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【FNS27時間テレビ総括】松本VS大悟、火薬田ドンの狂気、ほいけんた「くるっくぅ」…笑いにまみれた舞台裏

 千鳥大悟ノブ)、かまいたち山内健司濱家隆一)、ダイアンユースケ津田篤宏)の3組が総合司会を務める、フジテレビ系超大型特番『FNS27時間テレビ』が、22日・23日の2日間にわたって放送され、大団円を迎えた。SNSなどでの反響、視聴率など、さまざまな好評が伝えられる中、成功の秘けつはどこにあったのかを振り返ってもらうべく、同特番の総合演出・プロデュースを担当し、『千鳥の鬼レンチャン』を手がける武田誠司氏に話を聞いた。

『FNS27時間テレビ』より

『FNS27時間テレビ』より

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■破壊力抜群の華原朋美丘みどりタッグ 今回も健在だったほいけんた

 オープニングは「テレビが一番元気だった時代をけん引してきた」と豪語する、伝説のTVプロデューサー・唐沢佐吉(秋山竜次)が、PRIDEのレニー・ハートよろしく、大声で出演者を呼び込むという演出だった。「唐沢プロデューサーは古いテレビマンキャラなので、冒頭のPRIDE演出然り、『オレたちひょうきん族』のオープニング(歌劇「ウィリアム・テル」序曲第4部「スイス軍隊の行進(終曲)」)、映画『ミッション・インポッシブル』と、古くて誰もが知ってる曲を使いました。今回掲げた『世代交代』『27時間テレビを塗りかえろ』というテーマをMC本人達が自ら口にするのは照れがあるので、その語り部として唐沢プロデューサーがとても重要な役割を果たしてくれました」。

 MC6人がオープニングからフルスロットルで笑いを生みながら27時間テレビの幕開けを宣言する中、冒頭は『FNSスゴ技鬼レンチャン』。FNS27局の代表が生中継でスゴ技に挑戦し“技の成功”を繋いで27レンチャンを目指す…というものだった。2度目の挑戦で、大トリのダイアン津田が難易度の高いけん玉の技を決めて幸先のいいスタートを切った。「正直、オープニングで27レンチャンできるとは思ってませんでした。失敗した場合は、翌朝の『めざましテレビ』で各局に再度スタンバイしてもらってリベンジ…という想定をしてましたから。系列局の皆様がかなり時間をかけてネタ探しをしてくださって。アナウンサーのフリコメントからカメラアングルまで、当麻D、角山D、石川(隼)Dの要望に本番直前まで付き合っていただいて感謝しております。『このFNS中継こそが27時間テレビなんだよ』と社内からも喜びの声が多く寄せられました」。※角山D=新春爆笑ヒットパレードで世界の年またぎを次々に中継。「中継の神」と呼ばれている。

 通し企画『100kmサバイバルマラソン』スタートを挟んで、この『27時間テレビ』での大きな軸のひとつでもある『千鳥の鬼レンチャン〜サビだけカラオケ タッグモード大会〜』が幕開け。名曲のサビだけを一音たりとも外すことなく10曲連続で歌い切れたら賞金獲得できる、『鬼レンチャン』の人気企画「サビだけカラオケ」のスペシャル版「タッグモード大会」では、トップバッターの華原朋美&丘みどりが躍動した。『鬼レンチャン』内で、2人はかまいたちからの酷評をバネに成功に挑むという物語ができており、それゆえにこのタッグは必須だった。

「華原さんと丘さんは『千鳥の鬼レンチャン』をとても愛してくださっていて。事前練習もかなりの気合いで臨まれていたと聞いてます。『この大舞台で絶対に鬼レンチャンを達成したい』『かまいたちの2人を見返したい』という“本気”があの結果につながったと思いますし、達成後にお2人が号泣される姿は視聴者の心を打ったと思います。山内さんのラップ、かまいたちさんのレオタード朋ちゃんダンスも、生放送のスタジオとしてとても良いアクトになりました」

