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岸優太、初主演映画『Gメン』に詰め込まれた“愛され力” 瑠東東一郎監督が語る魅力【独占インタビュー】

 岸優太が初主演する映画『Gメン』が25日に公開される。岸が演じる主人公の高校生・門松勝太と問題児だらけのクラス“G組”の面々が繰り広げる青春エンターテイメント。おバカでまっすぐで熱くて、なによりも周りの人に愛されている。そんな勝太は、どこか岸自身の魅力ともリンクしているように感じる。そんな印象を裏付けるように「僕の感じる岸くんのすてきなところを詰め込んだ」という瑠東東一郎監督が、今作の撮影裏や役者・岸優太について語ってくれた。

映画『Gメン』主演の岸優太、瑠東東一郎監督のメイキング写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015

映画『Gメン』主演の岸優太、瑠東東一郎監督のメイキング写真(C)2023「Gメン」製作委員会 (C)小沢としお(秋田書店)2015

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 2014年から18年まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載された小沢としお氏の代表作を「おっさんずラブ」「極主夫道」シリーズで知られる瑠東監督が実写化。問題児ばかりが集う“G組”に転入してきた門松勝太が、クラスメイトや上級生といった仲間たちと全力で生きる姿を、ハードなアクションとアツい友情、淡い恋心といった青春をたっぷりと詰め込んでエネルギッシュに描いている。

■「やっぱり人間力がすごく高い」役者・岸優太の持つポテンシャルに感嘆

映画『Gメン』に出演する高良健吾、岸優太、瑠東東一郎監督のメイキング写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015

映画『Gメン』に出演する高良健吾、岸優太、瑠東東一郎監督のメイキング写真(C)2023「Gメン」製作委員会 (C)小沢としお(秋田書店)2015

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――この作品への参加が決まった際の印象はいかがでしたか。

2020年秋、コロナ禍という大変なタイミングでお話をいただいて。この男臭く、熱量の高い作品に魅力を感じました。お客さんが何を観たいか、何を作るべきなのかを考えたとき、おだやかな時は、みんなの想像に委ねるような、ひとつの答えを出さないみたいなゆるやかな作品が求められている気がしていました。それはそれですごく意味があることだけれど、今この時代は強い熱量や強いメッセージがあるものが響くんじゃないかな、とすごく燃えました。

――スタッフの満場一致で勝太役は岸さんに決定したとお聞きしました。

めちゃくちゃすてきなんですよ。パブリックなイメージと一緒で、表裏がない。惹きつけられる魅力があるんですよね。人たらしなのか、熱量もあって、純粋で、かわいかったです(笑)

――勝太はクセの強いG組や他の登場キャラクターたちのなかでは一番“普通”にみえますが、なぜか周りに愛されてしまうところが岸さんに共通しているようにも感じました。

そうですよね。この作品において、岸くんの魅力を勝太に詰め込むことがすごく大事な作業でした。僕の感じる岸くんのすてきなところを詰め込んだつもりなので、それがお客さんにどう映っているのか。岸くんが持つ情熱、かわいらしさ、まっすぐだからこそ、ズレちゃって面白いところとか、ピュアで感動させられるところ…。とにかく、その愚直な熱量が伝わればいいな、と思いながら撮りました。

――だからこそなのか、勝太の愛され具合にはなぜか不思議な説得力があります。

岸くんは現場でも、実際、愛されているんですよね。そこのリアルを画面に投影させることがこの映画のすごく大事なことで、そう見えてくれたら僕は一番うれしいです。実際に、岸くんはめちゃくちゃ愛されているし、嘘がない。その嘘のなさが、岸くんの最大の良さでもあり、勝太には岸くんの人間性がにじんでいると思います。岸くんは(田中)圭くんとも仲良くて。『圭さん、俺のことすきだからな〜』『うるさいな〜』と、いつも戯れあってて、実際圭くんはめっちゃ好きなんだと思います(笑)。そうやって周りの人間を巻き込んで引き込んでしまう、岸くんならではの魅力を作品に詰め込んだつもりです。

