俳優・横浜流星が主演する映画『ヴィレッジ』(4月21日公開)で、物語の鍵を握る中井恵一役にHiHi Jets(ジャニーズJr.)の作間龍斗(20)が起用されている。今作ではエンドロールに「HiHi Jets/ジャニーズJr.」という肩書はない。藤井道人監督は“役者・作間龍斗”の演技を見込み、撮影中には、彼への信頼から重要なシーンを追加した。「自分の新しい引き出しのような作品」という今作に真摯に向き合った作間に、撮影を振り返ってもらった。
今作は、『余命10年』(2022年)などの多数の作品を手掛けた藤井監督のオリジナル脚本、そして『新聞記者』(19年)、『ヤクザと家族 The Family』(21年)、『空白』(21年)などの話題作を世に送り出してきたスターサンズの故・河村光庸プロデューサーの遺作のひとつだ。
とある日本の集落・霞門村(かもんむら)を舞台に、そこで生きる人間たちの、きれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を描く。環境問題、限界集落に若者の貧困、広がり続ける格差社会と、道を誤ったら這い上がる事が困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出す衝撃のサスペンス・エンタテインメント。
過去に起きたある事件によって村中からさげすまれ、母親が作った多額の借金返済のためにゴミ処理施設で不法投棄を強制させられるどん底の日々を送っていた主人公・片山優(横浜流星)。ある日、幼なじみの美咲(黒木華)が村に帰ってきたことで運命が変わり始める。作間演じる恵一は美咲の弟で、優に憧れを抱いているというキャラクターだ。
■そうそうたるキャストを前に緊張はあえて“ほぐさない”「怯えてる作間も取り入れながら」
――今回、作間さんは河村プロデューサーから熱烈なラブコールを受けて出演とお聞きしています。実際にはどういうふうにお話をいただいたのでしょうか。
この作品が最終的な形になる前の段階から、お声をかけていただきました。僕が演じる恵一は、吃音がある役なのですけど、いろいろ内容が変わって最終的にこの形になりました。監督と最初にお会いしたのが衣裳合わせの時だったんですけど、最初にお話をいただいてから半年ぐらい空いたので、いよいよだったな、と。直接的に起用理由を聞いたわけではないですが、河村プロデューサーが以前、僕が出演した『ひらいて』という映画を観てくださったみたいで、それでなのかな。
――過酷な現場のように思えますが実際はいかがでしたか。
クランクイン前は横浜さんにお会いできるとワクワクしていたんですけど、髭を生やした横浜さんがいらっしゃって、現場ではもう撮影が始まってたので、すごくダークな感じや、ゴミ処理施設の雰囲気もあり、そうワクワクもしていられないな、と。キャストさんも本当豪華ですし、そこで一気に緊張感高まりました。
――全体的に明るいトーンの作品とは言えないと思いますが、ですが、現場が終わり帰宅後、それに引きずられる感じとか、呑まれる感じはありましたか。
撮影期間中には京都に滞在していたのですが、ずっとゴミ処理施設で撮影をしていて結構くらうというか。『今日もしんどかったな』みたいな感じで撮影はしていたんですけど、横浜さんだったり、黒木さんだったり、とてもいい方々だったので、フォローしてくださりました。結果、すごく勉強させてもらって、撮影を終えることができました。
――実際に横浜さん、姉役の黒木華さんとはどういったお話をされたのでしょうか。
横浜さんとしゃべったのは1回ぐらい。それも結構そのダークなシーンで、夜中だったこともあり、横浜さんも、すごく集中されてたんですけど、藤井監督が 『流星と話しなよ』みたいにアプローチかけてくださって。寒い中、ヒーターの前で『最近どんな感じなの?』みたいな話をしてくださり。あとは、黒木さんの弟役だったので、面倒見てくださるというか『ご飯ちゃんと食べてる?』みたいに気にかけていただいて。本当お姉さんって感じでしたね。
――緊張はされましたか。
もうずっとテレビで見てるあの方だったので、家族とかも『え、横浜流星くん?』みたいな、一緒に活動してるメンバーとかもそういう感じでした(笑)。なので自分も『本当に、横浜流星さんが目の前にいる…』っていう感じで演じていました。
――緊張はどうほぐしていったんですか。
