大きなギョロ目にタラコ唇のヘの字口、しかもモチーフは半魚人…(モデルがいるらしい)。そんな個性的なキャラクター・ハンギョドンが、近年になって見事に返り咲いている。38年も前の昭和の時代にデビューし、不遇の時代も長かった“彼”は今、なぜかZ世代など若年層にウケているという。サンリオも首をかしげる、謎の好調の理由とは?
■「推しに似てる!」と話題も…モデルはある人物の“自画像”?
ハンギョドンとは、1985年にデビューした半魚人をモチーフとしたキャラクター。近年はソロではもちろん、80〜90年代にデビューした男の子キャラクターで結成されたユニット・はぴだんぶいでも活躍中だ。
そのハンギョドンにハマる人が、近年続出しているという。昨年の『サンリオキャラクター大賞』では8位と、実に34年ぶりにTOP10入り。今年は7位とさらなるジャンプアップを果たした。見た目はいわゆるブサカワの部類であり、王道のカワイイ成分は少ない。それだけに人気の理由については現デザイナーである原田香さんも「正直、わからないんです」と首をかしげる。
もちろん推察できる要素はいくつかあり、「○○に似ている」という声が非常に多いのがハンギョドンの特徴だ。ネットやSNSでも、多くのそのような声が上がっている。推しの著名人に似ている=親近感を抱く、という構図もあるのかもしれない。
実在の人物を想起させやすいのは、半魚人=半分ヒトだからだろうか。とはいえ、その他のサンリオのヒト型キャラクター(リトルツインスターズやゴロピカドン、パティ&ジミーなど)について、「○○に似ているから好き」という声はあまり見受けられない。なぜハンギョドンだけ…?
「実はハンギョドンにはモデルがいるんです。初代デザイナーが自画像を元にされたそうです。リアルな人物がモデルのキャラクターは、サンリオでも珍しいケースかもしれません」(原田さん)
デビュー当時は、“カワイイ”とは別カテゴリーの“面白系”として生み出されたというハンギョドン。
「カワイイキャラクターを持つのに気後してしまう小学生男子が、『何これ面白い』と手に取ってくれることを目指した、ちょっとウケ狙い的なグッズが多かったですね。当時はけろけろけろっぴも同カテゴリーのキャラクターでした」(マーケティング担当・川崎真子さん)
とはいえ、サンリオの王道はやはり“カワイイ”である。デビュー当初は飛び道具的な人気を博するものの、以降はずっと下降線を辿っており、キャラクター大賞でも長らく圏外に収まっていた。
不遇を脱したきっかけは、昨今の昭和レトロブームだった。長らくグッズも減っていたが、2018年に雑貨ストアのITS'DEMO(イッツデモ)でコラボ商品を展開したところ、そのインパクトのある存在感が若い女性たちの目を釘付けにしたようだ。
「中でも影響が大きかったのが、人気YouTuberのまあたそさんが動画で取り上げてくださったことでした。Z世代の方々の中には『たしかお母さんが持っていたような…』という方もいましたが、初めて見た方が圧倒的に多く、『サンリオにこんな子がいたとは!』と新鮮な驚きを感じていただけたようです。またミントグリーンとピンクというカラーリングがオシャレ、という声も。デビュー当時の面白系ポジションとはまったく違う受け止められ方でしたね」(川崎さん)
■Z世代求める“王道じゃない何か”、サンリオに足りなかったブサカワ成分を発揮
近年は、ヴィレッジヴァンガードをはじめ、Z世代をターゲットにしたドンキホーテの新業態「キラキラドンキ」といったショップが特設コーナーで大展開することも増えているハンギョドン。人気者に返り咲いたとはいえ、どこかサブカルっぽいその立ち位置は、他のサンリオキャラクターとは一線を画する。
