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菊地凛子が最優秀女優賞、熊切和嘉監督『658km、陽子の旅』上海国際映画祭で3冠の快挙

 俳優の菊地凛子が主演を務めた熊切和嘉監督の映画『658km、陽子の旅』が、中国で開催された「第25回上海国際映画祭」で最優秀作品賞、最優秀女優賞、最優秀脚本賞の3冠に輝く快挙を成し遂げた。

「第25回上海国際映画祭」3冠を獲得した『658km、陽子の旅』(左から)菊地凛子、熊切和嘉監督、脚本の室井孝介

「第25回上海国際映画祭」3冠を獲得した『658km、陽子の旅』(左から)菊地凛子、熊切和嘉監督、脚本の室井孝介

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 コンペティション部門の授賞式は、現地時間17日夜に行われた。まず、最優秀脚本賞を受賞してステージに登壇した室井孝介は「私は映画祭の経験というのがないものですから、このような華やかな場は夢のような場所です。この場にお呼びいただき、大変光栄ですし、賞をいただけると思っていなかったので、本当にうれしいです。ありがとうございました」と、喜びを語った。

 妻と共同のペンネーム「浪子想」で共同脚本を担当した熊切監督は、「このような素晴らしい賞をいただきまして、大変光栄に思います。浪子想と言いますのは、私、熊切和嘉と妻の熊切智子の共同のペンネームでして、今回もちろん室井さんの脚本が素晴らしかったのですが、そこからさらに妻の力で、主人公の女性を深く掘り下げて描けたのかなと思っています。妻にこの場を借りて、感謝をしたいと思います。ありがとう ございます」と、感謝を伝えた。

「第25回上海国際映画祭」授賞式の模様

「第25回上海国際映画祭」授賞式の模様

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 そして、『バベル』(2006年)で、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたが獲得はならず、今回が国際的映画祭での初受賞となった菊地は、「まさか、初めて上海国際映画祭というこの素敵な映画祭に呼んでいただき、このようなすてきな賞をいただいて本当にうれしいです。20年前に自分を拾ってくれた熊切監督の作品で、こうして賞をいただけて大変うれしく思います」と、上海国際映画祭、監督への感謝を伝えた。

 3人は、最優秀作品賞を受賞し、再び壇上へ。熊切監督は「まさかこんなに賞をいただけるなんて全然思ってもいなかったので本当にうれしく思います。ありがとうございます」と驚きと喜びの混じった笑顔をはじけさせ、菊地も「3つも賞をいただけるとは思ってもおらず、本当にありがとうございます。主人(俳優の染谷将太)とは『獲りました』『おめでとう』とメールで会話しました。主人にも感謝したいと思います」と述べた。

菊地凛子=「第25回上海国際映画祭」授賞式の模様

菊地凛子=「第25回上海国際映画祭」授賞式の模様

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 同映画祭のコンペティション部門において、日本映画で最優秀作品を受賞したのは、第8回(2005年)の三原光尋監督作『村の写真集』以来、18年ぶり。最優秀脚本賞を受賞したのは、第15回(12年)で『鍵泥棒のメソッド』の内田けんじ監督が受賞して以来11年ぶり。最優秀女優賞は、第19回(16年)で阪本順治監督の『団地』で藤山直美が受賞して以来、7年ぶりとなる。

 同映画は、父の訃報を受け東京から青森県弘前市の実家までヒッチハイクをすることになった主人公・陽子が、東京―福島―宮城―岩手―青森をたどる旅の中で出会う人々とのトラブルや温かい交流を通して、後悔を抱え孤立した心を癒していく一夜の物語。日本では7月28日より、ユーロスペース、テアトル新宿ほかの劇場で全国順次公開となる。

「第25回上海国際映画祭」授賞式の模様

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■審査員講評・受賞理由

★作品賞講評
 この映画は、ロードムービーを創造的な方法で探求し、昨今の日本で暮らす平凡な人々の平凡な日常を描く中で、ヒロインが自分自身を発見するプロセスを目撃させます。審査員は満場一致で本作が唯一無二の作品だと評価しました。

★脚本賞講評
 これが人生・社会・希望と絶望の旅についての深遠な物語であり、さらにそれ以上に自己発見についての物語であると評価したため、最優秀脚本賞を授与します。

★女優賞講評
 映画の中の菊地凛子の表情豊かな目と震える手は審査員たちの心を捉え、キャラクターを内面化する彼女の演技力は “俳優 の存在を忘れさせます。彼女の演技はキャラクターに命を吹き込みました。

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