ほぐさなかったです。恵一のキャラクター的にも、人に対して、すごく緊張感を持ってるキャラクターだったので、なくす必要ないなって思いながら、豪華なキャストの方々を目の前に怯えてる作間も取り入れながら演じました。このキャラクターでよかったです(笑)。
■メンバーとの会話にも吃音を取り入れ役作り 試行錯誤にやりがい「面白かった」
――全体を通してみると、結果的に映画を救う存在が恵一のような気がして、希望を感じました。
ピュアな心をずっと持ち続けてるのは、恵一なのかなって思ったりしました。だからこそ僕自身もいろいろ考えすぎたりせずに、感じたままやってみようって。
――作間さん自身は恵一をどのようなキャラクターとして捉えて演じましたか。
恵一は、小さな村っていう閉鎖的なところで生まれ、いろんな制約に阻まれて生きてきて、自分を表現するのも苦手。それでも、ひたむきに、なにかしようっていう意思はある。そういった青年の若々しさもあり、かわいらしさもあり。なんとかしてあげたいなって思うようなキャラクターなのかなっていう風には思ってますね。
――演じるにあたり監督からどのように演技指導を受けましたか。
台本には、吃音ということで、最初の言葉が『ああああああの』みたいに連続してセリフが書かれていたんです。どうしたらいいんだろう?という気持ちで撮影初日に臨みました。意外と吃音に関しては、監督からあまり指示はなく、恵一はこういう状態でこういう言葉を受けて、こういう言葉を出さなきゃいけなくて…みたいな設定を細かく教えてくださり、あまり僕は設定や感情を言語化される監督さんに会ってこなかったので、すごくやりやすいなってわかりやすいな、ありがたいなって思いました。
――作品のなかで、おどおどする一方、同調圧力に負けない強さもある。そのバランスが難しそうですが、役作りで意識してたことはありますか。
メンバーと話す時は、ちょっと吃音を入れるっていうことをやったりしてましたね。まずはどう発音したらいいか、声のトーンとかどうしたらいいかを課題にしてました。台本の中身は、読み込むしかないので、監督に言われた設定を自分の中でかみ砕いて、うまく自分の物にする。撮影前にはちょっと人を疑うとか、怖いとか、そういう感情を増幅させていました。
――じゃあ、グループのメンバーの皆さんに『ちょっと吃音気味でしゃべる練習するね』みたいな宣言をしてやった?
そうです。やめてって言われました。でもやりました。
――恵一は憧れや恐怖の表情とか、表情で心情を語る姿が印象的でした。そういうところも結構細かく監督から指示を受けましたか。
『もっとこうした方が、こう見えるよ』みたいなのは、教えてくださったりしてて、なにせあまり経験がなかったので、うまく表現できないことがあったんです。セリフも、言葉に出すようなキャラクターじゃなかったので、自分から聞きに行きました。実際に演じてみて、修正していただきましたね。
――そういった作業は難しさと面白さはどちらが大きかった?
難しさはありましたけど完成した作品を見て、こんな感じになってたんだなって面白さは感じましたね。あ、こういう風に効いてくるんだなってすごく思いましたね。
――新しい引き出しを感じた。
全体を通して、自分の新しい引き出しのような作品だったので、今後に役立つなという風に思いますね。
■環境の違う人たちに囲まれ身についた積極性「なるべく話を聞きたい」
――横浜さん、黒木さんのほかにもそうそうたる多くの俳優さんに囲まれた撮影で印象的だったことは。
キャストの皆さんが一同に集まるシーンで、一ノ瀬ワタルさんと中村獅童さん、古田新太さんが控え室でしゃべっている姿が忘れられなくて。なんてえげつない画なんだろうって(笑)。そこにたまに、ハハハって笑いながら黒木さん帰ってきて…すっごいなって。本当僕がこの年齢で、この景色を見れると思ってなかったので、すごい現場にいるな、と。本当に、皆さん楽しそうに撮影するんですよ。本当に演じられることが好きで、キャリアを積まれてきて自分たちのやり方がそれぞれにある。お三方のなかに入れませんでしたが、ただそのしゃべっている姿が、将来にちょっと希望を与えてくださった感じがしました。
――グループでのお仕事とお芝居のお仕事や個人でのお仕事の時はモチベーションや、現場での立ち回り方が全然違うと思いますが、今回、具体的に意識したことはありますか。
