多くの猫を世話するNPO法人『ねこけん』には、外で暮らす猫も保護されてくる。愛媛で保護した猫「ガリ山ノミ男」もそのうちの1匹で、当初はその名のとおりひどい状態だった。だが、ノミを駆除しキレイにしてみると、“前髪”のような模様が可愛らしい美猫に。「この名前はちょっとひどい」と言われることもあった仮名についても、込められた温かい思いがあった。
■ノミだらけでガリガリ、「ガリ山ノミ男」と名付けられた猫
「ガリ山ノミ男」は、愛媛への出張手術の終了間際に飛び込んできた猫。かなり汚れていてガリガリ、脱水症状。そして、全身がノミの巣窟と化していた。おそらく四国の島で捨てられたか迷ってしまったと思われ、「すごく馴れていたのですが、エサ場を探すことができなかったのか、ガリガリ」だったとか。さらに大量のノミにたかられて血を吸われ、ひどい貧血のために去勢手術ができないほどだったそうだ。
この猫は、「手術できないならこのまま元いた場所に戻す」と言われたが、それでは生きていけないと、ボランティアたちの尽力で『ねこけん』が引き取ることに。その後、ノミは駆除され、ガリガリの貧血状態からも回復。やっと手術を受けることもでき、『ねこけん』での仮名として「ガリ山ノミ男」という名前をもらった。
キレイになった「ガリ山ノミ男」は、意外なことにとても可愛らしい猫だった。なかでも“前髪”のように顔を縁取る模様が特徴的で、譲渡会でも「かわいい!」と人気だ。ところが、現時点でなかなか縁が繋がらず、新たな家族を得るには至っていないという。これについては、「名前がよくないのでは?」といった声が寄せられることもあるそうだ。実際、以前「ガリ山ノミ男」のことを報じた記事にも、「この名前はちょっとひどい、かわいそう」といったコメントも届いた。
■個体識別や保護の経緯もわかる名前、そこに込められた愛と願い
だが、この仮名には理由があった。
『ねこけん』では多くの保護猫を世話しているだけに、個体識別ができるように仮名を付けている。世話や病気などのケアを行う際にも個体識別は大事だし、多くのボランティアが携わるため、しっかりと認識されている必要がある。もちろん、そこにはたしかに温かい愛情が込められており、また可能な限りその猫の“保護の経緯”もわかりやすいように付けられているのだとか。
たとえば、以前いた「ボイス」という猫は、保護を依頼した声の出ないおばあさんに「声が届くように」との思いが反映されており、保護の経緯もわかりやすい仮名となった。また「しょぼぼ」という猫は、子猫時代に風邪を引いて「しょぼくれた顔」だったために付けられた仮名。元気に成長してもしょぼくれ顔だったために仮名は引き継がれ、現在では新たな家族の元で、「しょぼぼ」の名のまま有名猫となった。
ブログには「今ではガリガリでもノミだらけでもないので、変えてもよいのですが…」と書かれているが、この仮名は意外に好評らしい。実際、譲渡会では「なぜガリ山ノミ男なんですか?」と興味を持ってくれる人も多いという。
もしかしたら、新たな家族になる人がその仮名によって、この猫の来歴を知るきっかけになるかもしれない。今度は自分の手で、つらかった過去を幸せで塗り替えようと、新たな名前を付けてくれるかもしれない。
「ガリ山ノミ男」という仮名には、大切な個体識別という用途のほかに、愛情と、こうした未来を願う気持ちが込められている。今はまだ、『ねこけん』にいる「ガリ山ノミ男」。いつかその名が目にとまり、“前髪”に魅了された人が家族となり、新しい名前を付けてくれることを願うばかりだ。
■ノミだらけでガリガリ、「ガリ山ノミ男」と名付けられた猫
「ガリ山ノミ男」は、愛媛への出張手術の終了間際に飛び込んできた猫。かなり汚れていてガリガリ、脱水症状。そして、全身がノミの巣窟と化していた。おそらく四国の島で捨てられたか迷ってしまったと思われ、「すごく馴れていたのですが、エサ場を探すことができなかったのか、ガリガリ」だったとか。さらに大量のノミにたかられて血を吸われ、ひどい貧血のために去勢手術ができないほどだったそうだ。
キレイになった「ガリ山ノミ男」は、意外なことにとても可愛らしい猫だった。なかでも“前髪”のように顔を縁取る模様が特徴的で、譲渡会でも「かわいい!」と人気だ。ところが、現時点でなかなか縁が繋がらず、新たな家族を得るには至っていないという。これについては、「名前がよくないのでは?」といった声が寄せられることもあるそうだ。実際、以前「ガリ山ノミ男」のことを報じた記事にも、「この名前はちょっとひどい、かわいそう」といったコメントも届いた。
■個体識別や保護の経緯もわかる名前、そこに込められた愛と願い
だが、この仮名には理由があった。
『ねこけん』では多くの保護猫を世話しているだけに、個体識別ができるように仮名を付けている。世話や病気などのケアを行う際にも個体識別は大事だし、多くのボランティアが携わるため、しっかりと認識されている必要がある。もちろん、そこにはたしかに温かい愛情が込められており、また可能な限りその猫の“保護の経緯”もわかりやすいように付けられているのだとか。
たとえば、以前いた「ボイス」という猫は、保護を依頼した声の出ないおばあさんに「声が届くように」との思いが反映されており、保護の経緯もわかりやすい仮名となった。また「しょぼぼ」という猫は、子猫時代に風邪を引いて「しょぼくれた顔」だったために付けられた仮名。元気に成長してもしょぼくれ顔だったために仮名は引き継がれ、現在では新たな家族の元で、「しょぼぼ」の名のまま有名猫となった。
ブログには「今ではガリガリでもノミだらけでもないので、変えてもよいのですが…」と書かれているが、この仮名は意外に好評らしい。実際、譲渡会では「なぜガリ山ノミ男なんですか?」と興味を持ってくれる人も多いという。
もしかしたら、新たな家族になる人がその仮名によって、この猫の来歴を知るきっかけになるかもしれない。今度は自分の手で、つらかった過去を幸せで塗り替えようと、新たな名前を付けてくれるかもしれない。
「ガリ山ノミ男」という仮名には、大切な個体識別という用途のほかに、愛情と、こうした未来を願う気持ちが込められている。今はまだ、『ねこけん』にいる「ガリ山ノミ男」。いつかその名が目にとまり、“前髪”に魅了された人が家族となり、新しい名前を付けてくれることを願うばかりだ。
2023/08/30