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「読んだのに覚えてない」悩みを解決 脳科学的に裏付けされた“本当の読書”で記憶と学びを最大化

 「本を読んでも、すぐに内容を忘れてしまう」「せっかく読書をしても、記憶に残っていない」「すごくおもしろかったのに、少し時間がたつと内容が思い出せない」。「読んだのに覚えてない」という悩みに対し、精神科医である樺沢紫苑氏が脳科学的な裏付けをもとに「記憶に残す、どんどん頭がよくなる読書術」をまとめた書籍『読書脳』から、一部抜粋、再構成して掲載する。

『読書脳』の著者 樺沢紫苑氏

『読書脳』の著者 樺沢紫苑氏

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 記憶に残り、さらに自分にとって役に立つ本当の読書をするための「HOW TO」について3つのやり方を紹介する。

■全体を把握してゴールと読み方を決める

新しい本を手にしたら、最初に何をするべきなのか?

本を読むスピードが遅い人は、「はじめに」「まえがき」の最初の1文字から順に読み始めるという場合が多いでしょう。

一方で、本を読むのが速い人は、全体をパラパラと見通して、まず全体を把握してから読み始めるという人が多いはずです。

なぜ、最初にパラパラ読みをするのか? そこには、3つの目的があります。

(1)全体を把握する
(2)本を読む目的を設定する
(3)「速読」か「精読」かを決める

つまり、本を読み始める前に、ゴール(目的地)と行く方法(読み方)を決めるというわけです。

例えばあなたが、新宿から横浜・中華街まで電車を使って行こうとする場合、どうしますか?

多くの人はネットで「乗換検索」をして、最短の行き方の目星をつけてから出かけるはずです。少なくとも、改札口に着くまでには、行き方を決めているでしょう。

JRの改札を通ってから、おもむろに「乗換検索」をして、「なんだ、JRより地下鉄のほうが早かったじゃないか」と気づいて後悔する人は、少ないと思います。

目的地に行く場合、行き方を決めてから行動する人がほとんどなのに、読書の場合はなぜか、行き当たりばったり。改札口を通過してから、あるいは電車に乗ってしまってから、行き方を考えたり、行き方を変更したりするのです。

自分の目的地がわかっている場合は、そこへの行き方と最短コースを事前に調べてから出発したほうが、早く目的地に到達することができます。

読書の場合も同じです。

まず、本を本格的に読み始める前に、目次に目を通し、全体をパラパラと見通して、全体を把握します。

次に、その本を読む目的を決めます。その本から何を学びたいか、その本から何を知りたいかを定めるということです。

3番目に、「速読」で読むか、「精読」で読むかを決めます。

本の内容の濃さ、密度、引用文献の多さ、翻訳かどうか、などを分析すると、その本を「速読」で読めるのか、あるいは一字一句「精読」でしっかりと読まないといけないのかを見極めることができます。

その本を何日で読むかも決めて、目標設定をします。

今日1日で読み切るのか、2日、または3日で読むのか。

こうして、本を開いたらパラパラと全体を見通して、「目的地」と「行き方」を最初に決めてしまうのが、「パラパラ読書術」です。

このパラパラ読みをすることで、本を読む速さもアップし、その本からの学習効果も高まるという、一石二鳥の効果が得られるのです。

■本は最初から一字一句読む必要はない

『読書脳』の著者 樺沢紫苑氏

『読書脳』の著者 樺沢紫苑氏

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本は最初から一字一句読まなければいけない。

本を読むのが遅い人は、たいていそうした先入観に支配されています。

しかし、「本は最初から一字一句読まなければいけない」なんてルール、誰が決めたのでしょう。

本は、「学び」や「気づき」を得るために読むものです。ですから、「学び」や「気づき」を得るために最適な読み方をすれば良いのです。

実用書と呼ばれる本の多くは、最初から一字一句読む必要はありません。なぜならば、それらは何かの方法やノウハウについて書かれた本ですから、最も重要なのは「方法」の部分なのです。しかし、実際の書籍には「根拠」「裏付け」「実例」なども、ページ数の多くを占めています。

そこで、「方法」の部分に最速でたどりつくコツをお伝えします。

まず、「この本で一番知りたいことは何か」を考えます。

そして、その知りたい部分を先に読んでしまう。まず本を開いたら、目次を見て、一番知りたいことが書かれている部分が何章にあるのか目星をつけて、その「結論」が書かれていそうなところに、いきなりワープします。

そのページを読んでさらに知りたいと感じたところ、深掘りしたいところ、疑問に感じたところがあれば、再度目次などで目星をつけて、そのページにワープして読んでいきます。