全部が貴重なんです。事務所の先輩とお話すると、自分が想像し得るちょっと先の話をしてくださることが多い。でも、まず育ってきた環境が違う方々に囲まれて、スタッフさん、監督さん、キャストさんも、みんなそれぞれ感性が違っていて、たあいもない話でも『そういう風に感じるんだな』と、なるべく話を聞きたいなと。現場にいる時は、演じる時も、他の方の演技をなるべく吸収しようと、カットがかかっても、自分のことについて聞いてみたりとか、他の人のお話を聞いてみたりという努力はするようにしていました。
――具体的にはどのようなお話をされたんでしょうか。
監督さんとはジャニーズについて話していて。ジャニーズの人とお仕事をあまりしてたことがないらしく、『ジャニーズってそういう感じでなんだ』みたいな。そういうのがわからない状態で、僕を見てくださる方はこういうこと言ってくださるんだな…と。今回のエンドロールも「ジャニーズJr.」とか「HiHi Jets」みたいないわゆる「」がなくて、「作間龍斗」として載せてくれて、そういう風に監督は見てくださったのかなっていう風に思いました。
――今回、の藤井監督に演出されたことや、現場を経験したことで自分の中で発見や、自分を引き出してもらった感覚はありますか。
完成作を観た際に、『「ジャニーズのタレントをこんな風に描くんだな」って言われちゃうかも(笑)』って関係者の方に言われたのですが、それはとてもありがたいこと。ジャニーズの先輩で、どもっている役、ここまでダークな感じの役をやられてる方はあんまり記憶になくて。そういう作品を、デビュー前のジャニーズJr.の段階で、経験させていただくのは僕にとっては大きな経験になりました。今後、演技のお仕事をいただいた時に、ここまでダークサイドな話じゃないかもしれないけど、ここまで一回暗い芝居を経験したからこそ、 明るい芝居も逆になんか伸びるのかな。すごいキャストさんたちの芝居を間近で見れたりして、単純に大きな勉強になったなって思います。
――次もし挑戦するとしたら、もうとんでもなく、コメディーチックな作品だったり…。
これを演じている時はめちゃくちゃ思いました。すごく明るい役を演りたいなって(笑)。
――今後ご一緒してみたい監督さんや俳優さんなどいらっしゃいますか。
藤井さんが『僕、ミュージックビデオとかもやるからさ、デビューしたらやらせてよ』みたいに言ってくださって。いや、いいんですか!? みたいな。でも、やぜひやっていただきたいですよね。ちょっと僕もちょっと早く大きくならなきゃなって思います。
今作は、『余命10年』(2022年)などの多数の作品を手掛けた藤井監督のオリジナル脚本、そして『新聞記者』(19年)、『ヤクザと家族 The Family』(21年)、『空白』(21年)などの話題作を世に送り出してきたスターサンズの故・河村光庸プロデューサーの遺作のひとつだ。
とある日本の集落・霞門村(かもんむら)を舞台に、そこで生きる人間たちの、きれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を描く。環境問題、限界集落に若者の貧困、広がり続ける格差社会と、道を誤ったら這い上がる事が困難な社会構造の歪みといった、現代日本が抱える闇をあぶり出す衝撃のサスペンス・エンタテインメント。
過去に起きたある事件によって村中からさげすまれ、母親が作った多額の借金返済のためにゴミ処理施設で不法投棄を強制させられるどん底の日々を送っていた主人公・片山優(横浜流星)。ある日、幼なじみの美咲(黒木華)が村に帰ってきたことで運命が変わり始める。作間演じる恵一は美咲の弟で、優に憧れを抱いているというキャラクターだ。
■そうそうたるキャストを前に緊張はあえて“ほぐさない”「怯えてる作間も取り入れながら」
――今回、作間さんは河村プロデューサーから熱烈なラブコールを受けて出演とお聞きしています。実際にはどういうふうにお話をいただいたのでしょうか。
この作品が最終的な形になる前の段階から、お声をかけていただきました。僕が演じる恵一は、吃音がある役なのですけど、いろいろ内容が変わって最終的にこの形になりました。監督と最初にお会いしたのが衣裳合わせの時だったんですけど、最初にお話をいただいてから半年ぐらい空いたので、いよいよだったな、と。直接的に起用理由を聞いたわけではないですが、河村プロデューサーが以前、僕が出演した『ひらいて』という映画を観てくださったみたいで、それでなのかな。
