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唐田えりか、「能動的になってきました」俳優業への向き合い方の変化を明かす

 「以前から心に渦巻いているものはありましたが、今は自分の思いをまっすぐ出せたり、能動的にお芝居に向き合えるようになってきました」と自身の変化を語った俳優・唐田えりか。オムニバス映画『無情の世界』では、エキセントリックで得体のしれない女性・ユイを好演し、存在感を示している――。(取材・文:磯部正和)

俳優業への向き合い方の変化を語った唐田えりか (C)ORICON NewS inc.

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■現場では能動的にチャレンジを

 唐田は3篇のオムニバスの1本「真夜中のキッス」で、ほぼバックヤードが描かれていないなか、謎めいた女性を奥行きある芝居で表現した。

 「台本の文字面だけを読むと、ちょっとサイコパス的な感じがうかがえるのですが、ふとした瞬間にチャーミングで小悪魔的なしぐさもあるので、その遊びの部分みたいなものを、相手との芝居でどこまで出せるか…、ということは意識して臨みました」。

 メガホンをとった佐向大監督は、しっかりとした画のイメージや演出の方向性を提示してくれつつも、現場で生まれたものもすくい上げてくれる監督だったという。

 「以前は、現場でこういうことをしてみたらどうだろう…、みたいなことを思いついたり、心に渦巻いているものがあったりしても、自信も余裕もなかったので発言することはなかったのですが、この撮影は皆さんがアイデアを監督に提案するような現場だったので、便乗して…、というわけではないのですが、私もこの役として何ができるのだろかと考えることが多かったですし、遊ぶといういい方が正しいか分かりませんが、ちょっとチャレンジしてみました。だいぶ能動的にお芝居に取り組むことができた現場でした」。

■小説を読みレポートを書くことで視野が広がった

俳優業への向き合い方の変化を語った唐田えりか (C)ORICON NewS inc.

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 モデルに憧れて芸能界に入った唐田にとって、デビュー当初は、演技をすることに積極的になれなかったという。

 「10代のころはやっぱりお芝居に向いていないな……と自分で思っていました。はっきり楽しいとも言えなかった思えなかったし、やめた方がいいのかな……とも思っていました。それでも作品を重ねるごとに“分からない”という未知の不安が、“知りたい”と変換されていったんです」。

 少しずつ演じることに対して気持ちが変化していったという唐田。それでもまだ「楽しめる」という部分には到達していなかった。そんななか、休養を挟み2022年11月に公開された主演映画『の方へ、流れる』の現場で、役を作りこまずその場で湧き出た感情を大切にする芝居で、一つ新たな視点が生まれた。そして今作で、さらに“遊ぶ”ことでさらに視界が広がった。

 「お休みをしていたときに、周囲の勧めで小説をたくさん読んで、この小説は何を伝えたかったのかとか、自分であらすじや相関図を作ったりしてレポートを書くという作業をずっとやっていたんです。そうすることによって、キャラクターのことを深く考えるようになりましたし、映像にしたらどう見せるといいのだろう…、という視点も自然と身についたような気がします。そのことによって、自分が演じるキャラクターもどのように表現したら魅力的に映るかとか、どうやったら作品にプラスになるか…、などより深く考えるようになりました」。

■自分と一緒に歩いてくださっているんだという思いに責任を持って…

 「休養期間がなかったら、いまのお芝居への気持ちにはつながってないと思います」と語った唐田。『の方へ、流れる』の舞台あいさつでは、感極まって涙を流す場面も見られた。「今でも自分がこの世界にいてもいいのかなとか、芝居をしていていいのかなという思いはあります。でも周囲で支えていただいている方も覚悟して自分と一緒に歩んでくださっているんだという思いを感じていたので、私も責任を持って進まなければいけないと思ってあの場に立たせていただきました。正直、あそこに立つまではすごく怖かったです」。

 2023年は、3月に公開された『死体の人』、そして本作、第18回大阪アジアン映画祭でJAPAN CUTS Awardに輝いた石橋夕帆監督の『朝がくるとむなしくなる』にも出演している。これからも「いろいろな現場でいろいろな役に出会いたいです」と語ると、本作について「3本のオムニバス作品ですが、どれも遊び心があって不思議な世界観です。それでいて、どこか癒しがある作品だと思います」とアピールしてくれた。

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  • 俳優業への向き合い方の変化を語った唐田えりか (C)ORICON NewS inc.
  • 3つの短編作品で構成されたオムニバス映画『無情の世界』(C)2023「無情の世界」G-STAR.PRO
  • 俳優業への向き合い方の変化を語った唐田えりか (C)ORICON NewS inc.
  • 俳優業への向き合い方の変化を語った唐田えりか (C)ORICON NewS inc.

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