「女子高生たちがよく持っている黒いリュックがありますが、あれにハンギョドンのマスコットをぶら下げているのを見て、差別化を図っているのかなと思いました。思春期の頃って、“人とは違う自分”を演出したくなる時期がありますよね。最初にサブカルにハマるのもその時期。ハンギョドンが若い世代に人気なのも、いわゆる“王道のカワイイじゃない何か”を求めていた年頃にフィットした方が多かったのかな? と、さまざまな展開を見て推測することがあります」(川崎さん)
最近では、SNSから生まれた「おぱんちゅうさぎ」というキャラクターもZ世代に人気だが、こちらもいわゆる“王道”からはだいぶかけ離れている。造形はもちろんだが、“かわいそうでカワイイ”という特殊な立ち位置だ。このように、王道から少し外れた個性的なキャラクターが人気を得ると、よりファンの熱量も高まるようだ。
サンリオに足りなかったブサカワという成分を存分に発揮しつつ、ギャグを言ったり、クセになる動きでファンのハートを射抜き、見事返り咲きを果たしたハンギョドン。その人気の理由をいろいろ探ってはみたものの、担当デザイナーの原田さんは「とはいえ、『〜だから人気』という明確な決め手には欠けるところが…」と不思議顔だ。
「むしろハンギョドンには、『ジワジワ来る』的な魅力があるのかなと個人的には感じていますね。基本的に無表情なので、哀愁を漂わせることもできるし、オモシロに振ることもできて、だけど何を考えてるのかよくわからない。ひと言では言い表せない奥行きが彼の魅力なのかなと思います」(原田さん)
ちなみに、見取り図・盛山晋太郎もファンを公言しており、「こんなヒゲ面の長髪のオッサンが笑顔になる」とハンギョドン愛を語っている。Z世代や女子高生などに人気なのはもちろん、変わらず男性の心もつかんでいるようだ。
「しゃべれて動けてポテンシャルが高いキャラクターではあります。ただ、なぜここまで人気なのかはやっぱり謎ですね(笑)。でも、ハンギョドンには謎のままでいてほしいという気持ちもあります。こちらから『こんな子なんです。いいでしょ!』と押し付けるよりも、ファンの方それぞれに魅力を発見してもらえたらうれしいですね」(原田さん)
(C)2023 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ
■「推しに似てる!」と話題も…モデルはある人物の“自画像”?
ハンギョドンとは、1985年にデビューした半魚人をモチーフとしたキャラクター。近年はソロではもちろん、80〜90年代にデビューした男の子キャラクターで結成されたユニット・はぴだんぶいでも活躍中だ。
そのハンギョドンにハマる人が、近年続出しているという。昨年の『サンリオキャラクター大賞』では8位と、実に34年ぶりにTOP10入り。今年は7位とさらなるジャンプアップを果たした。見た目はいわゆるブサカワの部類であり、王道のカワイイ成分は少ない。それだけに人気の理由については現デザイナーである原田香さんも「正直、わからないんです」と首をかしげる。
もちろん推察できる要素はいくつかあり、「○○に似ている」という声が非常に多いのがハンギョドンの特徴だ。ネットやSNSでも、多くのそのような声が上がっている。推しの著名人に似ている=親近感を抱く、という構図もあるのかもしれない。
実在の人物を想起させやすいのは、半魚人=半分ヒトだからだろうか。とはいえ、その他のサンリオのヒト型キャラクター(リトルツインスターズやゴロピカドン、パティ&ジミーなど)について、「○○に似ているから好き」という声はあまり見受けられない。なぜハンギョドンだけ…?
