですね。

西村：本当に気持ちよくお芝居させていただきました。

――西村さんからみて、幸紀っぽいところと上杉さんからみて天使っぽいなと思うところはありますか。

西村：愛情が見え隠れ…隠しきれてないところ。

上杉：そんな出てるかな？西村くん…にしたくへの愛が。出ちゃってる？（笑）西村くんの天使っぽいところは、思ったことを口にするところ。

西村：素直なんです。

上杉：すごく素直でまっすぐで表現者っぽいなって。その素直さは、本読みから感じていました。初めての打ち合わせで、すでにその感じはあった。

――普段の呼び方は西村くん。

上杉：お互いバラバラです。上杉くん、柊平くん、だったり、お兄さんとかもある（笑）

西村：西村くん、にしたく、先生…（笑）

――現場でもこうして上杉さんはお兄さんになっていたんだろうな、と思いました（笑）

西村：このまんまです。

上杉：どこでもこんな感じです。実のある会話なんて一つもないね（笑）。現場では、いっぱいいっぱいでしたね。集中していました。

――クランクアップした今、お互いに改めて役者として魅力を感じるところを教えてください。

西村：やりたいことが明確で、求められていることも考えていてすべての行動やセリフについて、監督が『ここのセリフ』と言うだけで、すぐにその理由がもうポロポロ出てくる。いろんなこと考えてお芝居してらっしゃるんだなと、かっこいいなと思っていました。

上杉：多分、僕は頭を使っちゃう。感覚でできる人もいると思うけど自分は理屈で考えないとできないので、台本を一つ一つの意味を読み込んで、聞かれたら答えられる準備はしている。西村くんは『経験がない』とおっしゃっていましたが、経験の有無は問わず、魅力的に見える人は見えるし、逆にどれだけ経験があっても、その役に合ってなかったり表現の仕方が難しかったり違ったりする人もいると思います。西村くんは、その表現をする力をものすごく持っている方。経験値関係なく同じ土俵で2人芝居を演っていても、僕は完全に役者さんだと思って接していた。めちゃくちゃ魅力的で、他の役でもまたお芝居してみたい。また化学反応みたいなものを起こしたいなと思った役者さんでした。

■シェアハウスできる？できない？真逆の2人がもし一緒に暮らしたら…「なんだかんだ楽しめそうな気も」

――男の人同士でワンルームに暮らすって実際はものすごく大変だと思うんですけど、お二人は、誰かとシェアハウスすることは考えられますか。

西村：僕は自分の部屋があればいいです。ツールームあれば（笑）。僕は基本的に、自分の部屋に行かない人なんですよ。部屋は荷物置き場で、リビングに家族が全員いる。移動や家族が仕事でいないときに、必然的に1人になる時間がちょっとあるので、それで十分。人といたいタイプなので、（誰かが家にいるのは）苦じゃないですね。

――生活の中でこだわりも特にない？

西村：あまりないですね。多分気づいてないかもしれないのですが、家で別に不満を感じたことがない。基本的には嫌に感じることが少ないので鈍感なんだと思います。幸せに暮らしています。

上杉：いいことだね。気にしないほうが絶対いいもん。ストレスないし…。僕はもう逆。1人でいる時間が9割ぐらいないと無理なタイプ。仕事で人に会って話すし誰かと過ごすから、それ以外は1人でさせてくれっていう。家の環境とかも僕はすごい大事だし、そこでリセットすることもたくさんあるので、誰かとは暮らせないです。

――上杉さんは自分の中でゆずれないことは、ありますか。

上杉：誰かに時間を合わせなきゃいけないこと。自分の時間を大切にして、自分の好きなタイミングで何かをできないっていうことは譲れないかもしれないです。自分が一番大事だと思います。誰かに何かを譲歩することができないんです。よっぽどマイペースでよっぽど生活に干渉しない人だったら暮らせるかも…？僕は1人っ子で、両親も仕事で家にほぼおらず、家では1人でいることが多かったので慣れちゃっている。1人の方が心地がいいです。

――もしお二人でシェアするならどんな感じになりそうですか。

西村：柊平くんがかわいそう（笑）

上杉：起こされそう。『柊平くん、飲みましょうよ！』とか誰も捕まらなかった時に…。

西村：それも第一候補じゃないんですよね（笑）

上杉：そう、8番目くらい。でもそう言われたらいっちゃいそう。そうやってかまってって言われたら俺はほっとけない。なんだかんだ楽しめそうな気もします。

――今後、プライベートで食事だったり飲みにいったり、そういう仲にはなれそうでしょうか。

西村：明日が初めて。みんなで打ち上げに行って外でご飯食べます。毎日毎日、忙しかったですから。

上杉：今まではそんな時間なかったよね。

――今後、YouTubeでコラボとかはどうでしょう。

上杉：そんな簡単に出てくれるわけないじゃないですか。出てくれるんですか？

西村：いや出たいですよ。僕は。

上杉：このドラマの放送のタイミングで出てくれるんですか？交渉してくれるの？

西村：それはしますよ！なにか買ってくれるなら…（笑）

上杉：最悪、プロフィールの写真だけ使えるか聞いてみて。そうしたら俺が西村くんにプレゼントを買うって企画で写真だけ出すので（笑）

西村：わかりました（笑）

作品紹介
ドラマ『ワンルームエンジェル』（全6話）
2023年10月19日より 毎週木曜 深夜1:29よりMBS、他にて放送
「TVer」「MBS動画イズム」で見逃し配信1週間あり
「Hulu」では１話から最終話まで見放題独占配信
https://www.mbs.jp/oneroomangel/
https://youtu.be/k_POtSy9CG4?si=lqc_sitsCfBRBdbT