 そして、今回の『27時間テレビ』で大暴れしたのがほいけんた。元々は明石家さんまのものまねで人気を博してきたほいだが、『鬼レンチャン』では千鳥&かまいたちのVTR越しの“ツッコミ”で新たなキャラクターが開花。音程の変更、歌詞の改ざん(?)など、反則スレスレでレンチャンを重ねていく姿に、視聴者も笑わずにはいられない状態が続いていた。そんな期待を今回も見事に超えてきて、名曲「君は薔薇より美しい」で「変わったー」の部分を、高音が苦手なほいが「くるっくぅ」で乗り切る様子に大きな反響が寄せられた。

「反響が大きくて喜ばしい限りです。これまでの『鬼レンチャン』で、ほいけんたさんの何も取り繕っていない姿を千鳥さんかまいたちさんに見てもらって、ワイプいじり・スタジオトークによってさまざまな物語が生まれて…いつの間にか人気者になって。番組を立ち上げた2020年10月から約3年が経ちますが、まさかほいけんたさんが27時間テレビのキーパーソンになるとは。改めて、千鳥さんかまいたちさんのプロデュース力は心底すごいなと思いましたし、その場に立ち会えて光栄です」

(左から)濱家隆一、生田絵梨花 (C)ORICON NewS inc.

(左から)濱家隆一、生田絵梨花 (C)ORICON NewS inc.

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■濱家&生田「ビートDEトーヒ」にほんこん 火薬田ドンの狂気も

 ホームである『鬼レンチャン』企画で盛り上がった後には『チームDEファイト』。1990年代、日曜よる8時に放送されていた伝説の番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』から松本人志今田耕司東野幸治板尾創路、ほんこん、木村祐一の6人が登場し、MC陣とチーム戦で大いに盛り上がった。「準備期間が限られていた中、日置D、北山D、宮川Dが頑張ってくれて。松本さんと大悟さんのあっち向いてバズーカであったり、冒頭でユースケさんがほんこんさんに物申したり…松本さん世代と千鳥さん世代の“笑いの競演”はとても見応えがありました。スタジオの隅にOAモニターがあったんですが、制作から美術スタッフまで何十人もの人間が食い入るように見てました」。

 『チームDEファイト』終盤には、生田絵梨花が司会を務めるNHK総合テレビの音楽番組『Venue101』とのコラボ生放送で、濱家&生田のダンスボーカルユニット“ハマいく”による生「ビートDEトーヒ」も実現。これまで『鬼レンチャン』で散々イジってきた「ビートDEトーヒ」が、MC陣、そして『ほぼごっつ』チームが見守る中で披露されることになった。

「昨年末から約半年間、『鬼レンチャン』でずっとイジらせてもらった「ビートDEトーヒ」が27時間テレビという大舞台で、NHKさんとの2元中継で、しかも松本さんの目の前で披露されるなんて感無量でした。あの2元中継が無ければ、濱家さんは『チームDEファイト』に出演できなかったので。実現させてくれたNHKさん、そして松本さんをはじめとするほぼごっつの方々には感謝しかありません。ほんこんさんが駆り出されてキーボードを担当する様は最高でした」

 『ラブメイト10』のコーナー中には『27時間テレビ』の名物キャラ・火薬田ドン(ビートたけし)も大復活し、弟子の火薬田小ドン(劇団ひとり)に人間水車をしかけるシーンで笑いを誘った。「27時間テレビを塗りかえるというテーマの中で、火薬田ドンの歴史にはなかった“何か”を生み出したかったので、たけしさんにご相談して劇団ひとりさんを弟子にして頂きました。実際は、三宅恵介さんと北山が全てやってくれたんですが、来年以降に繋がる“変化”を生めたと思います」。

 『ラブメイト10』の後に放送された『真夜中のお笑いレンチャン』でも笑いが止まらなかった。“令和最強”のお笑い芸人が一堂に会し、“千鳥軍”と“かまいたち軍”に分かれてお笑い対決を行い、「WBC(=笑いが・バカスカ・クラシック)」と題し、本家の「WBC」にならって、全員、野球のユニフォームを着て、さまざまな笑いの競技で対決する。競技の審判は、進行役兼“お笑いレフェリー”の麒麟川島明が担当した。

「ド深夜にふさわしくカオスでしたね。あの血気盛んな大勢の芸人さん達を見事に仕切った川島さんはお見事の一言でした。僕はあの手の“お笑い企画”には向いてない人間ですし、担当の中川Dは10を言ってやっと1聞いてくれる頼りがいのある後輩なので、『鬼レンチャンベースだからレンチャンシステムは入れてね』とお願いしたくらいでした。『ドッキリGP』『オムニバスGP』で日々笑いの研鑽を積んでいる中川が作る27時間テレビも見てみたいですよね」

千鳥(左から)大悟、ノブ (C)ORICON NewS inc.

