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中島健人、ネクストステージにかけた思い 俳優としての現在地と未来への希望「すごく理想的な流れにいる」【インタビュー】

 4人グループ・Sexy Zone中島健人(29)主演の映画『おまえの罪を自白しろ』が20日に公開を迎える。中島は主人公の議員秘書・宇田晄司を演じ、社会派サスペンスに挑戦する。このほど中島にインタビューに敢行。役者としてキャリアを重ねながら、まさに“ネクストステージ”な新境地に挑んだ心境を聞くと、自身の現在地、そして俳優として未来を展望した。

映画『おまえの罪を自白しろ』に主演する中島健人  撮影: 山崎 美津留※崎=たつさき(C)ORICON NewS inc.

映画『おまえの罪を自白しろ』に主演する中島健人  撮影: 山崎 美津留※崎=たつさき(C)ORICON NewS inc.

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 今作は江戸川乱歩賞をはじめ、数々の賞を受賞する社会派ミステリーのヒットメーカー・真保裕一氏の同名小説を、映画『舞妓Haaaan!!!』(2007年)をはじめ、ドラマ「Mother」(2010年/日本テレビ系)「Woman」(2013年/日本テレビ系)など多くのヒット作を生み出してきた水田伸生監督が映画化。

 政治家一族の宇田家の次男・晄司は、建築会社を設立するも倒産し、やむなく政治スキャンダルの渦中にいる国会議員の父・清治郎(堤真一)の秘書を務めながら、煮え切らない日々を送っていた。そんなある日、一家の長女・麻由美(池田エライザ)の幼い娘が誘拐される。

 犯人からの要求は身代金ではなく「おまえの罪を自白しろ」という清治郎への脅迫。そんな状況下でも、清治郎は内閣府副大臣という地位と権力に固執し口を閉ざす。そして、清治郎が握る国家を揺るがす“罪”は、誘拐事件を捜査する警察、罪を追及するマスコミ、そして国民をも巻き込む前代未聞の大事件へとつながっていく。誘拐事件の犯人は誰なのか、そして事件をきっかけに明かされる“罪”の真相とは…。

■晄司の顔つきが変わるシーンにこだわり「ちゃんといい表現ができた」

『おまえの罪を自白しろ』場面カット(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会

『おまえの罪を自白しろ』場面カット(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会

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 今作のオファーを受け「20代後半になり、自分が出演する作品の題材の傾向が徐々に変わってきたなという感覚になりました。今までは、少しポップで、わけへだてなく楽しんでいただける作品が多めだったのですが、ちゃんと物語の“核”の部分で人間を描きながら、社会風刺もするような、しっかりとした骨太の作品に出演できるようになれたんだなと、うれしい気持ちがあふれましたね。早く挑戦したい、と思いました」と自らも出演作の幅の広がりを実感したそう。

 「そこまでフォーカスされることのない職業ではないので珍しい」という議員秘書の仕事を知るべく、実際に取材も行った。「スーツを着て、プロデューサーさんと一緒に国会議事堂を訪れました。1日の流れ、国会議事堂の中もちゃんと把握しないといけないと思い、議員会館にも。そこの食堂で食べたカツカレーめちゃくちゃうまくて(笑)カレーの味しか覚えてない…。それはうそです(笑)」とおちゃめな一面ものぞかせながら真摯に役へと向き合う姿勢をのぞかせる。

 そこでは「この物語の登場人物と同じくタブレットでスケジュール共有しているところが、近代的な側面も感じました。実際に議員秘書の方はまさに、汗水流して、議員さんを支えているという雰囲気がすごく出ていた。議員さんのお部屋にも行かせていただいたのですが、部屋の内装や、置かれている物を見ると、ものすごく忙しいのだと如実にわかる。たくさんの書類や、スケジュールをさばくのも秘書の仕事。だから自分はまず、自分自身についてくださっているマネージャーさんをよく見るようにしました」とイメージをふくらませるきっかけをつかんだ。

 中島が感じる晄司の魅力はその感情が揺さぶられるときにこそ表れるという。「最初に水田監督と打ち合わせをした時、あまりにも周りの登場人物の色が濃すぎて晄司が見えないって話をしました。そこから、晄司に色付けをしていったので、今は晄司に対してちゃんといい表現ができたなっていう自信はあります。晄司は、平坦な人物にみえて、家族を救うタイミングで、感情の緩急を見せる。戦わざるを得ない状況になった時、人が見たことのない顔にひょう変するさまは晄司を通して表現したつもりです」と手応えを語る。

 「そのひょう変ぶりはスクリーンを観たときに驚かせるものができたと思います。自分自身も演っていてすごく楽しかった。水田監督は基本的に1、2テイクでOKをいただけるのですが、ひょう変シーンは6回くらい撮り、逆にもっと演じていたかった。それくらい何か自分でやってスカッとするシーンで、このシーンいいな、と思っていたらやっぱり予告に使われましたね。平坦に見える晄司のもっとも隆起した部分を見ることができるシーンです」と自信をのぞかせた。