――過酷な現場のように思えますが実際はいかがでしたか。
クランクイン前は横浜さんにお会いできるとワクワクしていたんですけど、髭を生やした横浜さんがいらっしゃって、現場ではもう撮影が始まってたので、すごくダークな感じや、ゴミ処理施設の雰囲気もあり、そうワクワクもしていられないな、と。キャストさんも本当豪華ですし、そこで一気に緊張感高まりました。
――全体的に明るいトーンの作品とは言えないと思いますが、ですが、現場が終わり帰宅後、それに引きずられる感じとか、呑まれる感じはありましたか。
撮影期間中には京都に滞在していたのですが、ずっとゴミ処理施設で撮影をしていて結構くらうというか。『今日もしんどかったな』みたいな感じで撮影はしていたんですけど、横浜さんだったり、黒木さんだったり、とてもいい方々だったので、フォローしてくださりました。結果、すごく勉強させてもらって、撮影を終えることができました。
――実際に横浜さん、姉役の黒木華さんとはどういったお話をされたのでしょうか。
横浜さんとしゃべったのは1回ぐらい。それも結構そのダークなシーンで、夜中だったこともあり、横浜さんも、すごく集中されてたんですけど、藤井監督が 『流星と話しなよ』みたいにアプローチかけてくださって。寒い中、ヒーターの前で『最近どんな感じなの?』みたいな話をしてくださり。あとは、黒木さんの弟役だったので、面倒見てくださるというか『ご飯ちゃんと食べてる?』みたいに気にかけていただいて。本当お姉さんって感じでしたね。
――緊張はされましたか。
もうずっとテレビで見てるあの方だったので、家族とかも『え、横浜流星くん?』みたいな、一緒に活動してるメンバーとかもそういう感じでした(笑)。なので自分も『本当に、横浜流星さんが目の前にいる…』っていう感じで演じていました。
――緊張はどうほぐしていったんですか。
ほぐさなかったです。恵一のキャラクター的にも、人に対して、すごく緊張感を持ってるキャラクターだったので、なくす必要ないなって思いながら、豪華なキャストの方々を目の前に怯えてる作間も取り入れながら演じました。このキャラクターでよかったです(笑)。
■メンバーとの会話にも吃音を取り入れ役作り 試行錯誤にやりがい「面白かった」
――全体を通してみると、結果的に映画を救う存在が恵一のような気がして、希望を感じました。
ピュアな心をずっと持ち続けてるのは、恵一なのかなって思ったりしました。だからこそ僕自身もいろいろ考えすぎたりせずに、感じたままやってみようって。
――作間さん自身は恵一をどのようなキャラクターとして捉えて演じましたか。
恵一は、小さな村っていう閉鎖的なところで生まれ、いろんな制約に阻まれて生きてきて、自分を表現するのも苦手。それでも、ひたむきに、なにかしようっていう意思はある。そういった青年の若々しさもあり、かわいらしさもあり。なんとかしてあげたいなって思うようなキャラクターなのかなっていう風には思ってますね。
――演じるにあたり監督からどのように演技指導を受けましたか。
台本には、吃音ということで、最初の言葉が『ああああああの』みたいに連続してセリフが書かれていたんです。どうしたらいいんだろう?という気持ちで撮影初日に臨みました。意外と吃音に関しては、監督からあまり指示はなく、恵一はこういう状態でこういう言葉を受けて、こういう言葉を出さなきゃいけなくて…みたいな設定を細かく教えてくださり、あまり僕は設定や感情を言語化される監督さんに会ってこなかったので、すごくやりやすいなってわかりやすいな、ありがたいなって思いました。
――作品のなかで、おどおどする一方、同調圧力に負けない強さもある。そのバランスが難しそうですが、役作りで意識してたことはありますか。
メンバーと話す時は、ちょっと吃音を入れるっていうことをやったりしてましたね。まずはどう発音したらいいか、声のトーンとかどうしたらいいかを課題にしてました。台本の中身は、読み込むしかないので、監督に言われた設定を自分の中でかみ砕いて、うまく自分の物にする。撮影前にはちょっと人を疑うとか、怖いとか、そういう感情を増幅させていました。
――じゃあ、グループのメンバーの皆さんに『ちょっと吃音気味でしゃべる練習するね』みたいな宣言をしてやった?
