『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』(企画・製作:Bunkamura)が6日、東急歌舞伎町タワーの新劇場「THEATER MILANO‐Za」で初日を迎える。人気アニメ『エヴァンゲリオン』を原作とした本作は、主演・窪田正孝のほか石橋静河、板垣瑞生、田中哲司らが出演する。
舞台版で描かれるのは、壊滅的な状況になった地球と生き残った人々。人類再生の切り札を発見し、希望に向けて突き進む「エヴァンゲリオン」と搭乗する14歳の少年少女たち。しかし、計画につながりを持つ青年・渡守ソウシ(窪田)は、新たな悲劇の扉が開くのを目撃した。真相を探るため、ソウシは特務機関の女性・イオリ(石橋)に接触する。フライングや八百屋舞台装置を用いた演出で、ナヲ(板垣)、トウマ(永田崇人)をはじめとしたキャストの身体表現も見どころだ。
初日を迎えるキャストからコメントが到着した。
■窪田正孝(渡守ソウシ役)
今の大人たちは子供たちへバトンを渡すことができるのか。『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』はとても現代的なテーマが込められた作品だと僕自身解釈しています。渡守の生き方は自分の心を代弁してくれている気がして、舞台はそれをストレートに表現できる場所でもありました。デジタルが加速してすべてが映像やインターネットに代わっていく時代だけど、あえてそこに抗い、今『エヴァ』を演技でやる意味はあると、僕は思っています。正直、情報に埋め尽くされすぎて心に余白のある人が以前より少なくなった気がしています。
だからこそこの作品に僕は余白を作りたいし、観てくださる方のなにかきっかけになればと思っています。先入観を捨てて、目の前で起きることを自然な感覚で捉えていただけたら幸いです。
■石橋静河(霧生イオリ役)
ラルビさんといつかお仕事がしたいと思っていたのが10年くらい前のこと。ダンスを志す者としていつかご一緒したいと思っていましたが、踊りを離れてお芝居の世界に入って。思っていた通りにではないけれど、確実に夢が叶ったことに不思議な感覚を覚えます。
この作品ではヒエラルキーの頂点には叶が、その下にイオリ、そして子供たちがいる。そんな男性社会の中で、人には制御しきれないエネルギーを使う弊害が描かれるなど、とても今にリンクした作品になっています。だからこそ表面的な設定や世界観だけでなく、この作品の真髄をご覧になる方々へ伝えたいと思っています。
■田中哲司(叶サネユキ役)
今回の話を聞いたとき、よく『エヴァンゲリオン』の舞台化を決意されたなと思いました。でも2018年に『プルートゥ PLUTO』を見て、作品をまとめ上げる力量に感嘆したので、ラルビさんの演出ならば、そこに身を委ねてみたいと思いました。実際に稽古が始まってみて感じるのは、この作品の根底にあるのは人間の力であり、そこに『エヴァンゲリオン』を演劇にする意味が詰まっているということです。
叶が手をのばすもの、僕はそこに原発をイメージします。今はしのげていても明確な未来は見えない。暮らしは豊かになったけれど、電力が供給され続けなければその豊かさは維持できない。もうあとに引けない、だから科学者として突き進むしかない。叶の姿には、今の世界が如実に反映されていると感じています。
■シディ・ラルビ・シュルカウイ(原案・構成・演出・振付)
『エヴァンゲリオン』を舞台化するというのは、まさに道徳観や価値観と向き合い「なにが正しくて大切なのか」を問いかけることだと考えています。今回の舞台化では、『エヴァンゲリオン』という神話を使いながら、同時に新たな物語を立ち上げます。原作のアニメーション作品と同様にエヴァンゲリオンにパイロットたちが搭乗して使徒と戦いますが、私たちの物語は別の道へ向かっていきます。原作の原理や本質を反映していますが、私たち独自のやり方でそれを表現しています。ただアニメと同じものを映し出すわけではありません。これは、今の正解を映し出す鏡なのです。ですから『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』は、ある意味で『エヴァンゲリオン』とは違うことを目指しています。そこで伝えたいのは「今、我々がどう生きているか」ということ。ご覧になったあとは、ぜひみなさんで語り合っていただけたらと思います。この作品を見てどのように感じたか、そして自分の仕事や人生についてどう考えるか。そんな会話が生まれるのを楽しみにしています。
東京公演(5月6日〜28日)ほか、長野公演(6月3日・4日、まつもと市民芸術館)、大阪公演(6月10日〜19日、森ノ宮ピロティホール)が予定されている。