■やりたいこと、求められること…自らの可能性を模索「いろんな理想を吸収していく時間を」

『おまえの罪を自白しろ』場面カット(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会

『おまえの罪を自白しろ』場面カット(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会

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 これまでいわゆる“王子様”のようなパブリックイメージを背負っていた中島だったが昨年公開『ラーゲリより愛を込めて』では丸刈りで体当たりの演技を見せ、この夏はリーガルエンターテイメント作品『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』(テレビ朝日系)、来年には海外ドラマデビュー作品『Concordia(仮題)』が世界配信されるなど、役者として型にはまらないチャレンジを続けている。

 近年の自分のキャリアについて「実は、ちゃんと等身大の自分をしっかり表すような役に出会えていると思っています。たまたま、このシーズンに法律を扱うドラマや、今作のような社会派で骨太な映画に出演することができる期間が重なったということもありますが、自分自身、俳優という面を通して考えると、すごく理想的な流れにいるんじゃないか。そこで、こんなに面白い作品に出会えたのはラッキーでした」と現在地を見定める。

 一方で「この役は自分に合わなかったな、ハマってなかったなという役ももちろん、きっとあると思います。でも、自分ではこの役合っていなかったなと思っても、意外とみなさんから反響をいただくこともあるし、結局は自分から見た役と、客観視された役はまた違う。だから、表現するなかで自分の理想は50%持つことが大切。客観視されたときの理想、相手の理想50%が、自分にとって一番ちょうどいいバランスなのかもしれません。自分の理想だけでは、ひとりよがりの表現になっちゃうかもしれない」と自分の希望だけでなく人から“求められる中島健人”の存在も忘れない。

 その上で「音楽でも映画でも、いろんな理想を吸収していく時間を今、過ごしていきたい。それにはいろんな経験が必要。できるだけ自分自身の気持ちにすぐ反応できるような歩み方をしていきたい。この作品は『今こういう作品に出るべきだ、日本映画にもっと挑戦したい』という自分自身の扉を最初に開けてくれる映画になるのではないでしょうか。社会派作品に出ることが『ラーゲリ』をエピソード0とするなら、今作は最初の扉になりました」と新たな一歩を踏み出した。

■海外の映画人との関わりのなかで“答え合わせ”「今になって、よかったなと思うことがある」

『おまえの罪を自白しろ』場面カット(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会

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 「いろいろな経験のなかで、いろいろな方を見て、そこには、情がすごく大切だと思っています。その情に出会うことが、自分自身の喜怒哀楽を表現する一つの道につながっていく。悪いこともいいことも交互に繰り返していくのが人生だというふうにすごく思う。自分の感情の起伏や波みたいなものが、色鮮やかになっていけたらいい。淡白なものではなく、いろんな自分に出会えるような歩み方を今後もしていきたい」。自らの人生をカラフルに彩っていきたいと語るさまは、中島の未来はきっと明るいものだと確信させてくれる。

 そんな中島は映画好きで知られ、アカデミー賞のリポーターや、国内外の監督や俳優など映画人とも関わってきた。

 「芸能界入りした頃、僕は本当に友達いなかったんです。どちらかというと、リハーサル室で、みんなでお菓子食べてわいわい集まっている集団じゃなかった。そういう群れの中で一緒に何かを共有するよりも自分自身が今やるべきことやった方がいい、と思う人間だった。この間、LAに行ったとき、キャスティングディレクターの方が、いい役に巡り合うためには、『50%の死ぬほどの努力と50%の運が必要だ』とおっしゃっていて、運だけじゃだめで死ぬほど努力しないといけないんだな、と改めて思いました」と意識を改めた。

 デビューする前、周りの子から遊びに誘われて、正直めちゃくちゃ行きたかった。遊びたかったし、海も行きたかったです。海行った後にすごい肌を焼いてきた同期を見て、いいなと思っていましたけど…(笑)。ただやっぱり、みんなが肌焼いている時間に俺はちょっとでも踊っていたいな、とプライドがその時はあった。でもそんななか、映画番組でさまざまな先人たちの話を聞くと、自分が数年前に歩んでいたこの経験っていうのは間違ってなかったと、今になって、よかったなと思うことがありますね」と“答え合わせ”に巡り合うこともあったという。

『おまえの罪を自白しろ』場面カット(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会

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 さまざまな点が線としてつながっていく。「この映画に出演できたことも、もう数年後に『この映画の扉を開けてよかったな』と、思えるようにしたい。きっとそうなっていくんだろうな。この映画も、このチームと本当にいいご縁ができた。自分の精神を委ねていける方々に出会えたと思います」と感謝を口にしながら、今後を展望していた。

関連写真

  • 映画『おまえの罪を自白しろ』に主演する中島健人  撮影: 山崎 美津留※崎=たつさき(C)ORICON NewS inc.
  • 『おまえの罪を自白しろ』場面カット(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会
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