フジテレビの7月期“水10”ドラマ『ばらかもん』（7月12日スタート、毎週水曜 後10：00※初回は15分拡大）で主演を務める俳優の杉野遥亮（27）がこのほど、同ドラマの取材会に出席し、ゴールデン・プライム（GP）帯連続ドラマ初主演となる本作への意気込みや、自身が演じる役への思いを率直に語った。

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　同作は、日本一美しい海を擁するとも言われる長崎・五島列島を舞台に、書道だけを支えに孤高に生きてきた都会育ちの青年書道家・半田清舟（はんだ・せいしゅう／杉野）が、五島列島で出会った島民たちとの交流を通じ、書道家として、そして人間としても成長していくハートフル“島”コメディー。『ばらかもん』とは、五島列島の方言で“元気者”を意味する。

　数々の映画やドラマに出演している杉野だが、意外にも本作がGP帯連続ドラマ初主演となる。杉野は、オファーを受けた時を振り返り「うれしかったです」とにっこり。企画書を見て「あ、これ参加したいな」と直感で出演を決断したという。

　これまで役柄や番手をあまり意識せず、今回の“GP帯主演”もはじめは意識していなかった。しかし、作品に携わり「いろんな人からこの作品をいいものにしようっていう思いを受け取っていく中で、自分も演者として一番多く関わる分、重さとかプレッシャー、不安は意外とついこの間までありました」と本音を明かす。

　杉野が演じる清舟は、書道界の家元の後継ぎで、若き新鋭として名を馳（は）せ、世間にもてはやされてきたプライドの高い青年。だが、ある挫折をきっかけに、海に囲まれた日本西端の島である長崎県の五島列島で一人暮らしを始めることになる。

　書の修行をするため、静かな1人きりの時間を過ごせるかと思いきや、近所の小学生・琴石なる（こといし・なる／宮崎莉里沙）をはじめ、勝手に家に上がり込んでくる個性豊かで自由奔放な島民たちとの人付き合いや慣れない“田舎”での一人暮らしに翻弄（ほんろう）される毎日。島での生活や独特の慣習にしばしば戸惑うが、その度に島民たちに助けられ、励まされ、さまざまなトラブルに巻き込まれながらも少しずつ成長し、新たな書の境地を拓いていく。

　そんな清舟のキャラクターについて、杉野は「素直な人だと思います。プライドを持ってやることをやっている。正直だから魅力的に映るんじゃないでしょうか。演じていてたのしいです」と印象を語る。

　書道は小学校の書き初めなどで経験した程度と言うが、本作で再び筆を握ることになり「すごい新鮮」と目を輝かせる。撮影を通じ改めて書道を習うことで「『想像していた以上に書の世界は広いな』と感じたし、台本を読んで『この人はこういうふうに戦っているんだ』っていうのが、同じ“何かを表現する身”として理解できることはあった」と明かす。だからこそ「俳優という職業も芸術だと思うんですけど、清舟と分かり合えるところはちゃんと表現してお伝えしていきたい」と決意をにじませる。

　作品にちなみ「ドラマへの意気込みを一言で書にしたためるとしたら」という質問には「熱」と回答。「熱っていうのは、いいものを作りたいとか、純粋なものをお届けしたいとか、できるだけ見ていただける方々に活力になったり、エネルギーを与えられる作品を作りたい。皆さんが見ていただける時間帯だからそういうことができたり、そういう熱量が自分の中にあります。それを伝えていきたい」と真意を明かす。

　一方で、本作には「癒やし」の側面もあるとし「いろんな魅力が詰まっていると思います。（ロケが行われた）五島列島の美しい風景以外にも、清舟が人として成長していく過程が見られます。島の人と心と心で通じ合って、『ごめんなさい』って言えることとか。『ごめんなさい』って言える人間になるためにすごく時間がかかる人なんです。そこにいきつくまでのストーリーがちゃんとあって、それが繊細に描かれている」と見どころを紹介。

　「毎日忙しくしている人、情報に埋もれている人がドラマを見て自分自身に立ち返れる。皆さんが元気になるものをお届けできるんじゃないかなと思っています。週の真ん中で癒やされてもらえれば」と呼びかけた。