日本文学振興会は16日、「第169回芥川龍之介賞・直木三十五賞」の候補10作を発表した。芥川賞では、難病・先天性ミオパチーの市川沙央氏(43)が『ハンチバック』で、作詞家としても活動する児玉雨子氏(29)が『##NAME##』で初の候補入りを果たした。 芥川賞の候補は市川氏、児玉氏のほか、石田夏穂氏(31)の『我が手の太陽』、千葉雅也氏(44)の『エレクトリック』、乗代雄介氏(37)の『それは誠』の5作品。市川氏と児玉氏は初候補、石田氏は2度目、千葉氏は3度目、乗代氏は4度目のノミネートとなった。 直木賞の候補は冲方丁氏(46)の『骨灰』、垣根涼介氏(57)の『極楽征夷大将軍』、高野和明氏(58)の『踏切の幽霊』、月村了衛氏(60)の『香港警察東京分室』、永井紗耶子氏(46)の『木挽町のあだ討ち』の5作品。月村氏は初候補、高野氏と永井氏は2度目、冲方氏と垣根氏は3度目の候補入り。 両賞は1935(昭和10)年に制定。芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる。前者は主に無名・新進作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。
2023/06/16