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「みんな死んじゃえって顔してるね」 23年前の若林正恭を見抜いた“まえけんさん”と2023年のオードリー

 「君あれだね、みんな死んじゃえって顔してるね」。胸に手を当てて、丁寧にあいさつをした人物は、やさしい口調ながらも、すべてを見抜いたように指摘した。人気グループ・King & Prince高橋海人(※高=はしごだか)とSixTONES森本慎太郎がW主演する日本テレビ系連続ドラマ『だが、情熱はある』(毎週日曜 後10:30)第4話(4月30日放送)で、藤井隆演じる谷勝太が、高橋演じる若林正恭にかけた言葉だ。谷勝太のモデルは、2016年4月に44歳の若さで亡くなった前田健さんだが、若林は自身の著書『ナナメの夕暮れ』の中で、この時の出会いを振り返り「ぼくは何かを見抜かれた気がして、この人には嘘は通用しないなと悟った」とつづっている。このシーンをきっかけに、これまでのラジオでのトークなどを中心に「まえけんさんとオードリー」を振り返ってみたい。

オードリー (C)ORICON NewS inc.

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■前田さん訃報直後の『ANN』で人柄を感じるトーク

 「まえけんさん」の愛称で親しまれていた前田さんは、松浦亜弥の物まねで広く知られ、芸人だけでなく、NHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』では結城秀康役を演じるなど俳優としても活動。振付師や映画監督などマルチに活躍していた。

 『ナナメの夕暮れ』によると、若林が21歳の時、初めて前田さんに自己紹介をしたところ、冒頭のようなコメントが返ってきたという。『だが、情熱はある』第4話でも紹介されていたが、若林と春日俊彰の2人がショーパブ・キサラに出演していた若きの日、若林は前田さんに愚痴を聞いてもらったり、前田さんの失恋話を聞いたりと、深い交流があった。

 それだけに、前田さんの訃報が伝えられた直後のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン(ANN)』で、若林は「あのーまぁーそうですね。ちょっと話すか話さないか迷っていて、直前までどうしようかなと思っていたんですけど」と自らの偽らざる気持ちを吐露しながら、前田さんとのお別れについて話を始めた。

 前田さんが心肺停止の状態で救急車で搬送された後、病院を訪れて対面したことを明かし「春日さんもよーくご存知だと思うんだけど、まえけんさんって、死の淵から蘇ってきて、ものすごい作品を作ったりしそうな感じがあるじゃないですか?なんか、絶対意識戻るだろうなっていう確信みたいなのがあって、ICUを出たんですけど」と回顧。「みなさん同じだと思うんですけど、ここ何日か、まえけんさんのことをずっと思い出しているんですよ。うちの事務所で、オレが一番叱られているんじゃないかなと思って」と切り出すと、生前の前田さんとのエピソードを、人柄が思い浮かぶような言葉選びで、笑いを交えて話していった。この時の放送でも、初対面で前田さんにかけられた言葉を紹介していた。

若林正恭 (C)ORICON NewS inc.

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■古典トーク「春日への7時間説教」 前田さんの年齢と並んだ“2023年のオードリー”

 『オードリーANN』では、オードリーの2人、そしてリスナーの“リトルトゥース”も大好きなエピソードが何度も紹介されることを、愛情を込めて「古典」と表現するが、前田さんが春日に7時間説教を行ったという話も古典として、番組内で語り継がれている。奇しくも『だが、情熱はある』第4話の放送日と同じ、昨年4月30日深夜放送の『オードリーANN』(アーカイブサブスクリプションサービス『オールナイトニッポンJAM』で聴取可能)では、若林がエンディングで前田さんの七回忌で、前田さんの実家に訪れたことを話していた。

 前田さんの兄と、前田さんのことを話していると、若林とともに実家に訪れていたビックスモールンのゴンが泣いていたという。若林は「ゴンちゃん、すぐに泣くのよ。帰り道に運転していて、オレが思い出話をしていて、パッと(ゴンの方を見たら)また泣いてた(笑)」と打ち明けながら、春日と2人で次のように話していた。

若林「6年か…早いね!」
春日「早いね、たしかにね」
若林「あと1年で、オレたちまえけんさんが亡くなった歳になるのか」
春日「我々が?はぁー!」

 それから1年が経ち、44歳になった2023年のオードリーは、ともに父になり、来年2月には東京ドームでのイベントを控える。前田さん、オードリーと同じ所属事務所のはなわは先月、自身のインスタグラムを更新し、このようにつづっていた。「4月26日はまえけんさんの命日。今日まえけんさんのご実家へ会いに行ってきた。ご家族の皆様と久しぶりに会えた。写真はお兄さん。やはり話題はオードリーの大ブレイクの話。まえけんさんも天国で喜んでいると思う。みんな頑張ってます!また会いに行きますねー」。

 『ナナメの夕暮れ』には、若林がテレビに出られるようになった時、前田さんから「今、幸せ?」という文章のメールがよく届いていたという記述がある。「みんな死んじゃえ」という顔をしていた男が、結婚して、父になり、東京ドーム公演を心待ちにするファンもいて、自らのやり方で“ゴールデン覇王”を目指している。「まえけんさん」は、今の若林、そして春日にどんな言葉をかけるだろう。そんなことを想像しながら、これから『だが、情熱はある』で紹介されるであろう前田さんとのエピソードを楽しみにしたい。


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