「実はハンギョドンにはモデルがいるんです。初代デザイナーが自画像を元にされたそうです。リアルな人物がモデルのキャラクターは、サンリオでも珍しいケースかもしれません」(原田さん)
「カワイイキャラクターを持つのに気後してしまう小学生男子が、『何これ面白い』と手に取ってくれることを目指した、ちょっとウケ狙い的なグッズが多かったですね。当時はけろけろけろっぴも同カテゴリーのキャラクターでした」(マーケティング担当・川崎真子さん)
とはいえ、サンリオの王道はやはり“カワイイ”である。デビュー当初は飛び道具的な人気を博するものの、以降はずっと下降線を辿っており、キャラクター大賞でも長らく圏外に収まっていた。
不遇を脱したきっかけは、昨今の昭和レトロブームだった。長らくグッズも減っていたが、2018年に雑貨ストアのITS'DEMO(イッツデモ)でコラボ商品を展開したところ、そのインパクトのある存在感が若い女性たちの目を釘付けにしたようだ。
「中でも影響が大きかったのが、人気YouTuberのまあたそさんが動画で取り上げてくださったことでした。Z世代の方々の中には『たしかお母さんが持っていたような…』という方もいましたが、初めて見た方が圧倒的に多く、『サンリオにこんな子がいたとは!』と新鮮な驚きを感じていただけたようです。またミントグリーンとピンクというカラーリングがオシャレ、という声も。デビュー当時の面白系ポジションとはまったく違う受け止められ方でしたね」(川崎さん)
■Z世代求める“王道じゃない何か”、サンリオに足りなかったブサカワ成分を発揮
近年は、ヴィレッジヴァンガードをはじめ、Z世代をターゲットにしたドンキホーテの新業態「キラキラドンキ」といったショップが特設コーナーで大展開することも増えているハンギョドン。人気者に返り咲いたとはいえ、どこかサブカルっぽいその立ち位置は、他のサンリオキャラクターとは一線を画する。
「女子高生たちがよく持っている黒いリュックがありますが、あれにハンギョドンのマスコットをぶら下げているのを見て、差別化を図っているのかなと思いました。思春期の頃って、“人とは違う自分”を演出したくなる時期がありますよね。最初にサブカルにハマるのもその時期。ハンギョドンが若い世代に人気なのも、いわゆる“王道のカワイイじゃない何か”を求めていた年頃にフィットした方が多かったのかな? と、さまざまな展開を見て推測することがあります」(川崎さん)
最近では、SNSから生まれた「おぱんちゅうさぎ」というキャラクターもZ世代に人気だが、こちらもいわゆる“王道”からはだいぶかけ離れている。造形はもちろんだが、“かわいそうでカワイイ”という特殊な立ち位置だ。このように、王道から少し外れた個性的なキャラクターが人気を得ると、よりファンの熱量も高まるようだ。
サンリオに足りなかったブサカワという成分を存分に発揮しつつ、ギャグを言ったり、クセになる動きでファンのハートを射抜き、見事返り咲きを果たしたハンギョドン。その人気の理由をいろいろ探ってはみたものの、担当デザイナーの原田さんは「とはいえ、『〜だから人気』という明確な決め手には欠けるところが…」と不思議顔だ。
「むしろハンギョドンには、『ジワジワ来る』的な魅力があるのかなと個人的には感じていますね。基本的に無表情なので、哀愁を漂わせることもできるし、オモシロに振ることもできて、だけど何を考えてるのかよくわからない。ひと言では言い表せない奥行きが彼の魅力なのかなと思います」(原田さん)
ちなみに、見取り図・盛山晋太郎もファンを公言しており、「こんなヒゲ面の長髪のオッサンが笑顔になる」とハンギョドン愛を語っている。Z世代や女子高生などに人気なのはもちろん、変わらず男性の心もつかんでいるようだ。
「しゃべれて動けてポテンシャルが高いキャラクターではあります。ただ、なぜここまで人気なのかはやっぱり謎ですね(笑)。でも、ハンギョドンには謎のままでいてほしいという気持ちもあります。こちらから『こんな子なんです。いいでしょ!』と押し付けるよりも、ファンの方それぞれに魅力を発見してもらえたらうれしいですね」(原田さん)
(C)2023 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ
2023/07/31