そうです。やめてって言われました。でもやりました。
――恵一は憧れや恐怖の表情とか、表情で心情を語る姿が印象的でした。そういうところも結構細かく監督から指示を受けましたか。
『もっとこうした方が、こう見えるよ』みたいなのは、教えてくださったりしてて、なにせあまり経験がなかったので、うまく表現できないことがあったんです。セリフも、言葉に出すようなキャラクターじゃなかったので、自分から聞きに行きました。実際に演じてみて、修正していただきましたね。
――そういった作業は難しさと面白さはどちらが大きかった?
難しさはありましたけど完成した作品を見て、こんな感じになってたんだなって面白さは感じましたね。あ、こういう風に効いてくるんだなってすごく思いましたね。
――新しい引き出しを感じた。
全体を通して、自分の新しい引き出しのような作品だったので、今後に役立つなという風に思いますね。
■環境の違う人たちに囲まれ身についた積極性「なるべく話を聞きたい」
――横浜さん、黒木さんのほかにもそうそうたる多くの俳優さんに囲まれた撮影で印象的だったことは。
キャストの皆さんが一同に集まるシーンで、一ノ瀬ワタルさんと中村獅童さん、古田新太さんが控え室でしゃべっている姿が忘れられなくて。なんてえげつない画なんだろうって(笑)。そこにたまに、ハハハって笑いながら黒木さん帰ってきて…すっごいなって。本当僕がこの年齢で、この景色を見れると思ってなかったので、すごい現場にいるな、と。本当に、皆さん楽しそうに撮影するんですよ。本当に演じられることが好きで、キャリアを積まれてきて自分たちのやり方がそれぞれにある。お三方のなかに入れませんでしたが、ただそのしゃべっている姿が、将来にちょっと希望を与えてくださった感じがしました。
――グループでのお仕事とお芝居のお仕事や個人でのお仕事の時はモチベーションや、現場での立ち回り方が全然違うと思いますが、今回、具体的に意識したことはありますか。
全部が貴重なんです。事務所の先輩とお話すると、自分が想像し得るちょっと先の話をしてくださることが多い。でも、まず育ってきた環境が違う方々に囲まれて、スタッフさん、監督さん、キャストさんも、みんなそれぞれ感性が違っていて、たあいもない話でも『そういう風に感じるんだな』と、なるべく話を聞きたいなと。現場にいる時は、演じる時も、他の方の演技をなるべく吸収しようと、カットがかかっても、自分のことについて聞いてみたりとか、他の人のお話を聞いてみたりという努力はするようにしていました。
――具体的にはどのようなお話をされたんでしょうか。
監督さんとはジャニーズについて話していて。ジャニーズの人とお仕事をあまりしてたことがないらしく、『ジャニーズってそういう感じでなんだ』みたいな。そういうのがわからない状態で、僕を見てくださる方はこういうこと言ってくださるんだな…と。今回のエンドロールも「ジャニーズJr.」とか「HiHi Jets」みたいないわゆる「」がなくて、「作間龍斗」として載せてくれて、そういう風に監督は見てくださったのかなっていう風に思いました。
――今回、の藤井監督に演出されたことや、現場を経験したことで自分の中で発見や、自分を引き出してもらった感覚はありますか。
完成作を観た際に、『「ジャニーズのタレントをこんな風に描くんだな」って言われちゃうかも(笑)』って関係者の方に言われたのですが、それはとてもありがたいこと。ジャニーズの先輩で、どもっている役、ここまでダークな感じの役をやられてる方はあんまり記憶になくて。そういう作品を、デビュー前のジャニーズJr.の段階で、経験させていただくのは僕にとっては大きな経験になりました。今後、演技のお仕事をいただいた時に、ここまでダークサイドな話じゃないかもしれないけど、ここまで一回暗い芝居を経験したからこそ、 明るい芝居も逆になんか伸びるのかな。すごいキャストさんたちの芝居を間近で見れたりして、単純に大きな勉強になったなって思います。
――次もし挑戦するとしたら、もうとんでもなく、コメディーチックな作品だったり…。
これを演じている時はめちゃくちゃ思いました。すごく明るい役を演りたいなって(笑)。
――今後ご一緒してみたい監督さんや俳優さんなどいらっしゃいますか。
藤井さんが『僕、ミュージックビデオとかもやるからさ、デビューしたらやらせてよ』みたいに言ってくださって。いや、いいんですか!? みたいな。でも、やぜひやっていただきたいですよね。ちょっと僕もちょっと早く大きくならなきゃなって思います。
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2023/04/20