――監督として、岸さんの役者としての魅力、ポテンシャルをどう捉えましたか。

僕の場合、芝居のテクニカルな部分も当然大事ではあるのですが、より大切にしているのはその人の“人間力”を芝居で表現する事です。岸くんは荒削りだけど、積んでるエンジンが半端無い。その力は底知れないんです。だからいっぱいの人を笑わせて、いっぱいの人を感動させる事が出来る。本当に人の心が動くかどうかは、やはり表現する人が持つ“人間力”による部分が大きいんですよね。そんな岸くんのパワーが作品として表現できていればうれしいです。

――ハードなアクションシーンも見どころですが、岸さんはスタントなしで挑んだと。

身体的なセンスはすごいです。速くて美しいので、観ていてすごくワクワクするんですよね。彼の能力に合わせてアクションもどんどん進化させていきました。

――監督から岸さんに芝居をする上でなにかリクエストされた部分はあったのでしょうか。

“役を作り込み過ぎる”ことは、僕はあんまり好きじゃない。その役を通じて、その役者自身がどう感じたかなど、その人の持つ人間性を役にどう混ぜるかってことが大事だと思っています。なので、どのシーンに関しても岸くんがどう思ったかを聞いて、彼の心に、なるべく嘘がないように芝居を作っていくことを心がけました。感情や言葉、芝居にとらわれず、彼自身がどう感じて、どう震えるかをすごく大事に撮っていきました。

――ひとつひとつのシーンで会話をしながら撮影をしていったのですね。

岸くんが今何を感じているか。撮影してない合間など、いかに彼と向き合い、彼のいろんなところを汲(く)み取るように意思疎通を図ることが、今回の一番大きなテーマだったかもしれません。

■岸優太は“引っ張らない”座長 現場では一致団結「スッと真ん中にいる人」

映画『Gメン』出演の尾上松也、瑠東東一郎監督のメイキング写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015

映画『Gメン』出演の尾上松也、瑠東東一郎監督のメイキング写真(C)2023「Gメン」製作委員会 (C)小沢としお(秋田書店)2015

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――田中圭さんや、高良健吾さん、りんたろー。さんなど、あえて高校生に見えないキャストで固めたのには何か意図があるのでしょうか。

そもそも漫画作品の高校生はリアルよりもう少し大人のストーリーである事が多い気がしてまして。つまり色んな表現に対して経験値も含めてすごく大切になる。演じる人たちにある程度の説得力がないと原作の世界観は出せない。そして、このGメンではもっとぶっ飛ばしてやろうと。若い世代を演じる事ってものすごくパワーが必要なんです。若い熱を発するためにはギアを数段上げる必要があって。それがこの作品の面白さになるんじゃないかと。なので、アラフォーの田中圭にも高校生を演じていただいています(笑)。『俺これいける!?』って言ってましたが、いけるんです。高良くんはそこをむしろ楽しんでやってくれていました。そしてある意味一番カッコいい。制服姿のりんたろー。さんはみんなにタクシードライバーといじられてましたが(笑)作品のパッケージさえ上手く作れれば、ハイエイジのキャスティングは逆に武器になると思ってました。

――他にも多くの個性的なキャスト陣が集まっています。G組メンバーを演じる役者4人(竜星涼矢本悠馬森本慎太郎、りんたろー。)の魅力、光っていたところをそれぞれお聞きできればと思います。

竜星くんは岸くんのパートナーみたいな位置。最初にワークショップをやったときから、岸くんとやりたい、岸くんと組ませてほしいと高いモチベーションで。岸くんを裏で支えるような動きをしてくれていたし、それは当然、芝居にも出ている。アクションもキレているし、天然キャラという難しい役割でもきっちり笑いを取る。頼もしい存在でした。