千鳥(左から)大悟、ノブ (C)ORICON NewS inc.

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■明け方からの流れは若年層を意識

 明け方は『めざましテレビ』。『27時間テレビ』スペシャル版として、MC3組のブレイクまでの軌跡をココ調が総力取材を行った。「まずは『めざましテレビ』チームに感謝です。MC6人がbaseよしもと時代から一緒に戦ってきた笑い飯さん、ノンスタイルさん、ビタミンSお兄ちゃん、ヘッドライト町田さんらの証言をもとに“総合司会までいかに這い上がってきたか”彼らのルーツを追跡してくれたことでフィナーレに向けての良いフリになりました」。

 その後は、かまいたち&チョコレートプラネットがさまざまなイタズラを仕掛けられる旅番組『イタズラジャーニー』、FNS系列27局の代表者27人に、総合MCを務める千鳥、かまいたち、ダイアンの3組6人も加わり、『逃走中』史上最多となる総勢33人の逃走者による『27時間テレビ』オリジナルの特別ゲーム「FNS逃走中」へと流れていき、若い世代の関心をしっかりとつかんだ。「27時間テレビが国民の風物詩として完全に認知されていた昔であれば、朝からこんなガチガチの構成にしてなかったと思います。どこか緩くというか。今回はオールバラエティーとしては7年ぶりの放送だったので、『逃走中』『歌謡祭』と手堅い流れを作りました。伏兵『イタズラジャーニー』も視聴率をかなり上げてましたね。予想外の大健闘でした」。

■マラソン後も熱狂の展開 「残せる企画」「引き継げる縦軸」を意識

 『FNS鬼レンチャン歌謡祭』中には、『100kmサバイバルマラソン』のゴールを迎えて、スタートから約16時間半でハリー杉山がトップに輝き、優勝賞金1000万円を獲得。ハリーは優勝後、ペースメーカーがついている97キロまでは「ワンチームで挑んでいた」と語っていたが、武田氏も納得する。「放送には映っていないですけど、サブには映像が流れていて。ハリーさんは事あるごとに他のランナーをケアしてました。そして最後にぶっちぎると(笑)。でも、ワンチームじゃないと走れなかったというのは本当だと思います」。

 井上咲楽山本賢太アナの完走も話題を呼んだ。「僕は個人的に井上さんを応援していました。中継連絡のトラブルもあって、競技場に入ってからのラストランを映す尺が短くなってしまいましたが、8月20日の『鬼レンチャン』完全版でたっぷり放送する予定です」。

 その後、『ナゾトレ川柳』『有吉ダマせたら10万円』『ドッキリGP』で名だたる先輩たちとの戦いを終えて、再びホームへ。『鬼レンチャン』の人気企画で、挑戦者12人が一斉に400mを走り、最下位のみが脱落していくサバイバルレース「400m走サバイバルレンチャン」を開催した。過去に2度にわたって王者となっている大久保嘉人、優勝まであと一歩のところで届かないおばたのお兄さん、何もしゃべらずに千鳥・かまいたちからツッコまれる石橋遼大(四千頭身)、勝つためにズルも辞さない森脇健児など、役者はそろっており、天候にも恵まれた。

 「おばたのお兄さんや森脇健児さんにはもちろん感謝してますし彼らがいなければあの盛り上がりはありませんでしたが、鳥谷さん・駒野さんが滅茶苦茶カッコ良かったです。アスリートの方がスイッチを入れた時の顔はやはり違うなと。ぜひともまた出て頂きたいです。あと、四千頭身・石橋さんの『足がつらないポテサラ』発言には笑いました。

