俳優の黒木華と佐藤浩市が5日、東京・テアトル新宿にて開催された映画『せかいのおきく』の舞台あいさつに参加。共演の池松壮亮、寛一郎らとトークを行った。 同作は、江戸時代の“循環型社会”を背景とし、貧しい時代にたくましく生きる庶民の姿を通じて、人と人のぬくもりを描く時代劇で、寺子屋で子どもたちに読み書きを教えている主人公・おきく(黒木)がある雨の日、厠(寺所有の公衆便所)のひさしの下で雨宿りをしていた紙屑拾いの中次(寛一郎)と、下肥買いの矢亮(池松)に出会うという物語。阪本順治監督がオリジナル脚本で初のモノクロ映画に挑戦した意欲作であり、この日は28日の全国公開に先駆けて完成披露試写会が行われた。 イベントでは、同作の内容にちなみ「100年後に残したいこと」をテーマにしたフリップトークも行われ、黒木は「映画・舞台」と回答。「たぶん残っているとは思うんですけど、ロボットがお芝居をしていたり、AIが作った作品が上映されていたり…と考えると、役者をやっている身としては残っていてほしいと思う」といい、「映画はサクッと観に来られると思うんですけど、舞台を観に来てくれる人って限られているし、実際に舞台の劇場も少なくなっているので、少し寂しい」と思いを伝えた。 続いて佐藤も「劇場」と記し、「凡庸な答えで申し訳ないけど、役者だとどうしてもこういう答えになっちゃうんですよね」と黒木に視線を向けた。そして「この劇場でものを観るというのは、100年後になくなっているんじゃないか。映画も舞台も1人で配信で観るものになって、『人と並んで観る時代があったんですね』と言われるんじゃないかという、一抹の不安がある」としみじみ語る。
2023/04/05
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