矢本くんは、ヤンキークラスの中にいるオタクの役なので、本当だったらあのクラスの端っこにいる人。でも、いつの間にかクラスの中心にいるんですよね。どのシーンでもどんどんアドリブを仕掛けたりして、みんなの熱量を高めるような振る舞いをしてくれたので、彼によって、G組がうまく回っていった結果、中心人物になっていきました。色んなスイッチを入れてくれたのは彼です。

普段の慎太郎くんの姿は、漫画の梅田とは全然似てないんですよ。別に似せること自体は大事じゃない。梅田をどう作っていくかは自分としても難しかった。でも、衣装合わせで髪型作って、グラサンかけたら、もう梅田なんですよ。梅田がそこに居ました。どうしたら、こんなふうに作れるんだ、ってちょっと彼にゆっくり聞いてみたいですけど、ドラマでは山里さん(山里亮太)の役を演じていたし、それとも全然違うビジュアルじゃないですか。なのに、めちゃくちゃ似ている。多分特殊能力なのかな(笑)。キャラクターに寄せることができる。ただ、ものまねをしているわけではない。そこにはちゃんと森本慎太郎が乗っていて、慎太郎くんがそのキャラクターを演じることの面白さが出ている。難しい昭和のボケも情に厚い部分も、塩梅が素晴らしい。だから、笑いも感動もできる。現場では、どんなハードなシーンや撮影の合間でも、ムードメーカーで常にみんなを楽しませ、鼓舞する姿は素敵でしたね。

りんたろー。さんは、おじさんです(笑)。いや、みんなに『タクシードライバーきたで!』ってイジられて『タクシードライバーじゃね〜わ!』みたいな返しで笑わせていたり。本人は、あまりお芝居経験がないとおっしゃていたんですけど、さすが返しのセリフだったり、矢本くんとのコンビ芸だったり、りんたろー。さんに頼る部分は大きかった。薙のキャラクターはりんたろー。さんに寄せて書いてる部分もあり、伸び伸びやっていただきたかったんです。りんたろー。さんだからこその薙を、とても愛せるキャラクターに仕上げてくれました。

――そんな個性的な面々のなかで岸さんは座長としてどのように現場をけん引されていましたか。

けん引しないんですよ。それがすてきなんです。彼はスッと真ん中にいる人なんですよね。気がついたら岸くんを中心にイジってたり、愛されている感じ。緊迫しているときも、本人は意図してないと思うんですけど、とんでもないNG出してみんなを笑わせてくれたり。現場の熱を上げてくれる。でも芯の通った真っ直ぐ強い部分があって。だから、みんな岸くんを中心にまとまるんですよね。それは彼の持っている人間性だと思います。

――そんな彼らの雰囲気がにじんだエンドロールも最後まで見逃せず、とても印象的でした。

メイキング映像も入れているのですが、メイキングというよりも、G組の放課後みたいな空気の映像を選んでいて。リアルとリアリティの間みたいな。あれはG組なのか、役者本人なのか、あえてわからないようにしています。完全なオフではないんですよね。映画のあとも彼らはこの世界線でずっと生きていくんだろうな、という想像に繋がってほしくて。そんな想いを込めたエンドロールを作りました。

関連写真

  • 映画『Gメン』主演の岸優太、瑠東東一郎監督のメイキング写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015
  • 映画『Gメン』出演の尾上松也、瑠東東一郎監督のメイキング写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015
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  • 映画『Gメン』に出演する、瑠東東一郎監督のメイキング写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015
  • 映画『Gメン』場面写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015
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  • 『Gメン』サブ7
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  • 映画『Gメン』場面写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015
  • 映画『Gメン』場面写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015
  • 映画『Gメン』場面写真(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015
  • 映画『Gメン』ポスタービジュアル(C)2023「Gメン」製作委員会  (C)小沢としお(秋田書店)2015
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