 レース場でリポートなども含め、大活躍だった伊藤利尋アナへの感謝も忘れない。「サブから中継先に指示を出しながら進めてましたが、伊藤アナは天才なので全く心配してませんでした。『TEPPEN』で一度生放送をやった時も、本来なら僕が次の展開の指示を伊藤アナに出す場面で『残り時間はこうだから、こうした方がいいよね?』と伊藤さんから提案してくださって。いつも本当に助けてもらっています」。

『FNS27時間テレビ』ポスタービジュアル(C)フジテレビ

『FNS27時間テレビ』ポスタービジュアル(C)フジテレビ

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MC陣はもちろん、アナウンサーのバトンを渡す場でもある。「伊藤さん、佐野さん以来、バラエティーであそこまで立ち振る舞えるアナウンサーはなかなか出てきてませんが、今回は『チームDEファイト』で榎並と小室、マラソンは倉田があそこまでやってくれて。通しの進行アナ永島と井上も頑張ってくれました。永島は、『時代』の間奏部分に僕が入れた『MC陣の奮闘』『フジテレビの決意表明』の口上を素晴らしいテンポ・声色で述べてくれて。フィナーレのドタバタの中であの落ち着きは見事です。井上は今回が初の27時間テレビでしたが、普段とは違う声の張り・ノリで現場の空気を作ってくれてましたね。グランドフィナーレのけん玉ではアドリブで津田さんを煽ってましたし。『時代』のときに号泣してたので映してあげれば良かったなと少し後悔してます。27時間テレビという番組は、制作者はもちろんアナウンサーから技術美術まであらゆる部署の人間を成長させてくれる、フジテレビにとって大事なイベントなんだなと改めて実感しています」。

 『大縄レンチャン』を終えて、千鳥・かまいたち・ダイアンによる生漫才『千鳥・かまいたち・ダイアン 耐久フィナーレ漫才』へ。これまで走り抜けてきた疲れも感じさせず、3組が渾身の漫才で沸かせ、ダイアンが残り5分を残して大トリの千鳥にバトンを渡す。漫才残り時間0分となったところで、大悟がかまいたちとダイアンを呼び込み、最後は津田の代名詞「ゴイゴイスー!」で締めくくった。誰も読めない展開だったが、見事な締めくくりだった。

 「実は『漫才のタイムカウントが0分になったら、15秒以内には強引に締めるだろうな』と尺読みしてまして。そしたら、カウントが0分になってから、千鳥さんがかまいたちさんとダイアンさんを呼び込む…という展開に。正直、焦りましたね。『グランドフィナーレの尺が足りない…』と。漫才後のCM中に、フィナーレの原稿手直しを永島にインカムで伝えつつ、津田さんのお母様の呼び込みを唐沢プロデューサーに大巻きしてもらって…。僕の生放送の経験不足が露呈しました。でも、結果的には漫才が押したことで、てんやわんやの中で終われてすごく良かったなと」。

 最後に、武田氏に「現時点で、27時間テレビのレンチャンはどうでしょう?」と無礼を承知で向けると、すぐさま返答があった。「僕が作るとまた同じモノになってしまうのでやらないです。今回担当するにあたり、来年以降後輩が少しでも構成を立てやすいように『残せる企画』『引き継げる縦軸』を意識しながら進めてきました。また、総合演出・プロデュースの肩書きでやらせていただきましたが、内情はそれぞれの担当Dのまとめ役です。ちなみに、今回の本部Dは中川、登内、千葉でした。『千鳥の鬼レンチャン』の千葉D、『チームDEファイト』の日置D、『FNS歌謡祭』の浜崎D、『真夜中のお笑いレンチャン』『ドッキリGP』の中川Dをはじめ、それぞれが27時間テレビという生放送にうまくギアを合わせてくれました。4年ぶりの開催ということもあり、『27時間テレビに携われてうれしかったです』という声も多くの後輩から寄せられましたので、来年は支える側に回りたいと思います」。
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  • 『FNS27時間テレビ』より
  • 『FNS27時間テレビ』ポスタービジュアル(C)フジテレビ
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  • 千鳥(左から)大悟、ノブ (C)ORICON NewS inc.

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