★ORICON NEWS 動画視聴ページTOP
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
舞台版で描かれるのは、壊滅的な状況になった地球と生き残った人々。人類再生の切り札を発見し、希望に向けて突き進む「エヴァンゲリオン」と搭乗する14歳の少年少女たち。しかし、計画につながりを持つ青年・渡守ソウシ(窪田)は、新たな悲劇の扉が開くのを目撃した。真相を探るため、ソウシは特務機関の女性・イオリ(石橋)に接触する。フライングや八百屋舞台装置を用いた演出で、ナヲ(板垣)、トウマ(永田崇人)をはじめとしたキャストの身体表現も見どころだ。
初日を迎えるキャストからコメントが到着した。
■窪田正孝(渡守ソウシ役)
今の大人たちは子供たちへバトンを渡すことができるのか。『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』はとても現代的なテーマが込められた作品だと僕自身解釈しています。渡守の生き方は自分の心を代弁してくれている気がして、舞台はそれをストレートに表現できる場所でもありました。デジタルが加速してすべてが映像やインターネットに代わっていく時代だけど、あえてそこに抗い、今『エヴァ』を演技でやる意味はあると、僕は思っています。正直、情報に埋め尽くされすぎて心に余白のある人が以前より少なくなった気がしています。
だからこそこの作品に僕は余白を作りたいし、観てくださる方のなにかきっかけになればと思っています。先入観を捨てて、目の前で起きることを自然な感覚で捉えていただけたら幸いです。
■石橋静河(霧生イオリ役)
ラルビさんといつかお仕事がしたいと思っていたのが10年くらい前のこと。ダンスを志す者としていつかご一緒したいと思っていましたが、踊りを離れてお芝居の世界に入って。思っていた通りにではないけれど、確実に夢が叶ったことに不思議な感覚を覚えます。
この作品ではヒエラルキーの頂点には叶が、その下にイオリ、そして子供たちがいる。そんな男性社会の中で、人には制御しきれないエネルギーを使う弊害が描かれるなど、とても今にリンクした作品になっています。だからこそ表面的な設定や世界観だけでなく、この作品の真髄をご覧になる方々へ伝えたいと思っています。
■田中哲司(叶サネユキ役)
今回の話を聞いたとき、よく『エヴァンゲリオン』の舞台化を決意されたなと思いました。でも2018年に『プルートゥ PLUTO』を見て、作品をまとめ上げる力量に感嘆したので、ラルビさんの演出ならば、そこに身を委ねてみたいと思いました。実際に稽古が始まってみて感じるのは、この作品の根底にあるのは人間の力であり、そこに『エヴァンゲリオン』を演劇にする意味が詰まっているということです。
叶が手をのばすもの、僕はそこに原発をイメージします。今はしのげていても明確な未来は見えない。暮らしは豊かになったけれど、電力が供給され続けなければその豊かさは維持できない。もうあとに引けない、だから科学者として突き進むしかない。叶の姿には、今の世界が如実に反映されていると感じています。
■シディ・ラルビ・シュルカウイ(原案・構成・演出・振付)
『エヴァンゲリオン』を舞台化するというのは、まさに道徳観や価値観と向き合い「なにが正しくて大切なのか」を問いかけることだと考えています。今回の舞台化では、『エヴァンゲリオン』という神話を使いながら、同時に新たな物語を立ち上げます。原作のアニメーション作品と同様にエヴァンゲリオンにパイロットたちが搭乗して使徒と戦いますが、私たちの物語は別の道へ向かっていきます。原作の原理や本質を反映していますが、私たち独自のやり方でそれを表現しています。ただアニメと同じものを映し出すわけではありません。これは、今の正解を映し出す鏡なのです。ですから『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』は、ある意味で『エヴァンゲリオン』とは違うことを目指しています。そこで伝えたいのは「今、我々がどう生きているか」ということ。ご覧になったあとは、ぜひみなさんで語り合っていただけたらと思います。この作品を見てどのように感じたか、そして自分の仕事や人生についてどう考えるか。そんな会話が生まれるのを楽しみにしています。
東京公演(5月6日〜28日)ほか、長野公演(6月3日・4日、まつもと市民芸術館)、大阪公演(6月10日〜19日、森ノ宮ピロティホール)が予定されている。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
このニュースの流れをチェック
コメントする・見る
2023/05/06