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野田秀樹氏、「国際芸術祭」構想ぶち上げ 「二度と不要不急と言われないように」

 劇作家・演出家・役者で、「NODA・MAP」を主宰する野田秀樹氏が27日、都内の日本記者クラブで会見を開き、“最後の夢”のひとつ、「国際芸術祭」構想などについて語った。

日本記者クラブで会見を行った野田秀樹氏 (C)ORICON NewS inc.

日本記者クラブで会見を行った野田秀樹氏 (C)ORICON NewS inc.

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 野田氏はかねてから世界で最も有名で、かつ最大の舞台芸術演劇祭であるスコットランドの「エディンバラ・フェスティバル」(首都エディンバラで毎年8月に開催)のような、「みんなが知っている芸術祭が東京にできたらいいな、と夢を持っていた」という。

 そこに、コロナ禍だ。「我々は2・26事件と呼んでいる」(野田氏)2020年2月26日の政府による突然の自粛要請を受け、生命や社会の維持に「不要不急」とされた舞台芸術公演は、3年以上経った今も影を落としている。「(自粛要請に対する野田氏が表明した)意見書へのバッシングもあり、文化芸術の仕事がどれだけ国民に理解されていないのか、思い知らされた」という。「スポーツのワールドカップが開催されて、盛り上がるのはすごく素晴らしいこと。そういったものが文化芸術界にもあっていいはずだ、と強く思いました」。

 自身が芸術監督を務める東京芸術劇場(豊島区)や東京都などが主催する「東京芸術祭」をはじめ、日本各地で演劇祭や芸術祭の類は開催されているが、ほとんどが小規模で、全国的に大きな話題になることがほとんどない。しかし、世界規模のイベントとなれば、違ってくるのではないか。

 国際芸術祭の実現に向けて、いまはまだ「夢からちょっと進んだところ」と野田氏。コロナ禍に緊急事態舞台芸術ネットワークができ、「横のつながりできて声をかけやすくなった。政府・自治体との協議・交渉を共にした、音楽や映画などの業界を超えたつながりもできた。今が呼びかけていくチャンスなんじゃないかと思っている」と、多彩な文化プログラムで一丸となれれば、まさにけがの功名だ。

 ただ、ある程度規模の大きなイベントを開催するには資金調達というハードルも高くなる。「これからお金を集めるという作業をしなくてはいけない。景気が悪い中、民間がどれだけ話を聞いてくれるか。どういうステップを踏んでいったらいいのか。フェスティバル運営を熟知している人から学習しようと思う」と話した。

 国の文化予算が低いこともネックだが、国際芸術祭を定期的に開催することで、日本の文化芸術を世界に発信し、経済の発展につながるサステナブルな仕組みを作ることができれば、文化芸術界のさまざまな問題を好転させ、次世代にバトンタッチできるかもしれない。

 「文化は共同体の礎(いしずえ)。崩れると共同体自体が危うくなる。かつてイギリスの経済が衰退して、苦しんでいた時期も彼らは自分たちの文化へのプライドで踏ん張り切った。文化をないがしろにしていると、足元をすくわれる」と危機感も口にした野田氏。40年にわたって第一戦を走ってきた野田氏が、「二度と不要不急と言われないように」と、舞台芸術界の底上げを目指して挑む「国際芸術祭」構想。今後、何らかのより具体的な進展が期待される。

関連写真

  • 日本記者クラブで会見を行った野田秀樹氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 日本記者クラブで会見を行った野田秀樹氏(撮影:緒方一貴)
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  • 日本記者クラブで会見を行った野田秀樹氏(撮影:緒方一貴)
  • 日本記者クラブで会見を行った野田秀樹氏のサイン(撮影:緒方一貴)

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