このように何回かワープを繰り返していくと、その本で一番知りたい部分の要旨がわかります。

ここまで5分かかりません。先述したように、最初の5分は記憶に残りやすいので、「5分・5分読書術」によって、本の最も重要な部分が忘れにくくなるのです。

まず、ワクワクするような自分の知的好奇心を先に満たす。ドーパミンの分泌を促すので、やはり記憶に残りやすくなります。

だいたいのアウトラインをつかんだところで、はじめて最初のページに戻り、そこから読み始めていきます。読み逃していた重要な事実がないか、見ていくわけです。

既に全体のアウトラインをつかんでいることによって論旨が見えているので、最初から一字一句読むのに比べて、圧倒的に読むスピードが速くなっています。

どこか目的地に行く場合、事前に地図で調べてだいたいどの辺か目星をつけてから行くと、迷わずに早く到着できます。

それと同じで、最初に「目的地」をだいたい把握しておきます。そうすることで、何倍も早く目的のページに到達することができるのです。

一般的な本を最初から順番に、例えば2時間かけて読んでいくと、自分が最も知りたい部分に到達するまでに1時間以上はかかってしまうでしょう。

1日の読書時間が少ない人や読むのが遅い人は、一番知りたいことに到着するのは、読み始めた次の日になってしまうかもしれません。それでは、本を読むモチベーションも、気づきに対する吸収力も低下してしまうのです。

もちろん、最初から一字一句読んでいかないと内容の理解にてこずる骨太な本もありますが、その場合でも、目次を見て「ここ読みたい!」「ここおもしろそう!」という知的好奇心が刺激される場合は、すぐにそのページにワープしてしまってもいいのです。

本を買ったときに、「この本から何を学びたいか」が明確になっている場合は、いきなり「目的地」にワープするような読み方、「ワープ読書術」がお勧めです。

■ギリギリの難しさが学びを最大化する

『読書脳』の著者 樺沢紫苑氏

『読書脳』の著者 樺沢紫苑氏

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本を読む場合、「ゆっくり、じっくり時間をかけて読む」のと「速く読む」のとでは、どちらが記憶に残り、学びの効果が大きいでしょうか? 本を読み慣れていない人は「じっくり時間をかけて読めば、学びの効果は大きい」と思っているかもしれませんが、それは間違いです。

人間の脳は、「自分の能力よりも少し難しい課題」に取り組んでいるときに、最も活性化します。それは、「自分の能力よりも少し難しい課題」に取り組んでいるときには、ドーパミンという脳内物質が出ていて、ドーパミンが分泌されると集中力がアップし、記憶力も強化されるから。つまり、記憶に残りやすく、学びの効果を最大化できる、というわけです。

課題が簡単すぎたり、難しすぎたりする場合は、ドーパミンは出ません。

例えば、テレビゲームをする場合、何の試行錯誤もなく簡単にクリアできるゲームはやっていても全くおもしろくないでしょう。一方で、難しすぎて、何度やっても全く次のステージに進めない。そんな難しすぎるゲームも楽しくありません。

二、三度失敗して、要領をつかめば何とか次のステージに進める。そんな「ギリギリの難易度」が、最も楽しいはずです。なぜならば、そういう「ギリギリの難易度」のときに、ドーパミンが分泌しやすいからです。

本を読む場合は、2つの難易度を設定することができます。「本の内容」と「本を読むスピード」です。「本の内容」の難易度は買った瞬間に決まりますが、「本を読むスピード」は自分で調整できます。

1つ目の「本の内容」の難易度については、自分のステージに合った本でありながら、自分の実力よりも少しだけ難しい本を選ぶようにすると、学びの効果が最大化します。簡単すぎても、難しすぎても、得られるものは少なくなります。

そうはいっても、タイトルや表紙にひかれて、自分の読書レベルと比べて簡単な本を買ってしまうことがあります。そういう場合は、「本を読むスピード」で調整すれば、難易度が上がります。

普通は1冊読むのに2時間かかるとするならば、1時間45分くらいで読み終えるように、いつもより速いペースで読んでみる。

私の場合は、電車の中で読む場合が多いので、「降りるまでに1章読み終えよう」というタイムプレッシャーをかけます。そうすると、漫然と読んでいるときに比べて、「ほど良い緊張感」が生まれます。

先述したようにドーパミンというのは、「目標設定する」ことで分泌されます。「降りるまでに1章読み終えよう」という目標設定によって分泌され、さらに「適切な難易度」にその目標を設定することで、よりたくさん分泌されるというわけです。

小説を読む場合は、自分にとって最も心地良いスピードで、「楽しむ」ということを第一に読むのがいいと思いますが、ビジネス書や実用書を読む場合は、適度にタイムプレッシャーをかけて、「ギリギリの難易度」に調整することで、記憶と学びを最大化できるのです。

■著者:樺沢紫苑プロフィール
精神科医、作家。1965年札幌生まれ。札幌医科大学医学部卒。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(46万人)、メールマガジン(12万人)など累計100万フォロワーに情報発信をしている。著書45冊、累計発行部数230万部のベストセラー作家。シリーズ累計90万部の『アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、『神・時間術』(大和書房)、『ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)、『言語化の魔力』(幻冬舎)など話題書多数。読書については本書が唯一の書籍である。

『読書脳』書影

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精神科医・樺沢紫苑の著作
『読書脳』

>このニュースの流れをチェック

  1. 1. 「読んだのに覚えてない」悩みを解決 脳科学的に裏付けされた“本当の読書”で記憶と学びを最大化
  2. 2. 「おもしろそう!」と思った本はすぐに読む もったいないと言える“脳科学的な根拠”
  3. 3. 推しの著者に会いに行っちゃおう 100回読むよりずっと記憶に残って学べる「本との付き合い方」
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